PCIe SSDとSATA SSDの違いを徹底比較!速度・価格・容量から見る選び方
パソコンのストレージ容量への需要が高まるにつれ、より高速なデータ転送速度も求められるようになっています。USBやThunderboltケーブルが高速転送を実現する一方で、その起点となるのはストレージを担うSSD(ソリッドステートドライブ)です。PCIe接続のSSDとSATA接続のSSDには、いくつかの明確な違いがあります。自作PCやアップグレードで最高のパフォーマンスを引き出すためには、その違いを正しく理解しておくことが重要です。

押さえておきたいストレージ用語
2つのドライブの違いを詳しく見る前に、まず記事内で使われる用語や略語を確認しておきましょう。
- SSD(Solid State Drive):可動部を持たないストレージ媒体です。ディスクが回転する従来のHDDに比べ、寿命が長く、高いパフォーマンスを発揮します。
- PCIe(Peripheral Component Interconnect Express):「PCI Express」とも呼ばれます。マザーボード上のスロットで、グラフィックカードからSSDまでさまざまな機器を接続できます。最新規格はPCIe 4.0です。
- SATA(Serial Advanced Technology Attachment):PCIeと同様に、パソコンへ各種パーツを接続するためのインターフェースです。主にストレージデバイスや光学ドライブの接続に使われます。
総合比較:PCIe SSD vs SATA SSD
PCIe SSD
- 小型で省スペース
- マザーボードに直接搭載できるほか、空きベイへの設置も可能
- やや高価
- 高速(毎秒16GB)
SATA SSD
- ベイへの取り付けが必要
- 確実に固定するためにアダプターが必要な場合がある
- 旧型システムとの相性が良い
- 拡張用のスロットに余裕がある
- 低速(毎秒6GB)
- 大容量製品が豊富
どちらのインターフェースもSSDを接続できますが、いくつかの違いが選択に影響します。ニーズと予算次第で、どちらもストレージとして十分な候補になり得ます。ただし、手軽さと入手しやすさという点では、SATA SSDは広く普及しており、ほとんどのストレージ用途に十分な性能を備えています。
PCIe SSDのメリット・デメリット
メリット
- 設置方法の自由度が高い
- ベイなしで取り付けられる
- 高速
- 物理的なサイズが小さい
デメリット
- 割高
PCIeはSATAより小型
スペースが限られている場合(例えばミニPCケースでの組み立て時など)は、PCIe SSDの方が適しています。SATA SSDは2.5インチベイに通常のHDDのように収まりますが、確実に固定するにはアダプターが必要なことがあります。また、ドライブ本体と接続ケーブルもスペースを取ります。
一方、PCIe SSDはマザーボードのPCIeスロットに直接装着します。そのため、省スペース構成に最適です。マザーボードに空きスロットはあるものの、SATA SSDを載せる空きベイがない場合にも好選択となります。
PCIeはSATAより高価
ギガバイトあたりのコストで比較すると、PCIe SSDはSATA SSDよりも高価になる傾向があります。予算を重視するなら、コストパフォーマンスに優れたSATA SSDを選ぶのが賢明でしょう。
PCIeはSATAより高速
SATAインターフェースの最新版(SATA 3.0)のデータ転送速度は毎秒6GBです。従来の転送方式と比べれば驚異的な速さですが、PCIe 3.0の毎秒16GBには及びません。
さらにPCIeには4.0や5.0規格も存在し、6.0も開発中です。ただし、PCIe 4.0に対応した市販のコンシューマー向けマザーボードはまだ少数派でした。AMDがX570チップセットでPCIe 4.0をサポートすると発表した際は大きな話題になりました。今後メーカー間の互換性が広がるにつれ、PCIeの潜在速度はさらに向上していくでしょう。
SATA SSDのメリット・デメリット
メリット
- マザーボードのスロットを消費しない
- 安価
- 確立された信頼性の高い規格
- 多くのシステムが対応インターフェースを備えている
デメリット
- ベイへの取り付けが必要
SATAは互換性が高い
SATAはPCIeより少し古い規格で、2000年に登場しました(PCIeは2003年)。SATAは各社に早くから採用されたため、PCIeよりも幅広い互換性を持ちます。古いシステムをアップグレードする場合、マザーボードにPCIeスロットがなかったり、新しいSSDに対応したスロットが存在しなかったりすることもあります。一方、SATAケーブルならこの20年以内に製造されたほとんどのシステムで問題なく動作します。
自分のパソコンにどんな接続端子があるかわからない場合は、SATA SSDを選んでおけば安心です。現在稼働しているほぼすべてのシステムで動作するといっても過言ではありません。
SATA接続は数が多い
SATAケーブルはマザーボード上のポート経由で接続します。一方、PCIe SSDはマザーボードに直接差し込みます。PCIe SSDはSATAポートよりも多くの基板面積を必要とします。多数のドライブを接続したいならSATAが有利です。多くのマザーボードには、複数のSSDを装着できるだけのPCIeスロットがありません。
SATAはPCIeより大容量
より大きなストレージ容量が必要なら、SATA SSDが有利です。平均して、SATA SSDはPCIe SSDよりも大容量の製品が豊富に揃っています。最大容量のSSDを探してみると、60TBという容量を持つSATA SSDが見つかります。ただし、画期的な製品である反面、非常に高価なため一般消費者向けではありません。
一方、PCIe SSDは2TB前後が上限となることが多い傾向にあります。OSとよく使うアプリケーションを収めるには十分ですが、市場に出回っている比較的安価な4TB・6TBのSATA SSDには対抗できません。
結論:柔軟性を重視するならSATA
SATA SSDは、手頃な価格帯で消費者により多くの選択肢を提供します。ケースに空きベイがない場合は、PCIe SSDが最良の選択肢となります。その他の検討ポイントについては以下をご覧ください。
PCIeとSATAの選び方
両タイプのSSDをめぐっては多くの情報がありますが、選択は結局のところ2つの要素に集約されます。それが「想定する用途」と「ケースのサイズ」です。
想定する用途
設定を最大まで上げたハイエンドなゲーミングPCやVR環境を構築する予定がある方、動画編集やグラフィック制作など負荷の高い作業向けのマシンを作る方は、SATA SSDを選びましょう。これらのドライブは大容量でrawファイルの保存に理想的であり、ゲームの高速読み込みや動画の快適なスクラブ再生に必要な転送速度も備えています。
逆に、Web閲覧、メールチェック、文書作成程度しか行わないマシンを作るなら、PCIeドライブが優れた選択肢になります。マザーボードへの直結により省スペースで、管理すべきケーブルも少なくなります。容量は小さめでも、軽作業には大量のストレージは不要ですし、後から容量を増強することも可能です。
ケースのサイズ
近年のPC業界では、マイクロPC(ミニPC)を組み立てるユーザーが増えています。これらのマシンは、小さなケースに収まる完全な機能を持つパソコンで、持ち運びや床面積の限られた部屋に最適です。棚やモニターの裏にも簡単に設置できます。
しかし、ケース内部のスペースが限られているため、複数のドライブを搭載する余裕はありません。SSDを1台搭載済みでさらに容量が必要になった場合、既存ドライブを交換する(保存データを失う恐れあり)か、別のドライブを追加するかの選択を迫られます。外付けドライブという手もありますが、こうした状況こそPCIe SSDが真価を発揮する場面です。
PCIeはマザーボードに直接接続されるため、少ない手間で追加のストレージ容量を確保できます。PCIe SSDを該当スロットに差し込むだけで準備完了です。
どちらのドライブが特別に優れているということはなく、それぞれに長所と短所があります。最終的にPCIeにするかSATAにするかは、個人の好みと、どの場面でどのインターフェースが適切かを見極めることにかかっているのです。
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