DaRT 10で起動しないWindowsを復旧!リカバリイメージ(ISO)の作成手順
起動しなくなったWindowsを復旧させるための管理者にとって頼れる相棒が「ERD修復ディスク」です。本記事では、Windows 10やWindows Server 2016を復旧するためのツール一式を搭載した起動可能なERDディスクを自作する方法を解説します。リカバリディスクのISOイメージ作成には、Microsoft純正のツールセットDiagnostics and Recovery Toolset(DaRT)を使用します。
必要なもの
DaRTイメージ(ERD Commander)の起動・修復ディスクを作成できる「DaRT 10 Boot Media Wizard」を使用するには、イメージ管理・開発・展開用のMicrosoftパッケージをいくつかインストールしておく必要があります。
- Windows 10用 Windows Assessment and Development Kit(Windows ADK):開発ユーティリティやWindowsイメージ管理ツールが含まれており、システム起動に必要なWindows PE(Windows Preinstallation Environment)も同梱されています。
- Windows 10 Debugging Tools:DaRT 10環境でCrash Analyzerを使ってダンプを解析するために必要です。Debugging ToolsはWindows SDKの一部であり、「Debugging Tools for Windows」コンポーネントのみをダウンロードしてインストールすることも可能です。
- .NET Framework 4.5.1以降(Windows Server 2016およびWindows 10にはデフォルトでインストール済み)
- DaRT 10イメージの作成には、Windows Server 2012 R2 / 2016またはWindows 8.1 / 10を使用します。
- DaRT 10はMDOP 2015(Microsoft Desktop Optimization Pack 2015)の一部であり、無償では提供されていません。企業向けサブスクリプション(Microsoft Software Assurance)契約者のみダウンロードできます。
- ISOイメージまたはDVD形式のWindows 10 x64ディストリビューション
Windows ADK 10とWinDbgのインストール
必要なツールをすべてダウンロードしたら、インストール作業に移りましょう。まずはWindows ADKをインストールします。
Adksetup.exeを実行し、インストール先として「C:\Program Files (x86)\Windows Kits\10\」を指定します。

インストールするコンポーネントの一覧から、以下の2項目のみを選択します。
- Deployment Tools
- Windows Preinstallation Environment(Windows PE)

そのままインストールを続行します。インストーラーが必要なコンポーネントをインターネットからダウンロードしてインストールします。
次にSoftware Development Kit for Windows 10のインストーラーを実行します(事前にKB3118401「Update for Universal C Runtime in Windows」をインストールしておいてください)。SDKコンポーネントの中で必要なのはDebugging Tools for Windowsのみです。

DaRTのインストール
Microsoft Desktop Optimization Pack 2015のISOイメージ(SW_DVD5_Dsktp_Optimization_Pck_SA_2015_MultiLang_MLF_X20-35801.iso)が必要です。このイメージはSoftware Assuranceプログラム経由でのみ入手可能です。MDOPイメージを仮想ドライブにマウントし、DaRTフォルダーへ移動します。Windowsのバージョンごとに複数のDaRTバージョンが用意されているのがわかります。
- DaRT 7 – WinPE 3
- DaRT 8 SP1 – WinPE 4
- DaRT 8.1 – WinPE 5
- DaRT 10 – WinPE 10

今回はWindows 10 x64用の起動ディスクを作成するため、「F:\DaRT\DaRT 10\Installers\en-us\x64」へ移動し、インストールファイルmsdart100.msiをデフォルト設定のまま実行します。

DaRT 10リカバリディスクの作成
DaRTウィザードでは、x86とx64の両方のイメージを作成できます。DaRT 10の起動ディスクは、Windows 10、Windows 8、Windows 7の起動に使用可能です。
DaRT Recovery Imageを作成するアプリケーションを起動します。

64ビット版のDaRTイメージが必要であることを指定し、Windows 10 x64ディストリビューションが格納された仮想ドライブへのパスを選択します。

DaRT 10イメージに含めるツールにチェックを入れます。

DARTで起動したコンピューターにリモート接続したい場合は「Allow remote connections」にチェックを入れます。固定の接続ポートを設定することもでき、設定しない場合はクライアント側で直接ポートを指定する必要があります。

次のステップでは、DaRTイメージにドライバー(通常はネットワークアダプター用)を追加したり、イメージに統合するWinPEコンポーネントを指定できます。

あとはDaRT ISOイメージの保存先ディレクトリを指定するだけです(オプションでWIMファイルとして保存したり、特定の設定でイメージを作成するPowerShellスクリプトを保存して後で再利用することもできます)。イメージを生成するにはCreateをクリックします。

問題がなければ、数分後に指定したディレクトリへWindows 10用のDaRT起動イメージISOファイルが出力されます。


注意:筆者の環境では、Windows Server上でのイメージ作成が以下のエラーで終了しました。
Generating DaRT image
Installing and configuring DaRT tools…
The running command stopped because the preference variable "ErrorActionPreference" or common parameter is set to Stop: The request is not supported. (Exception from HRESULT: 0x80070032)
Cleaning up temporary files
Temporary folder: C:\Users\root\AppData\Local\Temp\DaRT_Mount_2017.12.16.17.58.36
The clean-up has successfully been completed.

さまざまな検証を重ねた結果、「File Restore」と「Disk Commander」の2つのツールを除外すればイメージが正常に作成できることが判明しました。これらのツールが含まれていると処理が中断されてしまうのです。非常に不可解な現象です…。

一方、Windows 10のワークステーション上では、エラーなくイメージを作成できました。
DaRTの使い方
このDaRTイメージはCD/DVDディスクやUSBフラッシュドライブに書き込み、システム障害発生時にユーザーのPCを起動するために使用できます。DaRTに含まれるツールセットを活用すれば、よくあるトラブルの診断と修復(管理者パスワードのリセット、障害の原因となったセキュリティ更新プログラムの削除、レジストリの復元、システムファイルのチェック、DaRT環境へのリモート接続など)が可能です。

さらに、隠しパーティション「System Reserved」上にあるWindows回復環境(WinRE)のwinre.wimファイルを差し替えることで、全ワークステーションのWindowsにMS DaRTを組み込むこともできます。
-
Windows 10 リカバリディスクの作成方法と使い方【初心者向け完全ガイド】
あらゆる情報がデジタル化されている現代では、大切なデータのほとんどがデジタル形式で保存されています。貴重なデータを失うことだけを想像しても、悪夢のようだと感じる方は多いでしょう。マシンに不具合が発生し、失われたデータを復旧しなければならない瞬間は、いつ訪れるかわかりません。しかし、それよりも困ったことがあります。それは、システムが動かなくなったときにOSを再インストールできないことです。 「リカバリディスク」というものをご存じでしょうか?リカバリドライブがあれば、ハードウェアの故障やマシンの不調が発生した場合でも、Windowsを再インストールできます。リカバリディスクを使ってもデータそのも
-
Windows 10でリカバリーパーティションを作成する方法|O&O DiskImageの使い方
マルウェア攻撃をはじめとするさまざまなトラブルでオペレーティングシステムが起動しなくなったとき、頼りになるのが「リカバリーパーティション」です。事前にリカバリーパーティションを作成しておけば、システムクラッシュ後もファイルやOSを復元し、中断した作業の続きから日常業務を再開できます。本記事では、バックアップソフト「O&O DiskImage」を使って、Windows 10にリカバリーパーティションを簡単に作成する手順をわかりやすく解説します。 O&O DiskImageのリカバリーパーティション機能とは? O&O DiskImageは、パソコンのハードディスク内にリカバリーパーティションを作