Raspberry Piに最適なLinuxディストリビューション5選【用途別に徹底解説】
Raspberry Piは2012年に登場して以来、この小さなコンピュータとその後継機が数え切れないほどのプロジェクトを支えてきました。通常版のUbuntuをRaspberry Piにインストールすることもできますが、特定の用途に特化したLinuxディストリビューションも数多く存在します。この記事では、日常的なコンピューティングから携帯型ミニアーケードの制作まで、あらゆるニーズに応えられる5つのディストリビューションをご紹介します。
1. Raspberry Pi OS(旧Raspbian)
これからRaspberry Piを始めるなら、まずはRaspbian(現在の正式名称は「Raspberry Pi OS」)がおすすめです。Raspberry Pi財団が公式にサポートしているOSのため、豊富なドキュメントやチュートリアルが揃っており、初心者でも安心して取り組めます。また、多くのソフトウェアがプリインストールされているので、初期設定後すぐに使い始められる点も魅力です。

名前の通りRaspbianはDebianベースですが、Raspberry Pi向けにいくつかの独自改良が加えられています。軽量な「PIXEL」デスクトップを採用しており、限られたハードウェアリソースでも快適に動作します。プリインストールされたソフトウェアは一般用途・教育・プログラミング向けが中心で、Python、Scratch、Sonic Pi、Javaなどが含まれています。電子工作やプログラミング学習に挑戦したい方にとって、まさに理想的な環境といえるでしょう。
2. RecalBox
Raspberry Piをレトロゲーム機に変身させるディストリビューションは複数ありますが、その中でもRecalBoxは最も手軽に使えるものの一つです。8ビット時代以降の幅広いアーケードゲーム機や家庭用ゲーム機に対応しており、懐かしいタイトルを手軽に楽しめます。お使いのハードウェアの性能によっては一部のゲームが動作しない場合もありますが、それでも遊べる作品は十分にあります。

RecalBox最大の強みは、周辺機器への対応範囲の広さです。多種多様なゲームパッド、ジョイスティック、アーケードスティックなどがこのOSで動作し、対応デバイスの一覧は公式サイトで確認できます。
初めて導入する場合は、インストールと設定の手順を解説したガイドを参考にするとスムーズに進められます。
3. RuneAudio
RecalBoxがRaspberry Piを小さなアーケードに変えるのに対し、RuneAudioはジュークボックスとして活躍させるディストリビューションです。ただし、それではRuneAudioの実力を語り足りません。高解像度オーディオ再生に重点を置いているため、単なるジュークボックスにとどまらないポテンシャルを持っています。

RuneAudioは、Raspberry Piに直接接続したUSBドライブ内の音楽でも、ネットワーク経由でアクセスするNAS上のコレクションでも、デジタル音楽ライブラリ全体を再生できます。さらに、Webベースのインターフェースを備えているため、家中のどこからでもワイヤレスで操作可能です。WindowsやLinuxのPCはもちろん、Android搭載のスマートフォンやタブレットからもコントロールできます。
対応形式はFLAC、WAVE、MP3、ALACなど主要なオーディオフォーマットを網羅し、DSD-over-PCMによるネイティブDSD再生にも対応しています。全機能の一覧は公式サイトをご覧ください。導入手順については、セットアップガイドを参考にすれば短時間で準備が整います。
4. LibreELEC
Raspberry PiをRokuやApple TVの代わりに使いたいと考えているなら、LibreELECがまさにうってつけです。公式サイトでは「Kodiに必要な最低限のOS」と説明されており、その言葉通りのシンプルさが最大の特徴です。

Kodiは人気の高いメディアセンターソフトウェアです。簡単なセットアップを済ませるだけで、動画やスポーツ中継など、さまざまなコンテンツをストリーミング再生できるようになります。LibreELECはKodiの動作に必要な要素だけを詰め込んだ軽量ディストリビューションで、余計な機能は一切含まれていません。メディアセンターとして専用機のように使うには大きなメリットですが、汎用的なコンピューティング用途を求めている方には不向きでしょう。
5. OpenMediaVault
ここまで紹介したディストリビューションの多くは、Raspberry Piを「楽しむ」ためのものでした。一方OpenMediaVaultは、Raspberry Piに本格的に「働いてもらう」ためのディストリビューションです。

中小企業やホームオフィスでの運用を想定したOpenMediaVaultを使えば、自作のネットワークアタッチトストレージ(NAS)を簡単に構築できます。Debianベースのこのディストリビューションは、SSH、(S)FTP、SMB/CIFS、RSyncなど、ファイルサーバーに必要なサービスを幅広く備えています。ストレージを接続してネットワークにつなぐだけで、Webベースの管理画面から直感的に設定を行えます。
Raspberry Piだけが選択肢ではない
今回ご紹介した5つのディストリビューションはどれも優れた選択肢ですが、すべてがRaspberry Pi専用というわけではありません。RecalBoxやLibreELECのように、他のシングルボードコンピュータにも対応しているものもあります。Raspberry Pi以外の選択肢に興味がある方は、代替ハードウェアをまとめた特集記事もぜひチェックしてみてください。
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