MacでVPNを設定する方法|3つのやり方とプロトコルの選び方を徹底解説
MacでVPN(仮想プライベートネットワーク)を使いたい理由はさまざまです。公共Wi-Fiでの安全なブラウジング、位置情報の隠蔽、地域限定コンテンツへのアクセス、ファイル共有のプライバシー保護など、挙げればきりがありません。
幸い、MacでのVPN設定はとても簡単です。macOSには標準でVPN機能が組み込まれているほか、多くのVPNサービスが手軽に使える専用ソフトウェアを提供しています。さらに、異なるプロトコルを利用するためのサードパーティ製ツールをインストールすることも可能です。
この記事では、MacでVPNを設定する3つの方法を、それぞれのメリットとともに詳しく解説します。
方法1:VPNプロバイダーの専用アプリを使う
契約しているVPNプロバイダーによっては、サービスを利用するための専用クライアントを提供しています。このソフトウェアはプロバイダー向けに最適化されているため、接続設定の手作業やIPアドレスの入力、利用可能なプロトコルの確認などを自分で行う必要がありません。
ほとんどのVPNプロバイダーはMacとWindows向けのアプリを用意しています(Linuxユーザーの場合は、自分でVPNを構築する必要があることが多いでしょう)。専用アプリの使い方はシンプルで、クライアントをダウンロード・インストールし、ユーザー名とパスワードでログインして、任意のサーバーに接続するだけです。
専用アプリの大きな利点は、サーバー間の切り替えが簡単なことです。利用可能なサーバーのリストが常に表示されるため、地域限定コンテンツにアクセスしたいときも、接続先の国を選ぶだけで済みます。BitTorrentトラフィックに対応した専用サーバーを設けているプロバイダーもあり、規約違反にならないようにするのも容易です。
方法2:macOS標準のネットワーク設定を使う
macOSには、Apple純正のネットワークツールの一部としてVPN接続を作成する機能が標準搭載されています。「システム環境設定」→「ネットワーク」を開き、「+」ボタンをクリックしましょう。
ここでインターフェースに「VPN」を指定し、VPNタイプ(プロトコル)を選択して、新しい接続に名前を付けます。複数のVPNサーバーを使い分ける予定がある場合は、わかりやすい名前を付けておくと後で便利です。たとえば、「米国サーバー(動画視聴用)」のように用途がひと目で分かる命名がおすすめです。
macOSが対応しているプロトコル
macOSは、VPN設定において以下のプロトコルをサポートしています。
- L2TP/IPSec(Layer 2 Tunneling Protocol over IPSec):比較的安全性が高いとされますが、L2TP自体には暗号化機能がなく、IPSecによる保護に依存しています。とはいえ、今でも世界中の多くのVPNユーザーに利用されている実績ある方式です。
- Cisco IPSec:主に企業環境で利用される互換性重視の方式です。
- IKEv2(Internet Key Exchange version 2):より新しいプロトコルで、ネットワークが一時的に切断されても素早くVPN接続を復帰できる点が強みです。L2TPと同様にIPSecで暗号化しますが、通信速度の速さからL2TPよりも選ばれることも多いです。
なお、AppleのデスクトップOSはかつてPPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)をサポートしていました。これは非常に古く脆弱性のあるプロトコルで、かつて企業ネットワークで広く使われていましたが、現在ではほぼ廃れています。どうしてもPPTP接続が必要な場合はShimoなどのサードパーティアプリを使うしかありませんが、特別な理由がない限り使用は避けるべきです。
では、どのプロトコルを選ぶべきでしょうか? 基本的には、契約しているVPNプロバイダーが対応しているプロトコル次第です。PPTPは常に避け、L2TPやIKEv2であれば十分実用的なセキュリティレベルを確保できます。しかし、さらに強固な安全性を求めるなら、次の方法がおすすめです。
方法3:サードパーティ製VPNソフトウェアを使う
macOSが標準でサポートしていないVPNプロトコルとして、SSTP(Secure Socket Tunneling Protocol)とOpenVPNの2つがあります。
SSTPはMicrosoftが所有する独自規格のため、主にWindowsでしか利用できません。クローズドソースのSSL 3.0暗号化を採用しており、コードが公開されていないものの、高いセキュリティ性を持つと評価されています。
OpenVPNは、その名の通りOpenSSLベースの完全なオープンソース技術です。ソースコードが公開されているため、誰でも検査でき、AES(Advanced Encryption Standard)をサポートしています。この透明性の高さこそが、外部からの攻撃に対する耐性を検証できる仕組みとして高く評価される理由です。
この2つの規格は、macOS標準搭載のどのプロトコルよりも高いセキュリティを提供します。VPNプロバイダーの専用アプリが内部でOpenVPNやSSTPを使っているケースも多く、気づかないうちに利用しているかもしれません。ただ、VPN設定をより細かくコントロールしたい場合は、以下のアプリを試してみてください。
OpenVPNなら:Tunnelblick
MacでOpenVPNを使うなら、Tunnelblickが最適なツールです。無料かつオープンソースで、OpenVPN経由の接続を簡単に管理できるGUIを備えています。配布されている設定ファイル(.ovpn)を読み込めば複数の接続を登録でき、メインウィンドウやメニューバーのアイコンからワンクリックでサーバーを切り替えられます。
ダウンロード:Tunnelblick(無料)
SSTPなら:sstp-client
SSTPはWindowsの技術ですが、sstp-clientを使えばmacOSやLinuxからもSSTPサーバーに接続できます。macOS版はMacPortsプロジェクトに依存しており、最も手軽なインストール方法は、Macのコマンドライン用パッケージマネージャー「Homebrew」を使うことです。
ダウンロード:sstp-client(無料)
結局、どのVPNソリューションを選ぶべき?
迷ったら、まずはVPNプロバイダー推奨の専用アプリを使うのがおすすめです。接続も管理も簡単で、トラブル時のサポートも受けやすくなります。一方、自分でクライアントを選ぶ場合は、作成する接続が利用したいVPNプロトコルに対応していることを必ず確認してください。
選択の余地があるなら、OpenVPNがL2TPやIKEv2よりも優れたセキュリティを提供します。また、脆弱性はいつ発見されるかわからないため(幸い多くの場合すぐにパッチが公開されます)、VPNクライアントは常に最新バージョンに保つことを心がけましょう。
もうひとつの選択肢として、ルーター自体にVPN接続を設定する方法もあります。ネットワーク全体の通信を一括してVPN経由にできるため、家庭内のすべてのデバイスを保護したい場合や、セキュリティ目的で常時VPNに接続しておきたい場合に特に有効です。
-
MacでSpotifyスリープタイマーを設定する方法を徹底解説
MacでSpotifyのスリープタイマーを使いたいと思ったことはありませんか?実は、最新版のSpotifyにはスリープタイマー機能が標準搭載されています。寝る前に音楽やポッドキャストを聴く習慣がある方にとって、この機能はとても便利です。事前に設定しておけば、眠りに落ちたころに自動的に再生が停止するため、わざわざ起き上がって音楽を止める必要がありません。 Spotify自体が初めてという方もご安心ください。本記事では、Spotifyの基本的な使い方から、Macでのスリープタイマー設定方法まで、順を追ってわかりやすく解説していきます。 パート1:スリープタイマー設定前にSpotifyアカウントを
-
Macでペアレンタルコントロールを設定する方法【初心者向け完全ガイド】
デジタル化が進んだ現代において、子育ては決して簡単なことではありません。インターネットが生活に深く根付いた今、子どもがどんなコンテンツにアクセスできるのかをしっかり管理することが親の重要な役割となっています。不適切なコンテンツからの保護や、サイバー犯罪者からの子どもの安全確保は、避けて通れない課題です。幸い、Macユーザーであれば「ペアレンタルコントロール」機能を活用することで、子どもにとって安全で安心なブラウジング環境を簡単に整えることができます。 この記事では、Macでペアレンタルコントロールを設定する方法を詳しく解説します。 ペアレンタルコントロールを使うための前提条件 ペアレンタルコ