RivaTuner(RTSS)でFPS制限とスキャンライン同期を設定する方法

GPUのモニタリングやオーバークロック用ツールとしてMSI Afterburnerに同梱されていることで知られる「RivaTuner Statistics Server(RTSS)」ですが、実はAfterburnerとは独立して使える便利な機能も備えています。本記事では、そうした機能について解説し、FPS制限(フレームレート上限)の設定方法やスキャンライン同期(Scanline Sync)の使い方をご紹介します。
RivaTunerとは?
RivaTuner Statistics Server(略称:RTSS)は、MSI Afterburnerに同梱されて提供されるアプリケーションとして最もよく知られています。Afterburnerとの組み合わせでは、フレームレートやGPU使用率、温度などのパフォーマンス指標を画面上に表示するOSD(オンスクリーンディスプレイ)機能を担っています。
しかし、Afterburnerがなくても、RivaTunerは単体でFPS制限の適用や、任意のモニターでのスキャンライン同期の有効化が可能です。
FPS制限(FPSキャップ)とは?
ここでのFPSとは「Frames Per Second(1秒あたりのフレーム数)」を意味します。PCゲーミングにおいて、フレームレートがリフレッシュレートを大きく上回る状態(例:60Hzモニターで100FPSが出ている状態)では、画面のティアリング(表示の乱れ)やFPSの大幅な変動が発生しやすくなります。どちらも視覚的な混乱を招き、対戦ゲームでは競技面での不利にもつながります。
多くのゲームでこの問題を解決する手段といえばV-Sync(垂直同期)ですが、V-Syncは表示の一貫性こそ高いものの、入力遅延が大幅に増加してしまうという大きな欠点があります。
FPS制限を使えば、ゲーム内のフレームレートをリフレッシュレートと同等かそれ以下に抑えられます。プレイ中のゲーム自体にFPS制限機能があるなら、基本的にはそちらを使うのが望ましいですが、RivaTunerのFPS制限はすべてのゲームに一括適用できる点が強みです。その設定方法を以下で解説します。
スキャンライン同期(Scanline Sync)とは?
スキャンライン同期は、FreeSyncやG-Syncと同じく、従来のV-Syncに代わる技術として注目されている機能です。ただし、FreeSyncやG-Syncがモニター側のハードウェア機能であるのに対し、スキャンライン同期はソフトウェアだけで類似の効果を実現できる点が異なります。FreeSyncやG-Sync非対応のディスプレイ(例えばリビングのテレビで快適にゲームを楽しみたい場合など)にとって特に理想的なソリューションです。
スキャンライン同期が他のV-Sync代替技術と異なる点は、その名前にも示唆されています。他の手法が可能な限りフレーム全体を扱うのに対し、スキャンライン同期では特定の走査線(スキャンライン)を選択できます。この走査線上ではティアリングがほぼ確実に発生しますが、発生範囲を限定できるのが特徴です。適切に調整すれば、この走査線を画面外近くまで移動させ、ティアリングも入力遅延もないV-Sync代替を実現できます。
FPS制限とスキャンライン同期、どちらを使うべき?
RivaTunerはFPS制限とスキャンライン同期の両方を提供していますが、残念ながら両方を同時に使うことはできません。
どちらの機能を選ぶかは、主に現在のハードウェア構成によって判断しましょう。
FPS制限は、最も多くのシステムで少ないトラブルで動作する汎用的な方法です。すでにFreeSyncやG-Sync対応モニターをお持ちの場合は、FPS制限の方が推奨されます。この場合、スキャンライン同期の役割はすでにモニター(および対応GPU)が担っているため、重複して使う必要がないからです。
一方、スキャンライン同期はFreeSyncやG-Syncが使えない環境を補うために最適ですが、注意点もあります。GPU使用率が約80%以上になると、画面に大きなティアリングが発生することがあります。60Hzディスプレイでスキャンライン同期を使い、GPUに十分な余裕があるなら問題ありませんが、ティアリングが発生した場合は、グラフィック設定を下げるか、FPS制限へ切り替えることを強くおすすめします。
RivaTunerでFPS制限を設定する方法
まず、RivaTuner Statistics Serverを起動します。すぐにウィンドウが表示されない場合は、スタートメニューのアイコンを探してください。アイコンにマウスカーソルを合わせるとバージョン情報が表示され、右クリックでコンテキストメニューが開きます。「Show(表示)」を選択するとメインウィンドウが現れます。

メインウィンドウで「Global」プロファイルをクリックし、希望するフレームレートの上限値を設定します。モニターのリフレッシュレートに合わせるのが理想です。

「Application detection level(アプリケーション検出レベル)」が「Low」以上に設定されていることを確認すれば準備完了です。これでグローバルなFPS制限が有効になります。解除したい場合は、RivaTunerを終了するだけでOKです。
また、アプリケーションウィンドウ左下にある緑色の「Add」ボタンをクリックすると、アプリごとに個別のFPS制限を設定することもできます。以下のスクリーンショットでは、hl2.exeに対して120FPSの上限を設定しています。この構成では安定した144FPSを出すことが難しいためです。

RivaTunerでスキャンライン同期を設定する方法
RivaTunerでスキャンライン同期を使用するには、まずフレームレート制限を「0」に設定する必要があります。両機能は互いに排他的だからです。心配いりません。「0」にしても実際のフレームレートが0になるわけではなく、FPS制限機能が無効化され、スキャンライン同期が使えるようになるだけです。

フレームレート制限を0に設定したら、次はスキャンライン同期の設定です。この欄に入力する数値はフレームレートの上限ではなく、ティアリングライン(乱れが生じる走査線)の座標を指定するものです。最適な値はディスプレイのサイズや解像度によって異なり、万能な値は存在しないため、10刻みで手動調整する必要があります。
出発点としては、垂直解像度(1080p画面なら1080ピクセル、1440p画面なら1440ピクセル)から150〜200を引いた値が目安です。標準的な1080pディスプレイの場合、930あたりを基準に始めて、結果を見ながら必要に応じて数値を減らしていくことをおすすめします。
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