C++で解く「2つの二分探索木の合計(Two Sum BSTs)」問題
問題概要
2つの二分探索木(BST)が与えられたとき、1つ目の木から選んだあるノードと、2つ目の木から選んだあるノードの値の合計が、指定された整数 target と一致する場合に true を返すプログラムを作成します。それ以外の場合は false を返します。
例えば、次のような2つの木があるとします。

このとき target が 5 であれば、結果は true になります。実際に確認してみると、1つ目の木のノード 2 と2つ目の木のノード 3 の合計が 5、また 1つ目の木のノード 4 と2つ目の木のノード 1 の合計も 5 となるため、条件を満たすペアが存在します。
解法のアプローチ
この問題は、ハッシュマップ(連想配列)を活用することで効率的に解くことができます。基本的な考え方は以下の通りです。
- 値と木の識別番号を記録するためのマップ
sを定義します。 check()というメソッドを定義します。このメソッドはノード・target・nodeNumber を引数として受け取り、以下のように動作します。- ノードが NULL(無効)の場合は false を返します。
- 現在のノードの値を curr、求めるべき値を req = target − curr として計算します。
- req がマップ s に存在し、かつ s[req] が現在の nodeNumber と異なる(=別の木に属する)場合は true を返します。
- s[curr] = nodeNumber を登録します。
- 左の子ノードと右の子ノードに対して再帰的に check() を呼び出し、その OR 結果を返します。
メインの処理では、まず1つ目の木を nodeNumber=1 として走査してマップに値を記録し、続いて2つ目の木を nodeNumber=2 として走査します。これにより、「同じ木内の2ノードの組み合わせ」を誤って判定してしまうことを防ぎます。
C++による実装例
それでは、実際のコードを見て理解を深めましょう。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class TreeNode{
public:
int val;
TreeNode *left, *right;
TreeNode(int data){
val = data;
left = NULL;
right = NULL;
}
};
void insert(TreeNode **root, int val){
queue<TreeNode*> q;
q.push(*root);
while(q.size()){
TreeNode *temp = q.front();
q.pop();
if(!temp->left){
if(val != NULL)
temp->left = new TreeNode(val);
else
temp->left = new TreeNode(0);
return;
}
else{
q.push(temp->left);
}
if(!temp->right){
if(val != NULL)
temp->right = new TreeNode(val);
else
temp->right = new TreeNode(0);
return;
}
else{
q.push(temp->right);
}
}
}
TreeNode *make_tree(vector<int> v){
TreeNode *root = new TreeNode(v[0]);
for(int i = 1; i<v.size(); i++){
insert(&root, v[i]);
}
return root;
}
class Solution {
public:
map <int,int> s;
bool check(TreeNode* node, int target,int nodeNumber){
if(!node)return false;
int curr = node->val;
int req = target - curr;
if(s.find(req)!=s.end() && s[req]!=nodeNumber)return true;
s[curr]=nodeNumber;
return check(node->left,target,nodeNumber) || check(node->right,target,nodeNumber);
}
bool twoSumBSTs(TreeNode* root1, TreeNode* root2, int target) {
bool flag = check(root1,target,1);
return check(root2,target,2);
}
};
main(){
vector<int> v1 = {2,1,4};
vector<int> v2 = {1,0,3};
TreeNode *r1 = make_tree(v1);
TreeNode *r2 = make_tree(v2);
Solution ob;
cout <<ob.twoSumBSTs(r1, r2, 5);
}入力
[2,1,4] [1,0,3] 5
出力
1
まとめ
このアルゴリズムでは、1つ目の木の全ノードの値をマップに記録した後、2つ目の木を走査しながら「target − 現在の値」がマップに存在するかを確認します。nodeNumber を使って値の出所(どちらの木か)を区別している点がポイントです。計算量は O(N + M)(N・M はそれぞれの木のノード数)、空間計算量も O(N + M) となり、非常に効率的な解法と言えます。
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