C++で文字列の最長ハッピープレフィックスを求める方法
問題の概要
文字列 s が与えられたとき、その最長ハッピープレフィックス(happy prefix)を求める問題です。ハッピープレフィックスとは、「文字列自身を除いた空でない接頭辞であり、かつ同時に接尾辞でもある文字列」のことです。該当するものが存在しない場合は、単に空文字列を返します。
たとえば入力が "madam" の場合、出力は "m" になります。"madam" 自身を除くと、接頭辞は "m"、"ma"、"mad"、"mada" の4つ、接尾辞も "m"、"am"、"dam"、"adam" の4つ存在します。このうち「接頭辞でもあり接尾辞でもある」最長の文字列が "m" というわけです。
解決アプローチ:KMPアルゴリズムのLPS配列
この問題は、KMP文字列検索アルゴリズムで使われる LPS配列(Longest Proper Prefix which is also Suffix)を利用すると効率的に解けます。LPS配列の各要素 ret[i] には、「位置 i で終わる部分文字列における、接頭辞かつ接尾辞となる最長の長さ」が格納されます。したがって、文字列全体に対する答えは、配列の最後の要素 v[n-1] を参照するだけで求められます。
アルゴリズムの手順
関数 lps() の処理:
- 関数
lps()を定義し、文字列sを受け取る n:= 文字列sの長さ- サイズ
nの配列retを定義する j := 0、i := 1と初期化するi < nの間、以下を繰り返す:
s[i]とs[j]が一致する場合:
ret[i] := j + 1iを1増やすjを1増やす
- 一致しない場合:
j > 0ならばj := ret[j - 1]- それ以外の場合は
iを1増やす
retを返す
メイン処理:
n:= 文字列sの長さnが 1 の場合、空文字列を返す- 配列
v = lps(s)を取得する x := v[n - 1]ret:= 空文字列i = 0からx未満まで繰り返し、ret := ret + s[i]を行うretを返す
C++による実装例
理解を深めるために、以下の実装例をご覧ください。
#include <bits/stdc++.h>
using namespace std;
class Solution {
public:
vector <int> lps(string s){
int n = s.size();
vector<int> ret(n);
int j = 0;
int i = 1;
while (i < n) {
if (s[i] == s[j]) {
ret[i] = j + 1;
i++;
j++;
}
else if (s[i] != s[j]) {
if (j > 0)
j = ret[j - 1];
else {
i++;
}
}
}
return ret;
}
string longestPrefix(string s) {
int n = s.size();
if (n == 1)
return "";
vector<int> v = lps(s);
int x = v[n - 1];
string ret = "";
for (int i = 0; i < x; i++) {
ret += s[i];
}
return ret;
}
};
main(){
Solution ob;
cout << (ob.longestPrefix("madam"));
}
入力
"madam"
出力
m
計算量について
このアルゴリズムの時間計算量は O(n)、空間計算量も O(n) です。LPS配列の構築では、ポインタ i と j がそれぞれ文字列長を超えて後退することがないため、線形時間で処理が完了します。一方、すべての接頭辞と接尾辞を総当たりで比較するナイーブな手法では最悪 O(n²) の計算量が必要になるため、KMPのLPS配列を活用するこのアプローチが非常に効率的です。
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