C++で二分探索木(BST)を使って配列の最大要素を検索する方法
本記事では、二分探索木(Binary Search Tree:BST)を利用して、配列の中から最大要素を検索するC++プログラムを紹介します。二分探索木の構造的な性質を活かすことで、最大値の探索は右側のノードを辿るだけで完了し、このプログラムの計算量は O(log n) に抑えられます。
アルゴリズム
開始 与えられたデータ要素をもとに二分探索木を構築する。 ルートポインタを、存在する限り最も右側の子ノードへ辿り続ける。 そのノードのデータ部分を、データ集合の最大要素として出力する。 最大データの深さ(ルートからの距離)を出力する。 終了
仕組みのポイント
二分探索木では、「左の子ノードは親より小さく、右の子ノードは親より大きい」という性質が常に成り立ちます。したがって、データ集合全体の最大値は必ず木の最も右端に存在します。ルートから右の子ポインタを順に辿り、右の子がNULLになった時点のノードの値こそが最大値となるのです。
サンプルコード
#include<iostream>
using namespace std;
struct node {
int d;
node *left;
node *right;
};
node* CreateNode(int d) {
node *newnode = new node;
newnode->d = d;
newnode->left = NULL;
newnode->right = NULL;
return newnode;
}
node* InsertIntoTree(node* root, int d) {
node *temp = CreateNode(d);
node *t = new node;
t = root;
if(root == NULL)
root = temp;
else {
while(t != NULL){
if(t->d < d ) {
if(t->right == NULL) {
t->right = temp;
break;
}
t = t->right;
}
else if(t->d > d) {
if(t->left == NULL) {
t->left = temp;
break;
}
t = t->left;
}
}
}
return root;
}
int main() {
int n, i, a[10] = {86, 63, 95, 6, 7, 67, 52, 26, 45, 98};
node *root = new node;
root = NULL;
cout<<"\nData set:\n";
for(i = 0; i < 10; i++) {
cout<<a[i]<<" ";
root = InsertIntoTree(root, a[i]);
}
cout<<"\n\nThe maximum element of the given data set is\n ";
i = 0;
while(root->right != NULL) {
i++;
root = root->right;
}
cout<<root->d<<"\n"<<"data found at "<<i<<" depth from the root.";
return 0;
}実行結果
Data set: 86 63 95 6 7 67 52 26 45 98 The maximum element of the given data set is 98 data found at 2 depth from the root.
結果の解説
この例では、{86, 63, 95, 6, 7, 67, 52, 26, 45, 98} という10個の整数を順番に二分探索木へ挿入しています。挿入が完了した後、ルートから右の子ノードを辿ると、最大値である 98 が見つかりました。出力によれば、この最大値はルートから深さ2の位置に存在します。
なお、二分探索木への挿入順序によって木の形状は変化します。データが昇順・降順に近い形で挿入されると木が片寄り(偏った木)になり、最悪の場合は計算量がO(n)まで悪化する点には注意が必要です。バランスの取れた木を維持したい場合は、AVL木などの平衡二分探索木の採用も検討するとよいでしょう。
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