JPEG XSとは?VR動画ストリーミングを変える次世代画像圧縮フォーマット徹底解説
ここ数年、テクノロジーは飛躍的な進化を遂げてきました。年々、より強力に、より速く、より効率的になっており、新しい技術が登場するたびに「次は何が来るのだろう?」という期待が膨らみます。
最近、Joint Photographic Experts Group(JPEG)は、次世代の画像圧縮技術「JPEG XS」を発表しました。しかし、これは一体何なのでしょうか?JPEGの後継なのか、それともまったく別のものなのか?本記事では、この注目の技術が私たちにもたらすものについて詳しく掘り下げていきます。
JPEG XSは、Wi-Fiや5Gネットワーク経由でライブ動画やVRコンテンツをストリーミングするために設計された低消費電力フォーマットです。大画面ディスプレイでもHDコンテンツを高速に表示でき、未来の標準フォーマットとして期待されています。ステレオスコピックVRストリーミングの高速化に加えて、ドローンや自動運転車による動画伝送への活用も想定されています。この新しいコーデックの標準化は、JPEG委員会(正式名称:ISO/IEC SC29 WG1)によって行われました。
混同しないよう注意が必要です。JPEG XSは動画ストリーミング用、従来のJPEGはダウンロード用という役割分担になります。
この新しいフォーマットの狙いは、ファイルをスマートフォンなどのデバイスに保存するのではなく、ストリーミングで配信することにより、貴重なストレージ容量を節約することにあります。
以上がJPEG XSの概要です。続いて、その詳細を見ていきましょう。
JPEG XSとは何か?
JPEG XS(ISO/IEC 21122)は、非常に低いレイテンシと低い計算複雑性を実現する圧縮アルゴリズムとして定義された国際規格です。FPGA、ASIC、CPU、GPUなど多彩なプラットフォームに実装可能で、繰り返しエンコード・デコードを経ても劣化しにくい高い多世代耐性も備えています。
JPEG委員会の議長であるトゥラジ・エブラヒミ(Touradj Ebrahimi)氏は、次のように述べています。「我々は品質をより良く保つために圧縮率を抑え、より少ないエネルギーで処理を高速化しているのです」。
従来のJPEG画像形式と比較すると、JPEG XSの圧縮率は約6倍であるのに対し、JPEGは約10倍の圧縮を行います。JPEG XSは、自然画像と合成画像の両方について、ISO/IEC 29170-2で定義された「視覚的にロスレス(目視では劣化を判別できない)」な画質に最適化されている点が特徴です。
こうした特性により、JPEG XSは非圧縮画像データを扱うアプリケーションに幅広く適用できます。具体的には、以下のような分野が挙げられます。
- 3G/6G/12G-SDIなどの放送・映像伝送インターフェース
- IP伝送(SMPTE 2022-5/6 および SMPTE 2110)
- リアルタイム動画保存やメモリバッファ
- 全方位動画撮影システム
- VR/AR用ヘッドマウントディスプレイ
- 自動車産業向けのセンサーデータ圧縮
これらすべてにより、JPEG XSは視覚的にロスレスな画質を維持しながら、高解像度・高フレームレートを実現します。
JPEG XSは、ワイヤレスネットワーク経由でのロスレス動画、VRコンテンツ、ゲームの圧縮に活用される予定です。既存のシステムではソフトウェアアップデートだけで対応できるとされていますが、小型デバイスについては「次世代」ハードウェアが必要になる見込みです。
他の動画規格とは異なり、JPEG XSは追加の処理能力や時間をかけて極限まで圧縮することを目指しません。代わりに、デバイスが高帯域幅の5Gセルラー網やWi-Fiネットワーク上で利用されることを前提とし、超低レイテンシと優れた省エネルギー性能の実現に焦点を絞っています。
JPEG XSはどのように機能するのか?
JPEG XSはオープンソースとして公開され、プロフェッショナルな動画トランスコードに対応したユニバーサルHDRコーディング形式を採用しています。映画編集、宇宙画像処理、業務用カメラなどの分野での利用が想定されています。
JPEG XSコーデックの主な特性
- 自然画像とスクリーンコンテンツの両方で、最大6:1の圧縮率でも視覚的にロスレスを維持し、少なくとも7回のエンコード・デコードサイクルに耐える。
- CPU、GPU、FPGA、ASICでの低複雑度実装が可能で、エンコード・デコード処理における直列ボトルネックを回避できる。
- 1回のエンコード・デコードサイクルのレイテンシは32ライン以内に収まる。
- 4K60fps 4:4:4動画コンテンツ(8ビット色深度)の場合、FPGA実装は外部メモリを不要とし、Artix7 XC7A200Tの50%以下、またはCyclone5 5CEA9の25%以下のリソース使用量に収まる。
- i7プロセッサであれば、4K 4:4:4 8ビット 60pコンテンツの最適化されたソフトウェア実装をリアルタイムで処理できる。
JPEG XSフォーマットのメリット
JPEGは25年前に誕生した規格ですが、JPEG XSはその未来形とも言える存在であり、以下のようなメリットをもたらします。
- ブロードバンドおよび5Gネットワークの伝送効率を向上させ、貴重なディスク容量を節約できる。
- 圧縮後も画質を妥協する必要がない。
- 元の動画と圧縮後の動画の違いを目視で判別することがほぼ不可能。
- 映画編集、宇宙画像、業務用カメラといったプロフェッショナル用途に対応。
- 将来的には一般の家電製品にも搭載が拡大していく。
間違いなく、この新しい画像フォーマットは動画業界に革命をもたらし、広く普及していくことになるでしょう。古い技術が新しい発明に置き換わり、人々がそれに順応していく歴史の流れと同じように、JPEG XSもまた標準となっていくはずです。ドローン、AR、VR、自動運転車など、あらゆる分野での活用が期待されます。画質が一切犠牲にならないため、多くのユーザーにとって頼れる選択肢となることは間違いありません。
ストレージ容量のコストが増大し、管理が難しくなる昨今、容量を節約しつつブロードバンドや5Gの効率を高められるフォーマットは、第一の選択肢となるでしょう。JPEGが確固たる地位を築いてきたように、この新フォーマットにも同じ成功が期待できます。開発者たちが大きな期待を寄せるのはもちろん、動画編集の現場からも早期導入を望む声が高まっています。
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