Pythonでコマンドラインインターフェース(CLI)を開発する方法 ― clickパッケージ活用ガイド
この記事では、Pythonを使ってコマンドラインインターフェース(CLI)を開発する方法を解説します。実際のコードに入る前に、まず「コマンドライン」とは何かを理解しておきましょう。
コマンドラインは、コンピュータープログラムの誕生以来使われてきた歴史ある仕組みで、コマンドをベースに構築されています。コマンドラインプログラムとは、シェルやコマンドラインから直接実行されるプログラムのことです。
コマンドラインインターフェース(CLI)は、マウス操作の代わりに、ターミナル・シェル・コンソール上でコマンドを入力して操作できるユーザーインターフェースを提供します。
CLIは実行ファイルから始まり、その設計に応じてスクリプトへさまざまなパラメーターを渡せます。主なパラメーターは次の3種類です。
- 引数(Arguments): スクリプトに必ず渡す必要があるパラメーターです。指定しない場合、CLIはエラーを返します。たとえば
pip install numpyの「numpy」が引数にあたります。 - オプション(Options): 名前と値のペアで指定する任意のパラメーターです。たとえば
pip install django --cache-dir ./my-cache-dirの場合、「--cache-dir」がオプションで、「./my-cache-dir」がキャッシュディレクトリとして使われる値です。 - フラグ(Flags): 特定の動作の有効/無効を切り替えるための任意のパラメーターです。「--help」がその代表例です。
Pythonには「click」をはじめ、CLIを構築するためのパッケージが複数用意されています。clickを使えば、ごく少数のコード行でコマンドラインインターフェースを組み立てられます。
まずは、clickパッケージを使わないCLIプログラムの例を見てみましょう。clickを使うと「DRY(Don't Repeat Yourself)」の原則に従った実装がしやすくなるため、標準ライブラリだけで書いたCLIは、どうしても冗長になりがちです。
clickパッケージを使わないCLIプログラム
import sys
import random
def do_work():
""" コマンドラインの処理を担当する関数 """
args = sys.argv
args = args[1:] # 先頭要素はファイル名なので除外
if len(args) == 0:
print('You have not passed any commands in!')
else:
for a in args:
if a == '--help':
print('Basic command line program')
print('Options:')
print(' --help -> show this basic help menu.')
print(' --monty -> show a Monty Python quote.')
print(' --veg -> show a random vegetable')
elif a == '--monty':
print("He's not the Messiah—he's a very naughty boy")
elif a == '--veg':
print(random.choice(['Tomato', 'Radish', 'Carrot', 'Potato', 'Turnip']))
else:
print('Unrecognised argument.')
if __name__ == '__main__':
do_work()
実行結果
c:\Python\Python361>python cli_interp1.py --monty
He's not the Messiah—he's a very naughty boy
c:\Python\Python361>python cli_interp1.py --help
Basic command line program
Options:
--help -> show this basic help menu.
--monty -> show a Monty Python quote.
--veg -> show a random vegetable
c:\Python\Python361>python cli_interp1.py --veg
Tomato
c:\Python\Python361>python cli_interp1.py --error
Unrecognised argument.
このように、sys.argv を直接扱う方式では、引数の解析をすべて自分で記述する必要があり、引数名の変更や新しいオプションの追加といった拡張に対する柔軟性に欠けます。
続いて、同じ機能をPythonのclickパッケージで実装した例を見てみましょう。
clickパッケージを使ったCLIプログラム
import click
import random
@click.command()
@click.option('--monty', default=False, help='Show a Monty Python quote.')
@click.option('--veg', default=False, help='Show a random vegetable.')
def do_work(monty, veg):
""" 基本的なClickのサンプル """
if monty:
print("He's not the Messiah—he's a very naughty boy")
if veg:
print(random.choice(['Tomato', 'Radish', 'Carrot', 'Potato', 'Turnip']))
if __name__ == '__main__':
do_work()
実行結果
c:\Python\Python361>python cli_interp2.py --help
Usage: cli_interp2.py [OPTIONS]
Basic Click example will follow your commands
Options:
--monty TEXT Show a Monty Python quote.
--veg TEXT Show a random vegetable.
--help Show this message and exit.
このように、clickパッケージを使えばデコレーターを付けるだけでオプション定義やヘルプ表示を自動生成でき、CLIの作成が格段に簡単になります。面倒な引数解析のコードが不要になるため、プログラマーの負担を大幅に減らせる点も大きなメリットです。
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