Pythonで2つの島を結ぶ最短の橋の長さを求めるプログラム(DFS+BFS解説)
問題の概要
0を水、1を陸地とするバイナリ行列が与えられます。「島」とは、上下左右の4方向で連結している「1」の集合のことであり、各島は周囲を水(0)または行列の端に囲まれています。この問題では、2つの島を結ぶ最短の橋の長さを求めます。
例えば、次のような入力が与えられた場合を考えてみましょう。
| 0 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 1 |
| 1 | 0 | 0 |
この場合の出力は 1 となります。点 (1,0) と点 (1,2) を結ぶ橋を1つ架ければ、2つの島がつながるためです。
解法のアプローチ
この問題は、次の2段階の手法で効率的に解くことができます。
- DFS(深さ優先探索)を使って、最初に見つかった島全体のセルを記録する。
- BFS(幅優先探索)を使って、その島の周囲から水路を同心円状に広げ、別の島に到達した時点での距離を答えとする。
BFSを用いることで、必ず最短距離で反対側の島に到達できることが保証されます。
具体的な手順
- 行列の行数を
row、列数をcolとして取得します。 - 関数
dfs(i, j, s)を定義します。- (i, j) がすでに集合 s に含まれている場合は何もせず戻ります。
mat[i][j]が 0(水)の場合も戻ります。- (i, j) を s に追加します。
- 範囲内である限り、上下左右の4方向に対して再帰的に
dfsを呼び出します。
- メイン処理では、まず空の集合
seenを用意します。 - 行列を走査し、最初に見つかった「1」のセルから
dfsを実行して、1つ目の島全体をseenに登録します。 - 両端キュー(deque)
qを用意します。 seen内の各陸地セルについて、隣接するセルが水(0)であれば、その座標と距離 1 をqに追加します。qが空になるまで以下を繰り返します。- (i, j, dist) をキューの左端から取り出します。
- (i, j) がすでに
seenに含まれていればスキップします。 - (i, j) を
seenに追加します。 mat[i][j]が 1(陸地)であれば、dist − 1 を返します。これは、最後の1歩で島に乗ったため、橋の長さからその分を差し引く必要があるからです。- 範囲内の隣接セルすべてについて、距離 dist + 1 として
qに追加します。
実装例
それでは、実際のPythonコードを見てみましょう。
import collections
class Solution:
def solve(self, mat):
row = len(mat)
col = len(mat[0])
def dfs(i, j, s):
if (i, j) in s:
return
if mat[i][j] == 0:
return
s.add((i, j))
if i - 1 >= 0:
dfs(i - 1, j, s)
if i + 1 < row:
dfs(i + 1, j, s)
if j - 1 >= 0:
dfs(i, j - 1, s)
if j + 1 < col:
dfs(i, j + 1, s)
seen = set()
for i in range(row):
if len(seen) > 0:
break
for j in range(col):
if mat[i][j] == 1:
dfs(i, j, seen)
break
q = collections.deque()
for land in seen:
i, j = land
if i - 1 >= 0 and mat[i - 1][j] == 0:
q.append((i - 1, j, 1))
if i + 1 < row and mat[i + 1][j] == 0:
q.append((i + 1, j, 1))
if j - 1 >= 0 and mat[i][j - 1] == 0:
q.append((i, j - 1, 1))
if j + 1 < col and mat[i][j + 1] == 0:
q.append((i, j + 1, 1))
while len(q) > 0:
i, j, dist = q.popleft()
if (i, j) in seen:
continue
seen.add((i, j))
if mat[i][j] == 1:
return dist - 1
if i - 1 >= 0:
q.append((i - 1, j, dist + 1))
if i + 1 < row:
q.append((i + 1, j, dist + 1))
if j - 1 >= 0:
q.append((i, j - 1, dist + 1))
if j + 1 < col:
q.append((i, j + 1, dist + 1))
ob = Solution()
matrix = [
[0, 0, 1],
[1, 0, 1],
[1, 0, 0],
]
print(ob.solve(matrix))入力
[ [0, 0, 1], [1, 0, 1], [1, 0, 0], ]
出力
1
計算量について
このアルゴリズムでは、DFSとBFSのそれぞれで各セルを高々1回ずつ訪問するため、時間計算量は O(row × col)、使用するメモリも訪問管理のための集合やキューによって O(row × col) となります。グリッド系の探索問題としては非常に効率的な解法です。
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