C++ STL入門:setとunordered_setの違いを徹底解説
本記事では、C++ STLにおける set と unordered_set の概要をわかりやすく解説し、両者の違いについても詳しく学んでいきます。
setとは?
set(セット)は、Key型の一意なオブジェクトをソート済みの状態で格納する連想コンテナです。各要素は一度しか出現できず、重複した値は許されません。ユーザーは任意の順序で要素を挿入してsetを作成できますが、setは常にソートされた形でデータを返します。つまり、setにはデータを並べ替えるための仕組みが内部に組み込まれており、その処理はユーザーから抽象化されています。
setを使うべき主なケースは以下の通りです。
- ソート済みのデータが必要な場合
- 重複値が不要で、一意なデータのみを扱いたい場合
- ハッシュテーブルではなく二分探索木(Binary Search Tree)を利用したい場合
- 検索時間が気にならない場合。検索の計算量はO(log n)です。
入力:
set = {2, 1, 5, 6, 9, 3, 2}
出力:
1, 2, 3, 5, 6, 9
ポイント: 値はランダムな順序で挿入されますが、setによって自動的にソートされ、さらに重複した値は削除されます。
サンプルコード
#include <iostream>
#include <set>
using namespace std;
int main(){
// 配列の作成
int arr[] = {2, 1, 5, 6, 9, 3, 2};
int size = sizeof(arr)/ sizeof(arr[0]);
// setの宣言
set<int> SET;
// insert() を使って配列からsetへ要素を挿入
for(int i = 0; i<size; i++){
SET.insert(arr[i]);
}
set<int>::iterator it;
cout<<"set内の値: ";
for(it = SET.begin(); it != SET.end(); it++){
cout <<*it<<" ";
}
}
実行結果
上記コードの出力は以下の通りです。
set内の値: 1 2 3 5 6 9
unordered_setとは?
unordered_setは、挿入された順序に関係なく、データを順不同の状態で格納する連想コンテナです。こちらも各要素は一度しか出現できず、重複した値は許されません。ユーザーは任意の順序で要素を挿入してunordered_setを作成できますが、返されるデータの順序は保証されません(つまり、順不同の形式で返されます)。
unordered_setを使うべき主なケースは以下の通りです。
- ソートされたデータが不要で、順不同の形式でデータを扱ってよい場合
- 重複値が不要で、一意なデータのみを扱いたい場合
- 二分探索木ではなくハッシュテーブルを利用したい場合
- より高速な検索が必要な場合。平均計算量はO(1)、最悪の場合はO(n)です。
入力:
set = {2, 1, 5, 6, 9, 3, 2}
出力:
3, 9, 6, 5, 2
サンプルコード
#include <iostream>
#include <unordered_set>
using namespace std;
int main(){
int arr[] = { 2, 1, 5, 6, 9, 3, 2 };
int size = sizeof(arr) / sizeof(arr[0]);
unordered_set<int> U_SET;
// insert() を使って配列からunordered_setへ要素を挿入
for(int i = 0; i < size; i++){
U_SET.insert(arr[i]);
}
unordered_set<int>::iterator it;
cout << "unordered_set内の値: ";
for(it = U_SET.begin(); it != U_SET.end(); it++){
cout << *it << " ";
}
}
実行結果
上記コードの出力は以下の通りです。
unordered_set内の値: 3 6 5 9 2 1
setとunordered_setの比較まとめ
最後に、両者の違いを表形式で整理しておきます。用途に応じて適切なコンテナを選択しましょう。
| 項目 | set | unordered_set |
|---|---|---|
| 内部構造 | 二分探索木(赤黒木) | ハッシュテーブル |
| 要素の順序 | 常にソート済み | 順序は不定 |
| 検索計算量 | O(log n) | 平均O(1)、最悪O(n) |
| 重複要素 | 許可されない | 許可されない |
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