Windows 10の「最高のパフォーマンス」電源プランは必要?仕組み・メリット・有効化方法を解説
パソコンがもう少し速ければ…と願った経験は、誰にでもあるはずです。動画編集のような重い処理や、Excelでの大規模な計算を走らせている最中には、その思いがとりわけ強くなります。
しかし、新しいPCの購入を検討する前に試してほしい機能があります。それがWindows 10の「最高のパフォーマンス」モードです。実は、システムにさらなるブーストをもたらすための電源プランが、あなたのPCに最初から備わっています。本記事では、その概要と有効化の方法を詳しく解説します。
Windows 10の「最高のパフォーマンス」プランとは?
「最高のパフォーマンス」電源プランは、当初Windows 10 Pro for Workstations限定として提供されていた機能で、ワークステーションやサーバーなどのハイエンドマシンでアプリケーションを快適かつ高速に動作させることを目的としています。
Windowsを長く使っている方なら、PCに設定できる3つの標準電源プランをご存じでしょう。「バランス」(推奨)、「省電力」、「高パフォーマンス」の3つです。
各プランはそれぞれ異なる方針で電力消費を管理します。「省電力」は最もエネルギー効率が高く、ノートPCユーザーや電気代を気にする人に最適です。一方の「高パフォーマンス」は、消費電力を犠牲にしてでもハードウェアを常にベストな状態で稼働させ続けるプランとなっています。
これらの設定は、「Win + I」キーで「設定」を開き、「システム」→「電源とスリープ」→「追加の電源設定」と進むことで確認できます。
ところが、多くの環境では非表示になっている第4のプラン「最高のパフォーマンス」が存在します。これは従来の「高パフォーマンス」をさらに発展させたもので、きめ細かな電源管理に伴うマイクロレイテンシ(ごく微小な遅延)を低減・排除することに特化しています。
つまり、より多くの電力を必要とするハードウェアへ電力を供給する際のわずかなタイムラグを減らすことで、システム全体に追加のブーストを与える仕組みです。
「最高のパフォーマンス」プランで何が変わるのか?
このプランの核となる仕組みは、PCのハードウェアをアイドル(待機)状態にさせないことです。通常の電源プランでは、使用中でない重要度の低いハードウェアを一時的に停止させます。HDDの回転がふと静かになった経験があるなら、それはドライブがアイドルモードへ移行していたサインです。
「最高のパフォーマンス」では、どのハードウェアもスリープしません。すべてを最大性能で走らせ続けるために、以下のような初期設定が適用されます。
- HDDのアイドル停止時間が「0分」に設定され、ハードディスクが待機状態に入らない
- システムタイマーの頻度が「最大パフォーマンス」に設定される
- ワイヤレスアダプターの省電力設定が「最大パフォーマンス」に設定される
- PCが休止状態(ハイバネーション)に入らない
- プロセッサの電源管理が「100%」に設定される
- ディスプレイは15分操作がないとオフになる
- 動画再生時は、Windowsが画質の最大化を優先する
「最高のパフォーマンス」プランは自分に合っている?
無料でここまでのパフォーマンス向上が得られるのは魅力的ですが、このプランが万人向けというわけではありません。
たとえば、Webブラウジング、PowerPointでの資料作成、メール返信、動画視聴といった日常業務が中心なら、推奨の「バランス」プランで十分です。こうした用途で「最高のパフォーマンス」を使っても、体感できるメリットはほとんどなく、単に電力を浪費する結果になります。
その一方で、消費電力とのバランスよりも、システムの限界性能を引き出したい場面もあります。
たとえば、3Dモデルのレンダリング、高い処理能力を要する動画編集、大量の読み書き処理を少しでも速く終わらせたい特殊な作業などが該当します。こうした重いワークロードを抱えるときこそ、「最高のパフォーマンス」への切り替えを検討しましょう。
なお、この電源スキームはマイクロレイテンシの低減によって成立しているため、ハードウェアへの負荷が増し、消費電力も大幅に上がります。また、省電力機能が無効になる関係上、バッテリー駆動のシステムでは利用できません。ノートPCで試す場合は、必ず電源アダプターを接続したまま使いましょう。
さらに、ゲーム目的での採用はおすすめできません。多くのゲームは電源プランを経由せずに独自に性能を最適化するため、劇的な改善は期待できないのです。
「最高のパフォーマンス」プランを有効にする方法
自分に合っていそうだと感じたら、さっそく有効化してみましょう。ただし前述のとおり、このプランはWindows 10の設定の中に「隠れている」ことが多く、電源プランの一覧に項目自体が表示されない場合があります。
それでも諦める必要はありません。手順さえ踏めば誰でも有効化できます。最も確実なのは、管理者権限でコマンドプロンプトかPowerShellを開き、次のコマンドを実行する方法です。
powercfg -duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61
実行後、「最高のパフォーマンス」が電源オプションの一覧に追加されるので、あとは選択するだけです。日常使いに戻したいときは、同じ画面で別のプランを選び直せばすぐに切り替えられます。
本当に必要なときだけ「最高のパフォーマンス」を選ぼう
Microsoftによれば、この電源スキームはWindows 10 April 2018 Update(バージョン1803)以降であれば、すべてのユーザーが利用できます。対象バージョンのPCなら、電源設定に表示されていなくても簡単に有効化可能です。
ただし、繰り返しになりますが、このプランは日常的な作業には不向きです。効果を発揮するのは限られたシナリオのみです。重い処理でどうしても最大限のパワーが必要だというときに初めてオンにし、PCの本当のポテンシャルをぜひ体感してみてください。
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