Pythonのコンテキスト変数(ContextVar)の使い方を徹底解説
コンテキスト変数とは
コンテキスト変数(Context Variable)は、その変数が属する「コンテキスト」に応じて異なる値を持つことができる特殊な変数です。スレッドローカルストレージ(Thread-Local Storage)では実行スレッドごとに変数が異なる値を持ちますが、コンテキスト変数の場合は、1つの実行スレッドの中に複数のコンテキストが存在しえます。この特性により、並行して実行される非同期タスクにおいて変数を管理・追跡する際に非常に有用です。
ContextVarクラスによる宣言
コンテキスト変数の宣言や操作には、contextvarsモジュールのContextVarクラスを使用します。
import contextvars
name = contextvars.ContextVar("name", default = 'Hello')
第2引数のdefaultは省略可能で、現在のコンテキスト内にその変数の値が見つからなかった場合、ContextVar.get()はこのデフォルト値を返します。
name: 変数の名前を表す読み取り専用プロパティです。
ContextVarクラスの主なメソッド
| get() | 現在のコンテキストにおけるコンテキスト変数の値を返します。値が設定されていない場合は、以下の順序で動作します。
|
| set() | 現在のコンテキスト内で、コンテキスト変数に新しい値を設定します。 |
| reset() | トークンを作成したContextVar.set()が呼び出される前の値に、コンテキスト変数をリセットします。 |
Contextクラス
contextvarsモジュールのContextクラスは、コンテキスト変数とその値のマッピング(対応関係)を表します。
Context(): 値を一切持たない空のコンテキストを生成します。
現在のコンテキストのコピーを取得するには、copy_context()関数を使用します。
run()メソッド
run(callable, *args, **kwargs)メソッドは、呼び出し元のコンテキストオブジェクト内でcallable(*args, **kwargs)というコードを実行し、その結果を返します。callableがコンテキスト変数に対して行った変更は、すべてそのコンテキストオブジェクト内に閉じ込められます。なお、同一のコンテキストオブジェクトに対して複数のOSスレッドから同時に呼び出した場合や、再帰的に呼び出した場合にはRuntimeErrorが発生する点に注意してください。
Contextオブジェクトのメソッド一覧
| copy() | コンテキストオブジェクトの浅いコピー(shallow copy)を返します。 |
| context[var] | コンテキスト変数varの値を返します。変数がコンテキストオブジェクトに設定されていない場合はKeyErrorが発生します。 |
| get() | コンテキストオブジェクト内に値が存在すればその値を返し、存在しなければdefaultを返します。defaultも指定されていない場合はNoneを返します。 |
| iter() | コンテキストオブジェクトに格納されている変数を走査するイテレータを返します。 |
| len() | コンテキストオブジェクトに設定されている変数の数を返します。 |
| keys() | コンテキストオブジェクト内のすべての変数のリストを返します。 |
| values() | コンテキストオブジェクト内のすべての変数の値のリストを返します。 |
| items() | コンテキストオブジェクト内のすべての変数とその値を含む2要素タプルのリストを返します。 |
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