JavaScriptのObject.assign()メソッドとは?オブジェクトのコピーとマージをわかりやすく解説
JavaScriptには、オブジェクトを操作するためのさまざまなメソッドを備えたObjectクラスが用意されています。この記事では、その中でも特に便利なObject.assign()メソッドに焦点を当て、基本的な使い方から実践的な活用例まで詳しく解説します。
前提知識:JavaScriptのオブジェクトとは
まずおさらいとして、JavaScriptにおけるオブジェクトは、Pythonの辞書(dict)に似たデータ型で、「キー(key)と値(value)」のペアで構成されます。例えば、Harryというオブジェクトを作ると、次のようなキーと値のペアを持つことができます。
let Harry = {
firstName: 'Harry',
lastName: 'Potter',
age: 11,
house: 'Gryffindor',
pet: {
name: 'Hedwig',
animal: 'owl'
}
};
基本ルールとして、コロンの左側がキー(プロパティ名)、右側が値になります。ほとんどのキーと値はシンプルですが、最後のpetプロパティだけ少し特殊です。petもキーであることには変わりありませんが、その値自体がさらに2つのキーと値のペアを持つオブジェクトになっています。このような構造を「ネストされたオブジェクト(入れ子のオブジェクト)」と呼びます。
Object.assign()の基本構文
Object.assign(target, ...sourceObjs)
Objectクラスにはassign()というメソッドがあり、1つ以上のソースオブジェクト(コピー元)をターゲットオブジェクト(コピー先)にコピーできます。実際のコードを見てみましょう。
let hpChar = {
firstName: 'Harry',
lastName: 'Potter',
age: 11,
house: 'Gryffindor',
pet: {
name: 'Hedwig',
animal: 'owl'
}
};
Object.assign({}, hpChar);
console.log(hpChar, '\n');
Object.assign(hpChar, {
firstName: 'Hermione',
lastName: 'Grainger',
pet: {
name: 'Crookshanks',
animal: 'cat'
}
});
console.log(hpChar);
コードを順番に見ていきましょう。まず、hpCharというオブジェクトリテラルを定義しています。このオブジェクトは、firstName、lastName、age、house、petという5つのプロパティを持ち、petプロパティの値はそれ自体がオブジェクトです。
次に登場するのが、本題のObject.assign()メソッドです。このメソッドは2つ以上の引数を受け取ります。最初の引数は必ずターゲットオブジェクト(値を代入したい対象)です。ここでは空のオブジェクト{}を指定しています。
2つ目の引数はコピー元となるソースオブジェクトです。ここでは先ほど定義したhpCharを指定しています。
続く行でコンソールに出力すると、結果は次のようになります。
{
firstName: 'Harry',
lastName: 'Potter',
age: 11,
house: 'Gryffindor',
pet: { name: 'Hedwig', animal: 'owl' }
}
出力結果に大きな変化はないように見えますね。これは、hpCharを空のオブジェクトにコピーした、つまりオブジェクトを複製しただけだからです。
既存のオブジェクトへの上書き(マージ)
では、今度は空のオブジェクトではなく、hpChar自身をターゲットにして、一部の値を変更してみましょう。ソースオブジェクト側で指定しなかったプロパティは変更されず、そのまま保持されます。
Object.assign(hpChar, {
firstName: 'Hermione',
lastName: 'Grainger',
pet: {
name: 'Crookshanks',
animal: 'cat'
}
});
この場合、コンソールの出力は次のようになります。
{
firstName: 'Hermione',
lastName: 'Grainger',
age: 11,
house: 'Gryffindor',
pet: { name: 'Crookshanks', animal: 'cat' }
}
firstName、lastName、petは新しい値で上書きされましたが、ageとhouseは元の値が保たれているのがわかります。これが、同じプロパティを持つ2つのオブジェクトをマージする際の動作です。
3つ以上のオブジェクトをマージする
では、異なるプロパティを持つ3つのオブジェクトをマージするとどうなるでしょうか?
var obj1 = {
foo: 1
};
var obj2 = {
bar: 2
};
var obj3 = {
baz: 3
};
Object.assign(obj1, obj2, obj3);
console.log(obj1);
ここではobj1がターゲット、obj2とobj3がソースオブジェクトです。重複するプロパティがないため、すべてのプロパティがそれぞれの値とともにobj1へマージされます。
{ foo: 1, bar: 2, baz: 3 }
注意点:浅いコピー(シャローコピー)であること
補足として、Object.assign()は「浅いコピー(シャローコピー)」を行う点に注意が必要です。ネストされたオブジェクト(今回の例でいうpetなど)は参照がコピーされるだけで、深い複製は行われません。完全に独立したコピーが必要な場合は、structuredClone()やJSON.parse(JSON.stringify())といった方法を検討しましょう。
まとめ
以上、Object.assign()メソッドの基本的な使い方を解説しました。オブジェクトの複製やマージは日常的に使うテクニックなので、ぜひマスターしておきましょう。これらの概念を理解できれば、ReactやVue.jsなどのJavaScriptフレームワークの学習にも一歩近づきます。
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