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Metaの収益の1割が詐欺広告から――内部文書が暴いた衝撃の160億ドル

なぜMeta(旧Facebook)のプラットフォームでは、詐欺師や虚偽広告、偽の商品リストがこれほど蔓延しているのでしょうか。詐欺師たちがAIなどを駆使して巧妙化しているからなのでしょうか。それとも、プラットフォーム側にそもそも詐欺を排除するインセンティブが存在せず、どんなトラフィックであれ利益になるからなのでしょうか。

収益の約10%、160億ドルが詐欺関連広告から

ロイターが入手したMetaの内部文書によると、同社は全収益の実に10%が詐欺や禁止商品に関する広告から得られていると見積もっています。この「10%」は、決して小さくない160億ドルに相当する金額です。

さらに別の文書では、「高リスク」と分類された広告だけで年間約70億ドルを稼いでいることも判明しました。これは、問題があるとMeta自身が認識しながら、ユーザーへの潜在的な被害を顧みず掲載し続けている広告です。

ロイターの報道によれば、これらの文書はMetaの財務、ロビー活動、エンジニアリング、安全対策の各部門から収集されたもので、2021年から2024年までの期間を対象としています。自社プラットフォームの悪用規模を真剣に把握しようとした取り組みである一方、そこに潜む深刻な利益相反をも浮き彫りにしています。

当然ながら、Metaはこの報道を快く思っていません。Metaの広報担当者アンディ・ストーン氏はロイターに対し、入手された文書は「Metaの詐欺・不正行為へのアプローチを歪めて伝える選択的な見方だ」と述べました。

ストーン氏は、詐欺広告や虚偽の商品掲載からの最新の利益額についての質問には答えませんでした。その一方で、「当社の各部門は詐欺や不正行為と積極的に戦っている。プラットフォーム上のユーザーも、正当な広告主も、そして私たち自身も、そうしたコンテンツを望んでいないからだ」と付け加えています。

広告のパーソナライズが生む「個別最適化された詐欺」

Metaにとって最大の問題は、同社がグローバル広告市場の中核を担い、莫大な収益を広告に依存している点です。しかし、プラットフォームの巨大さゆえに詐欺ネットワークの監視は困難を極め、多くのオンライン詐欺においてMetaが不可欠な存在になってしまっています。Metaなしでは成り立たない詐欺すらあるのです。

英国の決済システム規制庁(Payment Systems Regulator)の調査によると、2023年に発生した詐欺の半数以上に何らかの形でMetaのプラットフォームが関与しており、被害額のおよそ5ポンドに1ポンドがMetaに起因するとされています。

さらに厄介なのは、Metaの広告が高度にパーソナライズされていることです。一度でも詐欺広告をクリックしてしまうと、「ユーザーはこうした広告を見たいのだ」と判断され、以降、同種の詐欺広告が次々と表示されることになります。たった一度のミスが、アカウントをあらゆる種類の詐欺まみれに変えてしまうのです。

手放すには大きすぎる利益?

Metaは、こうした違法広告からの収益を減らす意向をいくつか表明しています。プラットフォームの安全性向上を求める規制当局の圧力があり、内部文書からも、これらの収入源への依存度を下げようとしていることがうかがえます。

2025年の文書では、「違反収益(violating revenue)」――詐欺、違法ギャンブル、性的サービス、怪しげな健康製品など、Metaの基準に違反する広告からの収入――を削減した場合の影響が議論されています。そこでは、詐欺広告収益を急激に減らすことが事業計画に悪影響を及ぼしかねないという懸念が示されています。

ところが、他の内部文書はこうした前向きな姿勢と矛盾しています。詐欺や虚偽広告への対策で会社が許容できる損失、つまり利益の削減幅には上限が設けられており、各部門は一時的にコストが大きくなる措置を取れない仕組みになっています。それどころか、Metaは2025年上半期だけで900億ドルもの売上を計上しているのです。

Metaの本音がどこにあり、詐欺や虚偽広告への姿勢のツケを最終的に払わされるのは誰なのかは、痛いほど明白です。これを裏付けるのがMetaの社内警告システムです。広告主を禁止するのは、詐欺である確率が95%以上の場合のみ。それ未満でも疑わしい場合は、むしろプラットフォームの利用料金を引き上げて利益を増やすというのです。95%なら退場、94%なら「追加料金をお支払いください」というわけです。

さらに2023年の文書では、Metaが詐欺行為に対する苦情の大半を却下しており、96%以上の申立てが無視されるか誤って拒否されていたと指摘されています。

では、私たちはどうすればいいのか

ひとつの明快な答えは、Metaのプラットフォームから手を引くことです。FacebookとMessengerをやめ、Instagramを削除し、Threadsのアカウントを閉鎖する。Metaの傘下となって久しいWhatsAppのプライバシー保護の評判も、もはや疑わしくなりつつあります。

とはいえ、言うは易く行うは難しです。仕事や趣味、情報収集などでMetaの各サービスを活用している人は多く、米国以外ではWhatsAppは最も人気のあるメッセージアプリの一つです。筆者の米国人同僚たちは「ヨーロッパに行くときは、いっそWhatsAppをダウンロードして現地の人に合わせたほうが楽だ」と冗談を口にするほど、米国外での浸透ぶりは顕著です。

Metaを完全に離れるのが難しいなら、少なくとも典型的なFacebook詐欺の手口を見抜く方法を学び、有名人になりすました偽の広告をできるだけ避け、詐欺師がFacebookやInstagramを使ってマルウェアを送り込む仕組みを理解しておくことが重要です。

ネットの世界は危険に満ちています。そして、これほどの金額が動いている以上、状況が改善される見込みは当面、薄いように思えます。


著者プロフィール:ガヴィン(Gavin)はテクノロジー、セキュリティ、インターネット、ストリーミング、エンターテインメント分野を担当するセグメントリード。How-To Geek、Expert Reviews、Trusted Reviewsなど多数の媒体で執筆経験を持ち、CES、IFA、MWCなどのテクノロジー展示会にも取材で訪れています。数々のヘッドホン、イヤホン、メカニカルキーボードをレビューしてきたほか、紅茶、ボードゲーム、サッカーをこよなく愛しています。

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