C++のSTLを活用したBFS(幅優先探索)の実装方法 ― 競技プログラミング向け解説
幅優先探索(BFS:Breadth First Search)は、与えられたグラフ上のすべてのノードを訪問するための基本的なアルゴリズムです。まず1つのノードを選択し、そこに隣接するノードを順番に訪問していきます。すべての隣接頂点の処理が完了したら、次の頂点へ移動し、同様にその隣接頂点を確認していく、という流れで探索を進めます。

競技プログラミングでは、いかに速く問題を解けるかが重要になります。C++のSTL(標準ライブラリ)を活用すれば、BFSを効率的に実装できます。その際に必要となるのがキュー(Queue)というデータ構造です。隣接するすべての頂点をキューに追加し、それらの処理が終わったらキューから1つ要素を取り出し、その頂点から再び探索を続けていきます。
また、グラフにはサイクル(閉路)が含まれるケースもあるため、「あるノードがすでに訪問済みかどうか」を管理するために配列を使用します。これにより同じ頂点を何度も訪問することを防ぎ、無限ループを回避できます。
入力:グラフの隣接行列 A B C D E F A 0 1 1 1 0 0 B 1 0 0 1 1 0 C 1 0 0 1 0 1 D 1 1 1 0 1 1 E 0 1 0 1 0 1 F 0 0 1 1 1 0 出力:BFS Traversal: B A D E C F
アルゴリズム
bfs(vertices, start)
入力 − 頂点のリストと開始頂点
出力 − グラフが連結である場合、すべてのノードを走査します。
Begin
空のキュー que を定義する
最初に、すべてのノードの状態を「未訪問」に設定する
開始頂点を que に追加する
que が空でない間、以下を繰り返す
que から要素を取り出し、u に代入する
頂点 u を表示する
u に隣接するすべての頂点 v に対して、以下を実行する
vertices[i] が未訪問であれば
vertices[i] を「一時的に訪問済み」としてマークする
v をキューに追加する
マーク処理を終える
処理終了
u を「完全に訪問済み」としてマークする
繰り返し終了
End
C++での実装例
#include<iostream>
#include<queue>
#define NODE 6
using namespace std;
class node {
public:
int val;
int state; //状態
};
int graph[NODE][NODE] = {
{0, 1, 1, 1, 0, 0},
{1, 0, 0, 1, 1, 0},
{1, 0, 0, 1, 0, 1},
{1, 1, 1, 0, 1, 1},
{0, 1, 0, 1, 0, 1},
{0, 0, 1, 1, 1, 0}
};
void bfs(node *vert, node s) {
node u;
int i, j;
queue<node> que;
for(i = 0; i<NODE; i++) {
vert[i].state = 0; //未訪問
}
vert[s.val].state = 1;//訪問済み
que.push(s); //開始ノードをキューに挿入
while(!que.empty()) {
u = que.front(); //キューから取り出して表示
que.pop();
cout << char(u.val+'A') << " ";
for(i = 0; i<NODE; i++) {
if(graph[i][u.val]) {
//ノードが未訪問の場合
if(vert[i].state == 0) {
vert[i].state = 1;
que.push(vert[i]);
}
}
}
u.state = 2;//ノードuの処理が完了
}
}
int main() {
node vertices[NODE];
node start;
char s;
for(int i = 0; i<NODE; i++) {
vertices[i].val = i;
}
s = 'B';//開始頂点はB
start.val = s-'A';
cout << "BFS Traversal: ";
bfs(vertices, start);
cout << endl;
}
実行結果
BFS Traversal: B A D E C F
-
C++ STLのスタック(stack)徹底解説!LIFO構造の基本操作とサンプルコード
C++ STLにおけるスタック(stack)は、LIFO(Last In First Out:後入れ先出し)構造として実装されるコンテナです。LIFOとは「最後に入れたものが最初に取り出される」という意味で、本を一冊ずつ積み上げた山をイメージすると理解しやすいでしょう。一番上に置いた本(=最後に挿入された要素)が最初に取り出されることから、この構造はLIFOと呼ばれています。 スタックで使える主な操作 1. top() – 最上位要素の取得 スタックの最上位(先頭)にある要素への参照を返します。要素自体は削除されません。 構文:name_of_stack.top() 引数:なし 戻り値:ス
-
C++で非連結グラフに対するBFS(幅優先探索)を実装する方法
非連結グラフとは非連結グラフ(disconnected graph)とは、グラフ内の1つ以上の頂点が他の頂点と辺でつながっておらず、どこかの頂点から出発しても到達できない頂点が存在するグラフのことです。このようなグラフは、複数の「連結成分(connected component)」に分かれている状態と捉えることができます。通常のBFSでは不十分な理由単純な幅優先探索(BFS: Breadth First Search)が正しく機能するのは、グラフが連結している場合、すなわちグラフ内のすべての頂点がある1つの頂点から到達できる場合だけです。非連結グラフでは、開始頂点から到達できない頂点が必ず存在