AdobeからApple Creator Studioへ乗り換えた体験記:月額コストを大幅に削減し、創造性まで高まった理由
フリージャーナリストとして長年Adobe Creative Cloudに依存してきた筆者が、月額12.99ドルのApple Creator Studioへ思い切って乗り換えた体験を詳しくレポートする。PhotoshopにはPixelmator Pro、LightroomにはPhotomator、Premiere ProにはFinal Cut Proをそれぞれ置き換えた結果、月額69.99ドルのサブスクリプションから解放され、コストとワークフローの両面で大きなメリットを得られたという内容だ。
Adobeが理にかなっていたのは、そうではなくなるまで
Adobeアプリを貶めるつもりはない。クリエイティブ系アプリの分野でAdobeが業界を牽引してきたのには、それなりの理由がある。Creative Cloudは強力なツール群を提供し、アプリ同士がシームレスに連携し、プロの現場でも広く採用されている。
Lightroomで写真編集を始めて、数クリックでPhotoshopに切り替えてレタッチできるほど手軽な環境は他にない。また、チームや代理店、企業環境で働くなら、Adobeが事実上の標準となっていることも多い。共同作業の場で、自分だけ異なるソフトを使うのは現実的に難しい。
しかし、個人で活動するクリエイターとして、支払っている料金の大半に見合う機能を、実は使っていないことに気づき始めたのだ。
筆者は何年も独立系ジャーナリストとして自宅で仕事をしてきた。Macユーザーとして違和感を覚えたのは、AdobeアプリがAppleハードウェアやソフトウェアの最新機能を必ずしも活かせるよう最適化されていないという点だ。もちろんAdobeの全アプリはAppleシリコンでネイティブに動作するが、AdobeはAppleほど迅速に最新の進化を追いかけてはいない。
それなのに、筆者はどんどん値上がりし、解約も難しくなるサブスクリプションに縛られ続けていた。年間プラン、解約手数料、絶え間ない自動更新——欲しいかどうかに関わらず、道具を無期限に借り続けているような感覚だった。
Pixelmator Proは思った以上に簡単にPhotoshopの代替になった
Photoshopが市場で最も強力な画像編集ソフトであることは否定できない。だが同時に、日々の作業ではそのパワーをフルに使う場面はほとんどないことにも気づいた。
筆者のPhotoshopの主な用途は、記事用の画像加工やトリミング、SNS投稿用テンプレートの作成だった。初心者ではないが、Photoshopの高度なツールのすべてが必要というわけでもなかった。
Affinity Photoなど他の候補も試した結果、新しい画像エディタとしてはPixelmator Proを選んだ。当時はまだAppleによる買収前で、Mac専用アプリだったが、もともとMac中心の作業スタイルなので問題はなかった。
Pixelmator Proでは、複数レイヤーでの作業、図形やテキスト、マスクの追加、背景の削除、色調整、エフェクト適用などが直感的に行える。特にお気に入りなのが「Super Resolution」で、AIを使って低解像度の画像を鮮明に復元してくれる機能だ。
Pixelmator ProはPhotoshopほど多くのツールを備えていないが、レタッチ、合成、トリミング、WebやSNS向けの書き出しなど、必要な作業はすべてカバーしている。インターフェースはPhotoshopよりずっとすっきりしていて、初心者にも優しい設計だ。
しかもPixelmator Proは完成度の高いMacアプリだ。最新技術で構築されており、Appleシリコン搭載Macで極めて滑らかに動作する。もうPhotoshopは不要だと実感した。むしろ過剰スペックに感じられ始めたのである。
PhotomatorはLightroomの完璧な代替アプリ
Adobeから離れるには、Lightroomの代替も必要だった。すでにPixelmator Proを使っていたこともあり、同じ開発元によるPhotomatorが最良かつ自然な選択に思えた。現在はApple傘下となったこのアプリは、写真の一括編集に最適なツールだ。
色や質感の補正、LUT対応、被写体と背景の自動選択、多彩なRAW形式への対応など、写真編集に不可欠な機能を一通り備えている。操作性も非常にシンプルで、iCloudフォトライブラリと統合されている点も筆者にとって大きなプラスだ。
Pixelmator Proと同様、Photomatorにも興味深いAI機能が揃っている。低解像度画像を復元する「Super Resolution」のほか、色帯ノイズを除去する「Smart Deband」、カメラノイズを軽減する「Denoise」、写真から傷や不要な物体を消し去る「Repair」などだ。
さらに、PhotomatorはMac上でLightroomよりも明らかに速く滑らかに動作すると感じる。iPhone版とiPad版もあり、スマホから直接写真を編集したり、iPadでApple Pencilを使ってレタッチしたりできるのも嬉しいポイントだ。
Final Cut ProはPremiereからの真のアップグレード
動画編集の分野では、Final Cut ProとPremiere Proはどちらも高度なツールを備え、業界で広く使われている。しかし筆者にとっては、Final Cutの方がはるかに使いやすい。
カラーグレーディング、LUT、トランジション、エフェクトといったプロ向け機能を持ちながら、AppleはあたかもiMovieのような親しみやすいインターフェースでFinal Cut Proを設計した。動画編集が初めての人でも、短時間で使いこなせるようになるだろう。
もちろん、Premiereからの移行には一定の学習コストが伴う。インターフェース、メニュー、ショートカットキーを再習得し、ワークフローを見直す必要がある。だが一度慣れてしまえば、Final Cutを自在に操り、優れた新機能を存分に楽しめるようになる。
Premiereと比べて筆者が最も気に入っているのは、マグネティックタイムラインだ。動画、画像、音声ファイルをタイムラインにドラッグ&ドロップするだけで自由に並べ替えられる。一方のPremiereは依然としてトラックベースで、映像を組み立てる工程がはるかに複雑だ。
そしてここでも、パフォーマンスがFinal Cut Proの大きな強みとなる。macOS上ではPremiereより格段に快適に動作し、レンダリング時間も大幅に短い。これが日々のワークフロー高速化に大きく寄与している。
iPadでの使い勝手はどうか
筆者がAdobeからAppleへ乗り換えたのは、どちらかといえばMac派だからだ。とはいえ、外出先での作業にはiPad Proが頼りになっている。
Apple Creator StudioとAdobe Creative CloudのどちらもiPad版アプリを提供しているが、いくつか留意点がある。Apple製・Adobe製を問わず、iPadアプリはデスクトップ版の一部機能が省略されているのだ。
Adobeのサブスクリプション時代には、Photoshop、Lightroom、さらにはPremiereのiPad版も利用できた。デスクトップアプリには及ばないものの、Macの手元にないときには十分役立っていた。
Creator Studioの場合、iPadではFinal Cut ProとPixelmator Proが使える。ただし、Mac版のFinal Cut Proこそ気に入っているものの、iPad版はまだ物足りなく感じる。Premiereのモバイル版はAIによる音声強化などより多くのツールを備え、iPhone版まで存在する。そこが惜しく、Appleにとっては機会損失のように思える。
iPad版Pixelmator ProはMac版とほぼ同等のツールを使えるが、いくつか制限がある。たとえば、レイヤー数の非常に多いファイルは開けない。一方、iPad版Photomatorも優れたアプリだが、ここに落とし穴がある。Creator Studioには含まれておらず、別途購入が必要なのだ(買い切り119ドルまたは年額30ドル)。さらに厄介なことに、Mac版を購入してもiPad版は使えないため、実質的に2回購入することになる。
つまり、iPadを制作の主軸にしたいなら、現時点ではAdobeの方が still 最善の選択肢と言えるかもしれない。以前Macworldでも指摘した通り、AppleはiPad向けプロアプリの方向性を完全には固めきれていないのだ。
価格差は考えるまでもない
Adobe Creative Cloudは強力だが高価だ。特に複数アプリが必要な場合はその傾向が顕著になる。PhotoshopとLightroomのフォトグラフィプランだけでも積もり積もれば馬鹿にならず、フルのCreative Cloudサブスクリプションは個人で働くクリエイターには重荷だ。
一方のAppleは、Creator Studioでずっと魅力的な条件を提示している。月額12.99ドルまたは年額129ドルで、Final Cut Pro、Pixelmator Pro、Logic Proなど多数のアプリを利用できる。唯一の難点はPhotomatorがバンドル外であること(買い切りライセンス119ドル)だ。
対照的にAdobeは、わずか2アプリのフォトグラフィプランに月額19.99ドルを請求する。フルスイートなら1年契約で月額69.99ドル、月々払いなら104.99ドルとなり、解約時には高額な手数料が発生する。個人クリエイターにとって価格差は重大だ。Adobeのわずか2ヶ月分の料金で、Creator Studioを1年以上利用できることを考えれば、なおさらである。
乗り換えを一切後悔しない理由
Creator Studioへ移行した当初は、Adobeアプリを手放すことで重要な機能を失うのではないかと不安だった。しかし現実には、Appleアプリは必要なものをほぼすべて提供しており、その上はるかに手頃な価格だ。Final Cut ProはMac上でより速く、より楽しく使える。Pixelmator ProとPhotomatorは、決して触れることのない機能の洪水に溺れることなく、画像編集に必要なすべてをカバーしてくれる。
Adobeアプリの方が多くの点で高度か? もちろんだ。だが、主にAppleエコシステムの中で働く個人クリエイターにとって、それは常に必須というわけではない。仕事は今まで通りこなせており、十分に使いこなせていないツールに大金を払い続ける生活ともお別れできた。
あなたも同じ状況にあるなら(特にMacユーザーであれば)、AdobeからAppleアプリへの乗り換えをぜひ一度検討してみてほしい。
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