Pythonクラスにおけるゲッター(Getter)とセッター(Setter)とは?基本とPythonicな書き方を解説
ゲッター(Getter)とセッター(Setter)は、多くのオブジェクト指向プログラミング言語において、データカプセル化の原則を実現するために使われるメソッドです。「ミューテーターメソッド(mutator methods)」と呼ばれることもあります。データカプセル化とは、データと、そのデータを操作するメソッドをひとまとめにすることを指します。ここでいうメソッドとは、データを取得するためのゲッターと、データを変更するためのセッターのことです。この原則に従うと、クラスの属性はプライベートに設定され、外部のコードから隠蔽・保護されます。
Pythonでは@propertyを使うのが定石
残念ながら、「正しいPythonのクラスは、ゲッターとセッターを使ってプライベート属性をカプセル化すべきだ」という誤解が広く浸透しています。しかし、いちいちゲッターとセッターを明示的に呼び出すスタイルは、必ずしも簡潔でエレガントとは言えません。
Pythonらしい(Pythonicな)やり方は、プロパティ(property)を使うことです。値を取得するためのメソッドには「@property」デコレーターを付け、セッターとして機能させたいメソッドには「@x.setter」のようなデコレーターを付けます。こうすることで、通常の属性アクセスと同じ構文のまま、内部で検証処理などを挟むことができます。
コード例:property()を使ったゲッターとセッター
以下は、property()関数を使ってゲッターとセッターを実装した例です。
class P:
def __init__(self, x):
self.__set_x(x)
def __get_x(self):
return self.__x
def __set_x(self, x):
if x < 0:
self.__x = 0
elif x > 1000:
self.__x = 1000
else:
self.__x = x
x = property(__get_x, __set_x)
この例では、属性 __x が名前修飾(ネームマングリング)によりプライベート化され、外部から直接アクセスしにくくなっています。__set_x メソッドが値の妥当性チェックを担当し、0未満の値は0に、1000を超える値は1000に制限されます。
最後の行の x = property(__get_x, __set_x) により、これらのメソッドがプロパティとして登録されます。その結果、次のように普通の属性と同じ構文で値の取得・設定が可能になります。
p = P(500) print(p.x) # 500 p.x = 2000 print(p.x) # 1000(上限値に制限される)
このようにpropertyを使えば、カプセル化の恩恵を受けながら、呼び出し側のコードはシンプルで読みやすいまま保つことができます。これこそがPythonにおける推奨されるアプローチです。
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