自作Windows PEレスキューディスクの作り方|PCを安全に保つポイントも解説
Windows Preinstallation Environment(PE)を使ったレスキューディスクとは、コンピューターのトラブルを修復するためのツールが詰め込まれたカスタムWindows復旧環境のことです。データのバックアップ・復旧ツール、パスワードユーティリティ、マルウェアの駆除・対策ツールなど、さまざまな機能をひとつのディスクにまとめられます。
優れたWindows PEベースのレスキューディスクはすでにいくつも存在しますが、他人が作ったものに頼る必要はありません。必要な復旧ツールを自分で選びながら、オリジナルのWindows PEレスキューディスクを作成することもできるのです。
Windows PEとは?
Windows PEは、Windows 10の軽量版です。フルインストール版のWindows 10のセットアップ、テスト、修復に利用できます。ベースとなるWindows PEは、Windowsアプリケーションやドライバー、ネットワークツール、ディスクのパーティション管理など、幅広い機能をサポートしています。
Windows PEベースの復旧ディスクは、この機能をさらに拡張したものです。フリー&オープンソースのツールを追加することで、不調になったWindows 10環境の復旧・復元・分析が可能になります。
ここでは、Windows PE復旧ディスクを作成する最も簡単な方法を紹介します。あらかじめ用意されたツール群から必要なものだけを選んで組み込める方式で、さらに自分の好きなプログラムを入れたカスタムフォルダーを追加することもできます。
Win10XPEでオリジナルのWindows PE復旧ディスクを作る方法
Win10XPEは、著名なカスタマイザーであるChrisR氏が開発した本格的なカスタムWindows PE環境です。Windowsの中核機能を幅広く備えているだけでなく、豊富なカスタムアプリを追加できる点が魅力です。
1. 必要なツールを揃える
作業を始める前に、以下の2つを用意しましょう。
- Win10XPEプロジェクト
- Windows 10 バージョン1709以降のISOイメージ
Win10XPEのプロジェクトファイルは、Windows PEベースの復旧ディスク開発者であるKyhi氏によるものです。Kyhi氏は復旧ディスクの配布を終了しましたが、ユーザー自身が作成できる仕組みを残しました。Win10XPEのプロジェクトファイル(無料)をダウンロードし、アーカイブを展開しておいてください。このフォルダーは後ほど使用します。
次に、Windows 10のISOファイル(無料)をダウンロードします。プルダウンメニューからバージョン、エディション、アーキテクチャを選択できます。本チュートリアルではWindows 10 1903 Finalを使用します。ISOのダウンロードが完了したら、中身を任意のフォルダーに展開して次へ進みましょう。
2. WinBuilder Win10XPEを起動する
Win10XPEフォルダーに戻り、「Win10XPE.exe」を実行します。WinBuilderのカスタマイズ画面が開きます。
最初に行うのはSelect the Windows 10 Source Folder(Windows 10ソースフォルダーの選択)です。前の手順で展開したWindows 10 ISOの場所を参照し、フォルダーを選択してWinBuilderにソースファイル情報を読み込ませます。
続いて、Windows PE復旧ディスクのベースとなるイメージを選択します。制限の多いWindows 10 Homeではなく、完全版であるWindows 10 Proを使うことをおすすめします。
3. レスキューディスクに収録する復旧ツールを選ぶ
左パネルにあるレスキューツールのオプション一覧をスクロールしながら、Windows 10 PEレスキューディスクに含めたい項目にチェックを入れていきましょう。
アクセシビリティ、コンポーネント、ネットワーク、Office、セキュリティなど、多彩なカテゴリーから選択可能です。これらのオプションはKyhi氏がカスタムWindows PEレスキューディスクに収録しているアプリですが、どれを追加するかは自由に取捨選択できます。
アプリの選び方に正解・不正解はありません。アプリをクリックすると、WinBuilderがその機能の説明を表示してくれるほか、アプリ固有の設定オプションやショートカットの作成有無なども指定できます。
4. Build Coreオプションを設定する
アプリリストの一番上にあるのがBuild Coreオプションです。ここでは、キーボードの言語とレイアウト、標準のExplorerを使うか軽量なオープンソースシェル「WinXShell」を使うか、デスクトップ背景画像(レスキューディスクを「ブランド化」したい場合に便利)、ネットワーク・電源・ビルドに関する設定など、OSに関わる各種オプションを指定できます。
変更しておく価値のあるオプションがWinPE Cache Sizeです。キャッシュサイズを増やすとWindows PE復旧ディスクの動作が速くなります。ただし、さまざまなシステムで使う予定があるなら、1GBのままにしておくのが無難でしょう。
もうひとつ重要なのが、「Microsoft .NET Framework 4」を有効化した上で「Network Additions」をオンにすることです。これにより、Windows PEベースのレスキューディスクでもWi-Fi接続が使えるようになります。
5. カスタムファイルを追加する
Windows PEレスキューディスクには、独自のフォルダーを追加することもできます。Build Coreオプションページの「Add Your Custom Folder」にチェックを入れ、「Open Custom Folder」ボタンを押してProgram Filesフォルダーを開きましょう。
このフォルダーに、復旧ディスクへ追加したいポータブルアプリをコピーします。必ずポータブルアプリを選んでください。インストール型のアプリでは、ディスクから直接実行できず、PC修復の際に動作しません。ポータブルアプリに詳しくない方は、Portable Appsなどのサイトをチェックしてみてください。ほぼあらゆるカテゴリーのアプリが見つかります。
筆者はいつも、セキュリティ系アプリをいくつか追加する時間を惜しみません。家族からウイルス感染システムの救出を頼まれる日がいつ来ても対応できるようにするためです。
6. レスキューディスクのISOをビルドする
カスタムポータブルアプリの追加が済んだら、いよいよビルドして実際に試してみましょう。
WinBuilder右上にある青いPlayボタンを押します。ISO作成プロセスの途中で、Windows PE復旧ディスクに必要なファイルのダウンロードが求められることがあります。許可して続行してください。ウイルス対策ソフトやマルウェア対策ソフトが警告を出す場合は、WinBuilderを例外リストに登録しておきましょう。
Windows PE復旧ディスクのISOが完成したら、USBフラッシュドライブに書き込みます。起動可能なUSBメモリを作成できるフリーツールは数多くありますので、Rufusなど使い慣れたものを利用するとよいでしょう。
復旧ディスクは複数コピーを保管しよう
もうひとつの便利なコツは、Windows復旧ディスクのコピーを複数枚手元に保管しておくことです。いつ必要になるかわかりませんし、最悪の場合、紛失したことに気づかないままという事態もあり得ます。
どうしても自作に乗り気でない方は、Hiren's BootCD PEなど、定評あるWindows PEベースの復旧ディスクを試してみるのもよいでしょう。
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