生理トラッカーアプリは安全に使える?知っておきたいプライバシーリスクと対策
生理トラッカーアプリは、月経周期を記録・管理するための便利なツールです。毎月の症状の記録や気分の変化の把握、さらには避妊のサポートまで、さまざまな場面で活用されています。しかし一方で、個人情報の収集・共有をめぐるプライバシー上の懸念が高まっています。
この記事では、生理トラッカーアプリを使用する際のリスクを詳しく解説し、本当に使用すべきかどうかを判断するための情報をお届けします。
生理トラッカーアプリとは?どんなことができるの?
生理トラッカーアプリは、毎月の周期を手軽に記録できるツールです。毎月自分の体に起こる自然なリズム、症状、ホルモンの変化を理解したい方にとって、特に役立ちます。
多くのアプリは、生理やそれに伴う症状に関するインサイトも提供しています。頭痛、生理痛、気分の変化といった症状がなぜ起こるのかを、パーソナライズされた情報で解説してくれたり、症状を和らげるためのライフスタイルのアドバイスを提示してくれたりすることもあります。
また、妊娠を望んでいる場合や逆に避妊したい場合にも、排卵日や最も妊娠しやすい時期を予測することでサポートしてくれます。
生理トラッカーアプリはどのようにデータを収集するのか
すべての生理トラッカーアプリは、利用時にデータを収集します。プロフィールから年齢や位置情報を取得したり、日々または毎月アプリに入力する症状データを記録したりします。
頭痛などの症状、最後に性行為をした日、生理の開始日など、記録した情報の一つひとつが、アプリ内のデータポイントになります。
収集されたデータの大部分は、アプリ内部で処理されます。これらのデータは分析され、周期の予測、異常の通知、毎月のパターンの把握などに活用されます。
しかしその一方で、個人データが第三者企業に共有・販売されているのではないかという懸念も存在します。
生理トラッカーアプリはあなたのデータをどう扱っているのか
自分の体や生理に関する非常にデリケートなデータを記録するとき、それを他人と共有したいと思う人はいないはずです。
ところが、一部の生理トラッカーアプリが個人データを第三者企業と共有していたという報告があります。2019年には、国際NGOのPrivacy Internationalが、一部の生理トラッカーがFacebookを含む第三者とデータを共有していたことを明らかにするレポートを発表しました。
また、米国連邦取引委員会(FTC)も、生理トラッカーアプリ「Flo」に対して苦情を申し立てています。この苦情では、FloがGoogleやFacebookを含む「多数の第三者にユーザーの健康情報を提供していた」ことが指摘されました。
生理トラッカーアプリとデータをめぐる問題点
多くの国では、アプリがユーザーのデータを誰に渡すかを規制する法律が整備されていません。そのため、個人情報が悪用・乱用されるリスクが高まります。
欧州連合(EU)では、ユーザーは一般データ保護規則(GDPR)によって保護されています。英国にも同様のデータプライバシー法があり、消費者の保護が図られています。これらの法律は、アプリ開発者に対し、ユーザーがアプリの利用に同意する前に、共有データがどのように扱われるのかを適切に説明することを義務付けています。
しかし、EUや英国であっても課題は残ります。アプリ開発者が作成するデータポリシーは曖昧で分かりにくいことが多く、データを共有している第三者企業が誰なのか、どこに拠点を置いているのかも不明確な場合があります。さらに厄介なのは、GDPRの規則が適用される場合でも、データを扱う企業が必ずしもそれを遵守するとは限らないという点です。
生理トラッカーアプリがユーザーデータを共有する目的は、パーソナライズされた広告の配信だと考えられています。ここで懸念されるのは、広告主が個人の気分のパターンや心理的な傾向といったデータを、消費者への働きかけの入り口として利用できてしまうことです。
たとえば、広告主は個人が最も心身ともに弱っている時期を見極め、「気分を良くしてくれる商品」などを訴求する広告を集中的に表示することが可能になります。
安全に使える生理トラッカーアプリはある?
Privacy Internationalによる2019年の調査結果が公表されて以降、対象となった多くのアプリはポリシーを変更しました。状況は改善されつつありますが、問題が完全に解決したわけではありません。
プライバシーが気になるけれど、生理トラッカーのメリットは享受したいという方は、以下の方法で自己防衛できます。
- Google広告IDを定期的にリセットする:Android端末では「設定」>「Google」>「広告」>「広告IDをリセット」から実行できます。
- 広告のパーソナライズをオプトアウトする:Android端末では「設定」>「Google」>「広告」>「パーソナライズド広告のオプトアウト」から設定できます。
- アプリの権限を見直し、必要最小限のデータアクセスだけを許可する:Android端末では「設定」>「アプリ」(アプリマネージャー)>「アプリ」>確認したいアプリを選択>「権限」から確認・変更できます。
また、「本人からの開示請求(サブジェクトアクセスリクエスト)」を提出すれば、アプリが保有している自分の個人データを開示させる権利もあります。
生理トラッカーアプリは削除すべき?
ヘルスケア系アプリの機能には、ある程度の個人情報が必要不可欠です。しかし、データの扱いやプライバシー、生理トラッカーの使用がもたらす影響に不安を感じているなら、思い切ってアプリを削除してしまうのが最善の選択と言えるでしょう。
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