2.4GHzまたは5GHzのWi-Fi帯域のみに接続する方法(自動切り替えを防ぐ)
最近のほとんどのWi-Fiルーターは、2つの周波数帯域をサポートしています。1つ目は2.4GHz帯です。この帯域は壁などへの透過性が高く、ルーターから離れた場所でも強い信号を受信できるのが特徴ですが、通信速度は比較的遅めです。もう一方の5GHz帯ははるかに高速ですが、信号の減衰が早く、障害物の影響も受けやすいという弱点があります。
通常、デバイスはその時点で最適な方の帯域へ自動的に切り替わります。しかし、何らかの事情で特定のデバイスをどちらか一方の帯域に固定したいケースもあるでしょう。本記事では、帯域の自動切り替えを防ぎ、目的の帯域のみに接続させるためのさまざまな方法を解説します。
Windowsで優先帯域を設定する
Windowsでは、Wi-Fiアダプターがどちらの帯域を使用するかを設定できます。
- スタートボタンを右クリックし、デバイスマネージャーを選択します。
- ネットワークアダプターの項目を展開します。
- お使いのWi-Fiアダプターを右クリックし、プロパティを選択します。
- 詳細設定タブを開き、プロパティの一覧から優先バンド(Preferred Band)を選択します。
- 値のドロップダウンメニューを開き、希望する帯域を選びます。
なお、表記はWindowsのバージョンやネットワークカードの種類によって多少異なります。たとえば、プロパティ名が単に「バンド」と表示され、設定値も「優先」ではなく「2.4 GHz のみ」「5 GHz のみ」という形式になっている場合があります。
macOSで優先ネットワークを設定する
Macで特定のネットワークに確実に接続したい場合は、優先ネットワークの順序を変更します。Macは、リストの上にあるネットワークから順に接続を試み、失敗した場合は次の候補へフォールバックする仕組みです。
これは厳密には特定の帯域への固定とは少し異なりますが、優先ネットワークが利用可能である限り、Macは他の選択肢よりもそちらを優先して使用します。
- 画面左上のAppleロゴをクリックします。
- システム環境設定を選択します。
- ネットワークを選択します。
- 詳細…をクリックします。
- 「優先ネットワーク」の一覧で、登録済みのWi-Fiネットワークをドラッグして希望の順序に並べ替えます。
- 完了したらOKをクリックします。
また、特定のネットワークに絶対に接続されたくない場合は、リストから削除するか、該当ネットワークの隣にある自動接続のチェックを外しましょう。そうすれば、手動で指示したときだけ接続されるようになります。
iOSでネットワーク設定を行う
iOS端末には、macOSのような詳細なネットワーク優先設定は用意されていないため、選択肢は限られます。とはいえ、iOSおよびiPadOSで使える以下の2つの操作だけで、目的は十分に達成できます。
- 設定アプリを開きます。
- Wi-Fiを選択します。
- 接続したくないネットワークの横にある青い「i」アイコンをタップします。
- 「このネットワーク設定を削除」を選択して完全に切断するか、「自動接続」をオフにして自動的な切り替えを防ぎます。
2.4GHzと5GHzのネットワークはSSID(ネットワーク名)が異なるのが一般的なので、この方法だけで、端末が片方の帯域のみを使うよう制御できます。
Androidでネットワーク設定を行う
Android端末の場合は、やや状況が複雑です。一部のAndroidスマートフォンにはWi-Fi優先度メニューが搭載されており、以下のパスでアクセスできます。
設定 > ネットワークとインターネット > Wi-Fi > オーバーフローメニュー > 詳細なWi-Fi設定 > Wi-Fi優先度
補足しておくと、「オーバーフロー」メニューとは通常、三本線(ハンバーガーアイコン)のボタンのことです。機種によっては、三点リーダー(︙)アイコンからアクセスできるメニュー内にある場合もあります。
ただし、検証に使用したSamsung Galaxy S21 Ultraでは、この設定項目を見つけることができませんでした。独自にカスタマイズされたAndroidを採用している多くの機種でも同様だと考えられます。
そこで最も確実な対策となるのが、Wi-Fi切替アプリの活用です。これらのアプリは、どのWi-Fiネットワークに接続するかの制御を引き継いでくれます。ただし、アプリに高度な権限を付与することになる点には注意が必要です。
調査の結果、おすすめは有料アプリの「Smart Wi-Fi Selector」です。開発元が無料トライアルを提供しているため、実際に試してから購入を判断できます。
注意:インストールするアプリは、Play Storeで配信されPlay Protectによる認証を受けたものだけに限定してください。また、Android向けウイルス対策ソフトの特集記事を参考に、インストールしたアプリの安全性を確認するとよいでしょう。ユーザーレビューもチェックし、説明どおりに動作するアプリかどうかを見極めてください。
ルーター側で帯域を無効化する
場合によっては、どのデバイスにも特定の帯域へ接続させたくないこともあるでしょう。最も確実な方法は、ルーターの設定でどちらか一方の帯域を完全に無効化することです。ただし、古いデバイスの中には5GHzネットワークに対応していないものがあるため、2.4GHzを無効化すると一部の機器が接続できなくなる可能性があります。
ルーターやWi-Fiアクセスポイントの管理画面は、メーカーごとにデザインやメニュー構成が異なります。正確な情報については、お使いのルーターのマニュアルを参照してください。とはいえ、基本的な手順はほぼ共通しています。
- ルーターに接続済みのデバイスでウェブブラウザーを開きます。
- アドレスバーにルーターのIPアドレスを入力します。ここでは192.168.0.1を使用しましたが、正しいアドレスはルーターの取扱説明書や本体底面のシールに記載されています。
- ルーター管理画面にログインします。ユーザー名やパスワードを変更したことがなければ、ルーター底部のシールに記載されている初期パスワードでログインできるはずです。
- Wi-Fi設定のセクションを探します。
- そのメニュー内に、個別の帯域を無効化できる項目があるはずです。今回検証したルーターでは、「Wi-Fi名称とパスワード」の項目内に設定がありました。
不要な帯域をオフにしてしまえば、どんなデバイスもその帯域には接続できなくなります。
各帯域に異なるパスワードを設定する
特定のデバイスをどちらか一方の帯域に固定したいなら、シンプルな裏技があります。ルーターの設定画面を開き、それぞれの帯域に異なるパスワードを設定するだけです。
あとは、デバイス側で接続させたくないネットワークを「削除(忘れる)」しておきましょう。希望する帯域に接続すれば、以降は勝手に切り替わる心配がありません。
有線LAN(イーサネット)接続も検討しよう
もし特定の帯域に固定したいデバイスを移動させる必要がないなら、Wi-Fi設定をいじり回すよりも、イーサネットケーブルによる有線接続の方が快適かもしれません。「配線工事や壁への穴あけは気が重い」という場合は、コンセントに差し込むだけで使える電力線通信(PLC)アダプターというプラグ&プレイの選択肢もあります。詳しくは「Wi-FiエクステンダーとPLCアダプターの違い」に関する記事をご覧ください。
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