TensorFlowとPythonで線形モデルをトレーニングする方法を解説
TensorFlowとは
TensorFlowは、Googleが提供する機械学習フレームワークです。オープンソースとして公開されており、Pythonと組み合わせて各種アルゴリズムやディープラーニングアプリケーションなどを実装できます。研究用途だけでなく、本番環境(プロダクション)でも幅広く利用されています。
TensorFlowのインストール方法
Windows環境では、以下のコマンドを実行するだけで「tensorflow」パッケージをインストールできます。
pip install tensorflow
テンソル(Tensor)とは何か
テンソルはTensorFlowにおける基本的なデータ構造で、「データフローグラフ(Data Flow Graph)」と呼ばれる流れ図の中で、ノード同士をつなぐエッジ(辺)の役割を果たします。テンソルの正体は多次元配列またはリストであり、以下の3つの主要な属性によって特徴づけられます。
- ランク(Rank):テンソルの次元数を表します。テンソルの階数、すなわち定義されたテンソルが持つ次元の数と考えることができます。
- 型(Type):テンソルの要素に関連付けられたデータ型を表します。1次元、2次元、n次元といった形状の違いにかかわらず、要素のデータ型を示します。
- 形状(Shape):行数と列数の組み合わせで表されるテンソルの形です。
本記事ではJupyter Notebookを使ってコードを実行します。Jupyter Notebookへのインストールも同様に「pip install tensorflow」コマンドで行えます。
線形モデルをトレーニングするサンプルコード
以下が実際のコードです。
import tensorflow as tf
A = tf.get_variable("A", initializer=tf.constant([0.1]))
b = tf.get_variable("b", initializer=tf.constant([0.0]))
x = tf.placeholder(tf.float32)
y = tf.placeholder(tf.float32)
my_model = A * x + b
lossVal = tf.reduce_sum(tf.square(my_model - y))
my_optimizer = tf.train.GradientDescentOptimizer(0.01)
train = my_optimizer.minimize(lossVal)
x_train = [1.0, 2.5, 3.8, 4.9]
y_train = [1.7, 3.0, 6.6, 6.8]
with tf.Session() as sess:
sess.run(tf.global_variables_initializer())
for i in range(1000):
sess.run(train, {x:x_train, y:y_train})
if i%100==0:
l_cost = sess.run(lossVal, {x:x_train, y:y_train})
print(f"i: {i} cost: {l_cost}")
l_A, l_b, l_cost = sess.run([A, b, lossVal], {x:x_train, y:y_train})
print(f"A: {l_A} b: {l_b} cost: {l_cost}")
実行結果
i: 0 cost: 1.7808341979980469 i: 100 cost: 1.6947696208953857 i: 200 cost: 1.691591501235962 i: 300 cost: 1.6913959980010986 i: 400 cost: 1.6913844347000122 i: 500 cost: 1.6913840770721436 i: 600 cost: 1.6913843154907227 i: 700 cost: 1.691383719444275 i: 800 cost: 1.6913838386535645 i: 900 cost: 1.6913845539093018 A: [1.4599526] b: [0.07214472] cost: 1.6913845539093018
コードの解説
- 必要なパッケージをインポートし、扱いやすくするために別名(エイリアス)を付けています。
- 変数「my_model」を定義し、線形モデルの一般的な形式である「A * x + b」を格納しています。
- この線形モデルは「GradientDescentOptimizer」(勾配降下法オプティマイザー)を使って訓練されます。
- 「minimize」メソッドにより、損失(誤差)が最小になるように学習が進められます。
- 訓練用データを格納した2つのリスト(x_train、y_train)を作成しています。
- 作成したデータでモデルを訓練し、結果をコンソールに出力します。
補足:TensorFlow 2.xでの注意点
なお、上記のコードはTensorFlow 1.x系のAPI(tf.placeholder、tf.Sessionなど)に基づいています。TensorFlow 2.xでは即時実行(Eager Execution)がデフォルトになり、Keras APIを使ったよりシンプルな記述が推奨されているため、バージョンによってコードの書き方が異なる点にご注意ください。
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