Windows と Windows Server の違いとは?機能・スペック・価格を徹底比較
Windowsは世界中で広く利用されている人気のOSです。Microsoftはデスクトップ向けの「Windows」と、サーバー向けの「Windows Server」の2種類を提供しています。一見すると外観がよく似ていますが、それぞれまったく異なる目的で設計されています。
Windows 10は日常的な利用に適したOSである一方、Windows Serverはコンピュータ、サービス、ファイルなどを管理するためのOSです。「どちらが自分のニーズに合っているのかわからない」という方は、本記事の比較ポイントを参考に、最適な選択をしてください。
Windows と Windows Server の共通点
共通のコードベースとカーネル
新規にWindows 10とWindows Server 2016をインストールして並べると、最初は見分けがつかないほどよく似ています。スタートボタン、デスクトップ、タスクビューのデザインもほぼ同じで、同じソフトウェアを実行できるうえ、OSの核となるカーネルも共通です。
しかし、共通点はここまでです。
Windowsデスクトップ版は、オフィスや学校などでの文書作成・計算処理といった日々の作業に使われるのに対し、Windows Serverは、ネットワーク上の多くのユーザーが利用する各種サービスを稼働させるために使われます。
なお、Windows Serverにもデスクトップ環境(GUI)は用意されていますが、サーバーの運用コストを抑えるため、GUIなしでインストールすることが推奨されています。さらに、ローカルログインやグラフィカルインターフェースを省き、従来のServerインストールよりもディスク容量を大幅に削減できる「Nano Server」の活用も推し進められています。
Windows と Windows Server の主な違い
1. 高性能ハードウェアへの対応力
最大の違いは、扱えるハードウェアの規模です。メモリ(RAM)は、Windows 10 Proが最大2TBまでなのに対し、Windows Serverは最大24TBまで搭載できます。
一般ユーザーに2TBものRAMは不要ですが、サーバーにとってはRAMの容量がそのまま処理能力に直結します。大容量のRAMがあれば、多数のユーザー、仮想マシン(VM)、クライアントPCを安定してさばけます。
CPUについても、Windows 10は最大2ソケット(Windows 10 Pro)までという制限がある一方、Windows Server 2016は最大64ソケットまで対応します。
コア数では、32ビット版のWindows 10が32コア、64ビット版でも256コアまでしか対応しないのに対し、Windows Serverは事実上無制限のコア数を扱えます。
こうした高いスペックに近い環境をデスクトップOSで実現したい場合は、「Windows 10 Pro for Workstations」を選ぶと、最大6TBのRAMと4基のCPUに対応できます。
2. 快適なデスクトップ環境(Windows 10の強み)
Windows 10にはサーバー向け機能はありませんが、その代わりに日常使い向けの魅力がたくさんあります。まず、Windows Updateが頻繁かつ迅速に配信され、常に最新の状態を保ちやすくなっています。また、音声アシスタントの「Cortana」や操作履歴を時系列で表示する「タイムライン」など、Windows Serverには存在しない機能を利用できます。
ソフトウェアのインストールや各種設定も簡単で、Microsoftアカウントを使えば設定内容を別のPCへ簡単に引き継げるのも大きなメリットです。
さらに、Linux用Windowsサブシステム(WSL)、プログレッシブWebアプリ(PWA)、スマホ連携の「Your Phone」など、多彩な機能が利用できます。これらの多くはMicrosoft Storeに依存していますが、Windows ServerにはMicrosoft Storeがありません。
3. Windows Serverにはサーバー専用ソフトが標準搭載
GUIを有効にしてWindows Serverを起動すると「サーバーマネージャー」が表示されます。これが両者の決定的な違いのひとつです。サーバーマネージャーからは、DHCPサービスやWindows展開サービス(WDS)などの役割・機能を追加できます。
これらの機能を使えば、他のマシンへのOSリモート展開、クライアントPCへの固定IPアドレスの割り当て、ドメインユーザーの作成などが可能になります。いずれも標準のWindows 10には備わっておらず、サードパーティ製ツールを使えば一部再現できるものの、手間とコストがかかります。
また、Windows Serverには高速なファイル共有を実現する「SMB Direct」や、耐障害性に優れたファイルシステム「ReFS(Resilient File System)」のサポートが含まれています。Windows 10で同等の機能を得たい場合は、Windows 10 Pro for Workstationsが必要です。
4. Windows Serverで使えない機能・サービス
逆に、Windows Serverには搭載されていないものもあります。Edge、Cortana、Microsoft Storeは利用できません。ブラウザはInternet Explorer(IE)のみで、しかも一般のWeb閲覧用途としては設計されていません。Google Chromeをダウンロードしたい場合でも、Google関連のURLを例外として許可しなければなりません。IEでWebサイトを開くと、Windows Server特有の厳格なセキュリティ制御が働いていることがわかります。
さらに、Windows ServerではMicrosoftアカウントでのサインインができないため、別のPCの設定を引き継ぐといった利便性は損なわれます。サインインできるのはドメインアカウントのみです。
一方で、グループポリシーを使えばWindows Updateを完全に無効化できるのはWindows Serverならではの強みです。Windows 10では更新の一時停止(延期)機能にとどまります。
5. ネットワーク接続数の上限
大量のネットワーク接続を処理したい場合、Windowsデスクトップ版は不向きです。同時接続数が20に制限されているためです。Windows Serverであれば、ハードウェアの性能が許す限り、20を超える接続も自由に受け付けられます。
6. ライセンス価格の差
価格面でも大きな差があります。Windows 7、8、8.1のライセンスキーを持っていれば、Windows 10へ無料でアップグレードできます。しかし、Windows Server 2016のライセンスは高額で、必要な規模に応じて約500ドル〜6,200ドル程度かかります。そのため、主に企業での導入が中心となっています。
7. フォアグラウンド処理か、バックグラウンド処理か
ユーザーが直接操作するフォアグラウンドの作業用マシンなら迷わずWindows 10を選ぶべきです。一方、ユーザーの目に触れないバックグラウンドで安定稼働させることが目的なら、Windows Serverが最適です。
比較早見表:Windows 10 vs Windows Server
| 項目 | Windows 10 | Windows Server |
| RAM | 最大2TB(Windows 10 Pro for Workstationsなら最大6TB) | 最大24TB |
| CPU数 | 最大4CPU(Windows 10 Pro for Workstationsの場合) | 最大64ソケット |
| 主な搭載機能 | Edge、Cortana、Microsoft Store、タイムラインなど | 固定IP割り当て、ドメインユーザー作成、OSのリモート展開など |
| ネットワーク接続数 | 最大20接続 | 20接続以上(ハードウェア性能に依存) |
| 価格 | 無料(Windows 7/8/8.1からのアップグレードの場合) | 約$500〜$6,200 |
| 得意な処理 | フォアグラウンド(対話型)タスク | バックグラウンド(常駐型)タスク |
まとめ:用途に合わせて最適な方を選ぼう
個人利用が目的であれば、Windows 10を選ぶのが賢明です。既にWindows 7、8、8.1のライセンスをお持ちなら、無料でWindows 10へアップグレードできます。一方、他のコンピュータやネットワークサービスの管理・運用が目的であれば、Windows Serverを選択すべきでしょう。
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