Microsoft、Chromium版の新Edgeで無効化・置き換えた50以上のサービスと機能
Microsoftは、Chromiumベースの新しいEdgeをCanaryチャネルおよびDeveloperチャネル向けに展開し始めました。Chromiumを基盤とすることで、Edgeは大幅に高速に動作するようになり、Chrome拡張機能にも対応します。しかし意外なことに、Microsoftは新しいEdgeにおいて、多くのChrome(Chromium)由来のサービスや機能を無効化しています。本記事では、その詳細を見ていきましょう。
新Edgeで無効化・置き換えられたChromiumのサービスと機能
この記事では、以下の点について解説します。
- ChromiumベースのEdgeで置き換えまたは無効化されたサービスの一覧
- Chromiumサービスの置き換え事例
- Microsoft Edgeが重点的に取り組む開発分野
これはChromeとよく似た状況です。GoogleがChromeユーザーに対してGoogleのサービスだけを使うことを期待しているように、EdgeユーザーもMicrosoftのサービスとのみ連携することになるわけです。開発チームは該当する50以上のサービスを特定し、それぞれ無効化するか、独自の実装へと置き換えました。競合や不整合を避けるためには必要な措置と言えるでしょう。以下が、削除・無効化されたサービスの一覧です。
- セーフブラウジング(Safe Browsing)
- Nearby Messages(近接メッセージ)
- リンクドクター(Link Doctor)
- 広告ブロック
- ユーザーデータ同期
- スペルチェック
- Suggest(検索候補)
- 翻訳
- SmartLock
- フォーム自動入力(Form Fill)
- プッシュ通知
- ウェブストア
- 拡張機能ストア
- マップの位置情報(Geolocation)
- Google Now
- 音声入力
- Google Pay
- Drive API
- Chrome OS ハードウェアID
- デバイス登録
- Googleマップのタイムゾーン
- Google Cloud Storage
- クラウドプリント(Cloud Print)
- Google DNS
- 保護対象プロファイル(Supervised Profiles)
- 住所フォーマット
- ネットワークロケーション
- ネットワーク時刻
- Faviconサービス
- Google Cloud Messaging
- シングルサインオン(Gaia)
- コンテンツハッシュフェッチャー(Content Hash Fetcher)
- フライトサービス(Flighting Service)
- コンポーネントアップデーターサービス
- RAPPORTサービス
- Chrome OS モニターキャリブレーション
- Chrome OS デバイス管理
- Androidアプリのパスワード同期
- オフラインページサービス
- フィードバック
- ドメイン信頼性モニタリング(Domain Reliability Monitoring)
- データ削減プロキシ(Data Reduction Proxy)
- Chromeクリーンアップ
- 開発者ツールのリモートデバッグ
- iOSプロモーションサービス
- One Googleバーのダウンロード
- ブランドコード設定フェッチャー
- WebRTCロギング
- Captive Portalサービス
置き換えの事例:「IDとシングルサインオン」
Microsoftはプレゼンテーションスライドの中で、「ID(IDENTITY)とシングルサインオン(SSO)」をどのように変更したのかを説明しています。新しいEdgeは、Microsoftアカウント(MSA)やAzure Active Directory(AAD)によるシングルサインオンをサポートする予定です。しかし、ChromiumのアーキテクチャはEdgeとは異なるため、そのまま流用することができません。
ChromiumのサインインダイアログはWebViewで構成されており、REST呼び出しによってユーザー認証を行いCookieを作成します。
- MicrosoftはOneAuthというクライアントSDKを使用しており、ログインUIやMSA・AADなど、あらゆる種類のSSO処理を一手に担います。
- SigninViewController::ShowSignIn内でEdgeAuthenticationManagerを呼び出すことにより、サインインフローを改変しました。
- ブラウザが認証済みのサービス呼び出しを行う必要があるケースには、OAuth2AccessTokenFetcherクラスを特殊化したEdgeAccessTokenFetcherImplを用意しています。
あとはOneAuthがすべて引き受けてくれます!
この変更により、Googleのサービスに依存するプラグインや拡張機能には影響が出る可能性があります。それらの開発者は、修正版を提供するか、対応を断念するかを選ぶことになるでしょう。今後の動向が注目されます。
Microsoft Edgeが注力する主要分野
現時点で、ChromiumベースのEdgeは以下の分野に重点を置いて開発が進められています。特にバッテリー寿命は重要なポイントです。Chromeのようにパフォーマンスやバッテリー消費を悪化させないことを期待したいところです。
- アクセシビリティ
- 編集機能
- セキュリティ
- ARM64対応
- フォント
- ツーリング(開発者ツール)
- 認証
- レイアウト
- タッチ操作
- バッテリー寿命
- スクロール
- Web標準準拠
これらに加えて、EdgeにはPlayReady DRM、サービス統合、シングルサインオンが標準で組み込まれています。PlayReady DRMにより、Netflixなどのサービスが提供するDRM保護コンテンツの安全なストリーミング再生が可能となり、ハードウェアによる復号化、LPACのサポート、省電力化にも対応しています。さらに、Widevineへの準備も整えられています。
出典: @TheWalkingCat
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