Pythonで同じ位置の値を交換して2つの行列を狭義単調増加にできるか判定する方法
問題の概要
サイズ n × m の2つの行列 mat1 と mat2 があるとします。同じ位置 (i, j) にある要素同士であれば、2つの行列の間で自由に入れ替えることができます。この操作だけを使って、両方の行列を「狭義単調増加」な行列(すべての行と列が、左から右へ、上から下へ向かって値が厳密に増加する状態)にできるかどうかを判定してください。
入力例
たとえば、次のような2つの行列が与えられたとします。
| 7 | 15 |
| 16 | 10 |
| 14 | 9 |
| 8 | 17 |
この場合の出力は True になります。実際、(7, 14) と (10, 17) のペアを入れ替えると、2つの行列は次のようにどちらも狭義単調増加になります。
| 14 | 15 |
| 16 | 17 |
| 7 | 9 |
| 8 | 10 |
解法のアプローチ
この問題は貪欲法(グリーディ法)で効率よく解くことができます。ポイントは「各位置において、小さい値を mat1 側に、大きい値を mat2 側に配置すればよい」ということです。ある位置で mat1[i][j] > mat2[i][j] となっている場合は入れ替えても不利になることはありません。後続の検証では各行・各列の隣接要素の大小関係しか見ないため、その位置に小さい値を置いておく方が常に有利だからです。
具体的な手順は以下の通りです。
- row に mat1 の行数、col に mat1 の列数を代入する
- すべての位置 (i, j) について、mat1[i][j] > mat2[i][j] であれば2つの値を入れ替える
- すべての行について、隣接する要素が厳密に増加しているか確認し、mat1[i][j] >= mat1[i][j+1] または mat2[i][j] >= mat2[i][j+1] となる箇所があれば False を返す
- すべての列についても同様に、mat1[i][j] >= mat1[i+1][j] または mat2[i][j] >= mat2[i+1][j] となる箇所があれば False を返す
- すべてのチェックを通過したら True を返す
計算量は行列の全要素を数回走査するだけなので O(n × m) となり、非常に効率的です。
Pythonコード例
それでは、実際の実装を見てみましょう。
def solve(mat1, mat2):
row = len(mat1)
col = len(mat1[0])
# 各位置で小さい方の値を mat1 に配置する
for i in range(row):
for j in range(col):
if mat1[i][j] > mat2[i][j]:
mat1[i][j], mat2[i][j] = mat2[i][j], mat1[i][j]
# 行方向の厳密な増加を確認
for i in range(row):
for j in range(col - 1):
if mat1[i][j] >= mat1[i][j + 1] or mat2[i][j] >= mat2[i][j + 1]:
return False
# 列方向の厳密な増加を確認
for i in range(row - 1):
for j in range(col):
if mat1[i][j] >= mat1[i + 1][j] or mat2[i][j] >= mat2[i + 1][j]:
return False
return True
mat1 = [[7, 15],
[16, 10]]
mat2 = [[14, 9],
[8, 17]]
print(solve(mat1, mat2))入力
[[7, 15], [16, 10]], [[14, 9], [8, 17]]
出力
True
まとめ
同じ位置の要素同士しか入れ替えられないという制約があるため、一見複雑に思えますが、「小さい値を mat1 に寄せる」という貪欲な戦略を取れば、あとは行・列方向の単調性を線形時間で検証するだけで答えが得られます。この手法は計算量 O(n × m)、追加メモリ O(1) で動作するため、大きな行列に対しても実用的です。
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