パケットモニター(PktMon)とは?Windows 10標準搭載のパケットスニファーの使い方
Packet Monitor(PktMon.exe)は、Windows 10 1809およびWindows Server 2019から標準搭載されているネットワークトラフィックアナライザー(パケットスニファー)です。Windows 10 May 2020 Update(バージョン2004)では、リアルタイムのパケットキャプチャへの対応や、Wiresharkへ簡単に取り込めるPCAPNG形式のサポートなど、多くの新機能が追加されました。これにより、WindowsにもLinuxのtcpdumpに相当するパケットキャプチャ機能が備わり、システム管理者やネットワーク管理者はネットワークの動作やパフォーマンスの診断に活用できるようになりました。
PktMonでできること
Packet Monitorを使えば、コンピューターのネットワークインターフェースを通過するすべての通信を、ネットワークパケットレベルで把握できます。以前のWindowsでは、netsh traceコマンドを使ってネットワークトラフィックをキャプチャし、パケットを調査していました。
pktmon.exeのオプションや構文については、コマンドプロンプトでツールを実行するとヘルプを確認できます。

Packet Monitorの基本コマンド一覧
- filter — パケットフィルターの管理
- comp — 登録済みコンポーネントの管理
- reset — パケットカウンターのリセット
- start — パケット監視の開始
- stop — パケット監視の停止
- format — トラフィックログファイルをテキスト形式に変換
- pcapng — PCAPNG形式への変換
- unload — PktMonドライバーのアンロード
サブコマンドのヘルプを表示するには、その名前を入力します。
pktmon filter

パケットフィルターの作成例
ここでは、Windows 10デバイス上で稼働している特定のサービスに届くトラフィックのダンプを収集してみましょう。例として、FTP(TCPポート20、21)とHTTP(ポート80、443)のトラフィックを分析したいケースを想定します。
TCPポート用のパケットフィルターを作成します(UDPやICMPのトラフィックも追跡できます)。
pktmon filter add -p 20 21
pktmon filter add HTTPFilter -p 80 443
アクティブなフィルターの一覧を表示するには、次のコマンドを実行します。
pktmon filter list

パケットキャプチャの開始と停止
バックグラウンドでトラフィックのキャプチャを開始するには、次のコマンドを実行します。
pktmon start --etw
Log file name: C:\Windows\System32\PktMon.etl Logging mode: Circular Maximum file size: 512 MB Active measurement started.

このモードでは、pktmonはすべてのネットワークインターフェースからデータを収集しますが、記録されるのは各パケットの先頭128バイトのみです。特定のネットワークインターフェース上でパケット全体をキャプチャするには、次のコマンドを使用します。
pktmon start --etw -p 0 -c 9
ここでcの値はネットワークインターフェースのIDです。IDは次のコマンドで確認できます。
pktmon comp list

パケットフィルターは、設定した条件に一致したすべてのトラフィックをC:\Windows\System32\PktMon.etl(最大ファイルサイズ512MB)に書き込みます。ダンプの記録を停止するには、次のコマンドを実行します。
pktmon stop
なお、Windowsを再起動すると、パケットの収集は自動的に停止されます。
ログファイルの変換と解析
収集したトラフィックダンプファイル(ETL形式)は、プレーンテキスト形式に変換できます。
pktmon format PktMon.etl -o c:\ps\packetsniffer.txt
または、PCAPNG形式に変換することも可能です。
pktmon PCAPNG PktMon.etl -o c:\ps\packetsniffer.pcapng
テキスト形式のダンプを直接確認してもよいですし、ETLファイルをMicrosoft Network Monitorに取り込んだり、PCAPNG形式に変換したファイルを管理者のコンピューターにインストールされたWiresharkで解析したりすることもできます。

作成したPacket Monitorのフィルターをすべて削除するには、次のコマンドを実行します。
pktmon filter remove
リアルタイムでトラフィックを監視する
PktMonはネットワークトラフィックをリアルタイムで追跡することもできます。その場合は、-l real-timeパラメーターを使用します。このモードでは、キャプチャしたパケットがコンソールに表示され、ログファイルには書き込まれません。
pktmon start --etw -p 0 -l real-time

トラフィックの収集を停止するには、Ctrl+Cを押します。
パケットロス(ドロップ)原因の調査
ネットワークインターフェースでパケットロス(ドロップ)が発生している場合、PacketMonを使えばその理由を確認できます(例:MTUの設定不備やVLANの問題など)。
また、PktMonはWindows Admin Centerの拡張機能経由でも利用できます。ネットワーク問題の診断時にコンピューターやサーバーから収集したデータは、Microsoft Network MonitorやWiresharkなど、より強力なネットワークトラフィック分析ソフトウェアでの詳細な調査に活用できます。
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