WinAppsを使ってLinuxにOfficeをインストールする方法|ネイティブアプリのように操作可能
Linuxには独自のユーザーベースがあり、今でも多くの人々に愛用されています。そんなLinuxユーザーのなかには「WindowsのアプリケーションをLinux上で動かしたい」と考えたことがある方も多いでしょう。そんな願いを叶えてくれるのが、GitHubで公開されているWinAppsというツールです。このソフトウェアを利用すれば、Microsoft OfficeやAdobe製品のアプリを、まるでネイティブアプリであるかのように操作できます。ただし、あくまで仮想化技術によって実現している点は覚えておいてください。また、Internet Explorer、エクスプローラー、PowerShell、Visual Studio、WindowsフルRDPにも対応しています。
WinAppsの仕組み
WinAppsは非常に巧みな仕組みで実装されています。まず、Linux上の仮想マシン(VM)にWindowsをインストールし、OfficeやAdobeなどの対応アプリケーションをセットアップします。その後、Windowsユーザーのユーザー名とパスワードを設定し、RDP経由で接続を行います。いくつか追加の手順が必要ですが、すべて完了すると、VM画面を直接開くことなく、ローカルにインストールされたアプリと同じ感覚で各アプリケーションへアクセスできるようになります。

ファイルやプログラムを検索し、クリックするだけで起動できます。
LinuxにOfficeをインストールする手順
まず、GitHubからWinAppsをダウンロードしてください。その後、以下の手順に従って作業を進めます。
1. WinApps設定ファイルの作成
この設定ファイルには、仮想マシン上のWindowsへ接続するためのRDPユーザー名とパスワードを記述します。保存場所と設定内容は以下の通りです。
保存場所:
~/.config/winapps/winapps.config
設定ファイルの内容:
RDP_USER="MyWinUserName" RDP_PASS="MyWinPassword" #RDP_DOMAIN="MYDOMAIN" #RDP_IP="192.168.123.111" #RDP_SCALE=100 #MULTIMON="true" #DEBUG="true"
これらの値は、ご自身の環境に合わせて適宜変更してください。
2. WinAppsリポジトリのクローンとFreeRDPのインストール
sudo apt-get install -y freerdp2-x11 git clone https://github.com/Fmstrat/winapps.git cd winapps
3. Windows VMのセットアップ
すでにRDPサーバーやVMをお持ちの場合は、次のセクション4へ進んでください。まだお持ちでない場合は、公式ドキュメントで利用可能なコマンドを一通り確認しておくことをおすすめします。
4. Windows VMの設定
次に、Windows VM内でレジストリをマージし、アプリケーションを開けるようにします。KVMを使用している場合は、PC名を「RDPWindows」に変更しておくと、WinAppsがローカルIPアドレスを自動的に検出できるようになります。

Windowsキーを押して検索ボックスに「バージョン情報(ABOUT)」と入力し、表示されたセクションをクリックして開きます。Windows 10の設定(Win + I)から「システム > バージョン情報」へ移動しても構いません。「このPCの名前を変更」ボタンをクリックして、PC名を変更しましょう。
続いて、「システム」セクションの「リモートデスクトップ」を開き、リモートデスクトップを有効にするオプションをオンにします。
最後に、kvm/RDPApps.regをレジストリにマージして、RDPアプリケーション機能を有効にします。
5. GNOME/KDEとWindows VMをショートカット・ファイル関連付けで接続
次に、以下のコマンドを実行して、FreeRDPが正常に接続できるかどうかを確認します。
bin/winapps check
FreeRDPの出力が表示され、その後、証明書を信頼できるソースとして受け入れるかどうかを尋ねるプロンプトが現れます。承認すると、Windowsエクスプローラーのウィンドウが表示されるはずです。これで接続が確立されたことが確認できます。ウィンドウを閉じ、FreeRDPの出力をキャンセルしてください。

6. インストーラーの実行
最後のステップは、インストーラーを実行することです。
$ ./installer.sh --user Removing any old configurations... Installing... Checking for installed apps in RDP machine (this may take a while)... Finished. Configuring Excel... Finished. Configuring PowerPoint... Finished. Configuring Word... Finished. Configuring Windows... Finished. Installation complete.
現在サポートされている主なアプリケーション:
- Adobe Acrobat Pro
- Adobe After Effects
- Adobe Audition
- Adobe Bridge
- Adobe Creative Cloud
- Adobe Illustrator
- Adobe InDesign
- Adobe Lightroom
- Adobe Photoshop
- Adobe Premiere Pro
- コマンドプロンプト
- Windowsエクスプローラー
- Internet Explorer
- Microsoft Access
- Microsoft Excel
- Microsoft Word
- Microsoft OneNote
- Microsoft Outlook
- Microsoft PowerPoint
- Microsoft Project
- Microsoft Publisher
- Microsoft Edge
- PowerShell
- Visual Studio
- Windows OS
これは新しい技術なのでしょうか?目新しさ自体はないものの、実装の質は非常に高いと言えます。また、WSLとも大きく異なるアプローチです。VM経由で動作する仕組みのため、オーバーヘッドが発生し、余分なリソースを消費する点には注意が必要です。そのため、どうしてもこのような統合環境が必要な場合を除けば、VirtualBoxのシームレスモードやVMwareのUnityモードの方が適しているケースもあるでしょう。自分の用途に合わせて、最適な方法を選択してください。
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