Googleに縛られないAndroid——最もクリーンでプライベートなスマホOS「/e/OS」を徹底解説
Googleは過去20年以上にわたりAndroidを開発してきましたが、テクノロジー大手であるGoogleとAndroid Open Source Project(AOSP)を切り離すのは容易なことではありません。AOSPは技術的には自由なオープンソースプロジェクトですが、その名とは裏腹に、Googleサービスへの依存度が非常に高いのが実情です。Androidはデフォルトで各種API、Google Playストア、Google Play Servicesを使用しており、これらすべてがGoogleにAndroid ROMへの一定の支配力を与えています。そんな中、「脱Google化(DeGoogled)」されたAndroid体験を実現するために大胆な設計を採用しているROMはごくわずかで、Murena社の/e/OSもそのひとつです。
筆者はMurenaから貸与されたFairphone 6のレビュー機で/e/OSを実際に使用しました。そこで見えたのは「GoogleなしのAndroid」の姿であり、同時に私たちのお気に入りのデバイスやアプリ、サービスがどれほど私たちの行動を追跡し、データを吸い上げているかを痛感させる体験でもありました。/e/OSの本質は「プライバシー第一」のスマートフォンOSを作ることであり、Google統合の排除はその当然の帰結にすぎません。Googleエコシステムのヘビーユーザーである筆者にとって、/e/OSはオンラインプライバシーをもっと真剣に考えるきっかけとなりました。
MurenaのFairphone 6はプライバシーを中核に据える
トラッカー遮断、IP偽装、位置情報の偽装を標準搭載
まず基本から整理しましょう。あらゆるAndroidはAOSPをベースとし、その上に独自のUI、ランチャー、機能を追加しています。今や「純正Android」というものは存在しません。Google自身のPixelランチャーですら、AOSP Android 16ビルドを大きくカスタマイズしたものだからです。カスタムROMはスマートフォン出荷時のROMに代わる選択肢であり、LineageOSはその代表格です。そして/e/OSは、LineageOSのフォークであり、突き詰めればAOSPのフォークでもあります。
/e/OSがプライバシー重視のAndroidであることは、電源を入れた瞬間から明らかです。Fairphone 6には、Murenaが/e/OS上でカメラとマイクへのアクセスを物理的に有効・無効化できるハードウェアスイッチまで搭載されています。筆者が特に気に入ったのは、Googleサービスが削除されたことそのものよりも、Advanced Privacyスイートとして提供されるシステム全体レベルのプライバシー保護機能でした。

/e/OSのAdvanced Privacyは、トラッカーを自動的にブロックし、普段使っているアプリにおける情報漏洩を検出します。この機能を見ると、スマートフォンを操作するたびにどれほど大量のデータが収集されているかが如実に分かります。Fairphone 6で/e/OSをテストしていた期間、毎日数百〜数千件のトラッカーがブロックされていました。しかもそれらは怪しいアプリからではなく、Threads、Starbucks、Discogsといった人気アプリからのものです。
もちろん、/e/OSがこれらのトラッカーを食い止めてくれるのはありがたいことです。しかし同時に、Murena OSなしでスマホやデバイスを使っているとき、自分がどれほど多くの情報を差し出しているのかという痛烈な事実を思い知らされます。さらにAdvanced Privacyスイートは、IPアドレスの偽装や位置情報データの偽装にも対応しています。
スマホの位置情報とIPアドレスを世界のどこにでも設定できるため、強力なVPNがAndroidに組み込まれているような感覚です。ただし正直に言えば、常時有効化するのは難しいのが実情です。多くのアプリが動作を拒否するためです。それ自体が、私たちが日々使っているアプリが想像以上に危険な存在であることのもうひとつの証左と言えるでしょう。
/e/OSは可能な限りGoogleを排除する
microGプリインストールで高いアプリ互換性を実現

/e/OSを他の脱Google版Androidから際立たせる決定的な要素、それが互換性です。このOSはほとんどのAndroidアプリとの互換性を維持しており、Google Play Services非搭載のROMとしては極めて珍しい特長です。/e/OSは「microG」というソフトウェアパッケージを採用することでこれを実現しており、Play Servicesの機能を保ちながらGoogleへの接続を最小限に抑えています。
microGにより、アプリは必要な認証のためにGoogleへ接続できます。デバイス登録、Googleアカウントへのサインイン、Androidのプッシュ通知といった機能が利用可能になる一方、Play Servicesの不要な要素はすべて取り除かれ、より安全な環境が実現します。microGがどうしてもGoogleと通信する必要がある場合には、MACアドレスやIMEIといったデバイス識別子を自動的に除去、あるいはランダム化してくれます。
日常使いの観点では、本来Play Servicesを必要とするセキュリティの厳しい銀行アプリも/e/OS上で動作するということです。さらに、Google PlayストアとF-DroidからAPKを取得できる標準アプリマーケット「App Lounge」も利用できます。App LoungeはユーザーとPlayストアの間にプライバシー保護のための層を設けており、PWA(プログレッシブウェブアプリ)のワンタップインストールにも対応しています。

筆者の経験では、手持ちのすべてのアプリが/e/OS上で問題なく動作しました。脱Google OSへの移行は、予想していたよりもはるかにスムーズなものでした。
誰でも無料で/e/OSへ移行できる
高額なFairphoneを購入する必要はない
組み込み型のプライバシー機能を備え、Google統合を最小限に抑えたカスタムAndroid ROMに興味が湧いたなら、/e/OSを試してみる絶好のタイミングです。米国で約900ドルのMurena Fairphone 6を購入しなくても大丈夫です(もちろん選択肢のひとつではあります)。/e/OSは無料でインストールでき、200以上のデバイスをサポートしています。堅牢なセキュリティ対策に加え、筆者は/e/OSをクリーンで心地よいAndroid ROMだと感じています。

Murena Fairphone 6
修理可能で倫理的に作られたスマートフォン
$839(通常価格 $899・$60お得)
SoC: Qualcomm Snapdragon 7s Gen 3
OS: /e/OS
リアカメラ: 50MP Sony Lytia 700C
その他: T5ドライバー1本で修理可能
プライバシー重視の/e/OSを試してみたいなら、Murena Fairphone 6が最良の選択肢です。5年間の保証付きで、開封後すぐに/e/OSが動作します。
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