Raspberry Piにおすすめの軽量OS8選【用途別に徹底解説】
Raspberry Piは標準的なPCとは少し違います。デスクトップPCの代わりとして使うこともできますが、本来はより汎用性の高いデバイスです。
そのトレードオフのひとつが、利用できるリソースが限られている点です。Raspberry Pi OSは多くのLinuxディストロよりもコンパクトで、一部の機能が省略されています。軽量であるのには理由があり、Linuxデスクトップに通常搭載される多くの機能は、Raspberry Piでは必ずしも必要ないからです。
OSを軽量に保つことで、処理能力とRAMを実行したいプロジェクトに集中させられます。より効率的に運用するために、ここで紹介する軽量Raspberry Pi OSのひとつを導入してみてください。
1. Raspberry Pi OS Lite
軽量なRaspberry Piディストリビューションを探しているなら、最も無難な選択肢はRaspberry Pi OS Liteです。
Debian BusterをベースとするRaspberry Pi OSは、かつて「Raspbian」と呼ばれていたOSの新名称です。Lite版はXサーバーのウィンドウマネージャや関連コンポーネント、その他モジュールを含まない最小構成イメージとなっています。
搭載ソフトウェアが少なく、システムリソースの消費も抑えられるため、その分RAMとCPUパワーに余裕が生まれます。フル版のRaspberry Pi OSが約5GBのイメージであるのに対し、Lite版はわずか1.8GB程度です。
このためLite版は「ヘッドレス」(デスクトップなし)環境として最適で、ファイルサーバーなどサーバー用途に向いています。ヘッドレス用途で使えば、体感できるほどのパフォーマンス向上が期待できるでしょう。
2. DietPi
DietPiもDebian Buster由来の軽量ディストロで、複数のシングルボードコンピュータ向けに提供されています。Odroid、Pineボード、ASUS Tinker Boardにも対応していますが、主に想定されているのはRaspberry Pi各モデルで、コンパクト版Debianをベースとしています。
DietPiは2GBのカードに収まり、最適化されたアプリを簡単にインストールできる専用ツールが付属しています。
大容量カードを使えばストレージに余裕が出ますが、これだけ軽量なOSなら、そのストレージをプロジェクト用に最大限活用できます。
対応する最適化アプリには、デスクトップ環境、メディアシステム、ゲームツール、クラウド・ファイル・Webサーバーなどがあります。最速のRaspberry Pi OSを探しているなら、まずDietPiから試す価値があります。
3. piCore/Tiny Core Linux
Tiny Core Linuxという名前を聞いたことがあるかもしれません。最もコンパクトなLinuxディストリビューションの常連で、驚くほど軽量です。そのRaspberry Pi版がpiCoreで、ダウンロードサイズは90MB弱しかありません。
起動も非常に速いのが特徴です。
究極のミニマルRaspberry Pi OSとも言えるpiCoreは高速で柔軟ですが、ほぼ何もソフトウェアが入っていません。Webブラウザ、メールクライアント、テキストエディタなどを自分でダウンロードしてインストールする必要があります。
動作は滑らかで安定しており、インターネット接続機能を備え、コンパクトなパッケージながら従来型のデスクトップまで収めています。デスクトップを外せば、さらに少ないリソースで動作します。
4. Arch Linux ARM
Archは長年、RaspbianやRaspberry Pi OSの代替として最も人気のある存在でした。ARM向けに調整された32bit版Arch Linuxで、Raspberry Pi OSに期待される機能を一通り備えています。
Xfceデスクトップを完備した洗練されたディストロで、高速かつ効率的。さまざまなRaspberry Piプロジェクトに最適です。GPIOへのフルアクセスも可能で、軽量Raspberry Pi OSとして優れた選択肢となっています。
5. RISC OS
Raspberry Piで動作する軽量OSには、Linux以外の選択肢もあります。ARMベースOSの元祖であるRISC OSは1980年代に誕生し、今なお実用的です。複数のデバイス向けに提供されており、フットプリントは非常に小さく、microSDカードの必要容量は119MB(ただし2GB以上のカードが必要)です。
Linux系ではないため、いくつか新しいコマンドを覚える必要があります。GUIも最初は戸惑うかもしれません。「スタート」ボタンやドックがなく、アプリケーションはデスクトップ上のフォルダにまとめられ、「!」という接頭辞が付けられています。
また、3ボタンマウスの使用を推奨します(クリック可能なホイールがあれば中ボタンの代わりになります)。
Linuxではありませんが、優れた軽量Raspberry Pi OSのひとつと言えます。
6. Raspup/Puppy Linux
もうひとつの極軽量OSが、Puppy LinuxのRaspberry Pi版「Raspup」です。全Raspberry Piモデル向けに提供されており、Puppy Linux特有の体験をもたらします。セッション終了時に保存しなければ、次回起動時はまるで新規インストール直後のような状態になります。
これは一見不便ですが、プライバシー保護やOSの軽量維持には絶大な効果があります。逆に、インストール済みパッケージを使い続けたい場合は、セッションを保存しておく必要があります。
インストール自体は軽量ですが、一般的なソフトウェアの多くはRaspbianリポジトリから入手できます。
7. Sugar on a Stick/Sugar OS
2007年に始まったOLPCプロジェクト(One Laptop Per Child)をご存じでしょうか。途上国向けの教育用コンピュータを作成・配布することを目指したプロジェクトで、Sugar OSが採用されていました。
OLPCの目的はRaspberry Pi Foundationの理念(教育)と通じるものがあるため、Sugar OSがPi向けに提供されているのも自然な流れです。Raspbian上でアプリとして動かすこともできますが、完全版はFedoraベースの「Sugar on a Stick」です。
ユーザーインターフェースには慣れが必要ですが、ツールが豊富に揃っています。特に子ども向けに最適で、使いやすく直感的な操作性はRaspberry Piと相性抜群です。
8. Alpine Linux
Alpine Linuxは軽量であるだけでなく、セキュリティにも重点を置いています。すべてのユーザーランドバイナリが、スタックスマッシング保護付きのPIE(Position Independent Executable)としてコンパイルされています。
パワーユーザー向けに設計されたネットワーク指向のディストロで、侵入検知、ネットワーク監視、IP電話などの用途に適しています。また、Dockerのデフォルトイメージがこのディストロをベースにしているため、コンテナ用途にも自然な選択肢となります。
どの軽量OSをRaspberry Piに入れる?
Raspberry Pi向けの軽量ディストロは豊富にあるので、システムリソースを最大限活かしてプロジェクトを実行しやすくなります。おさらいすると、最も軽量なRaspberry Pi OSは以下の通りです。
- Raspberry Pi OS Lite
- DietPi
- piCore/Tiny Core Linux
- Arch Linux ARM
- RISC OS
- Raspup/Puppy Linux
- Sugar on a Stick/Sugar OS
- Alpine Linux
試したことはありますか? 最軽量の体験を求めるなら、piCoreかArchがおすすめです。
一方、軽量でありながらRaspberry Piらしい環境を求めるなら、Raspberry Pi OS Liteを選びましょう。Androidをインストールするのも面白い選択肢です。Windows風の体験が欲しい場合は、Raspberry PiをWindowsシンクライアントとしてセットアップする方法もあります。
さらにPiを活用したい方は、おすすめのRaspberry Piアクセサリもあわせてチェックしてみてください。
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