PythonでプロキシWebサーバーを作成する方法【初心者向けサンプルコード付き】
プロキシサーバーとは
プロキシサーバーは、クライアントと実際のサーバー(オリジンサーバー)の間に位置する中継役となるサーバーです。クライアントから送られたリクエストを受け取り、それを実際のサーバーへ転送します。そして、サーバーからレスポンスが返ってくると、その内容をクライアントへ届けます。
プロキシサーバーを利用するメリットは多岐にわたり、代表的なものとしては以下が挙げられます。
- サーバーのIPアドレスの隠蔽:実際のサーバーを外部に露出させず、攻撃や不正アクセスのリスクを低減できます。
- パフォーマンスの向上:キャッシュ機能により、同じコンテンツへのアクセスを高速化できます。
- セキュリティの強化:フィルタリングやアクセス制御によって、通信を監視・制限できます。
本記事では、Pythonの標準ライブラリだけを使って、こうしたプロキシサーバーの最小構成を実装する方法を解説します。
実装の考え方と使うモジュール
シンプルなプロキシサーバーは、次の標準モジュールを組み合わせることで実現できます。
- SimpleHTTPServer:HTTPリクエストを処理するハンドラクラス(SimpleHTTPRequestHandler)を提供します。
- SocketServer:TCPサーバーの土台を作り、受信したリクエストをハンドラに振り分けます。
- urllib:指定したURLへアクセスし、コンテンツを取得します。
処理の流れは次のとおりです。まずSimpleHTTPRequestHandlerを継承した独自クラスを定義し、GETリクエストを処理するdo_GETメソッドをオーバーライドします。このメソッド内で、リクエストされたパスからURLを取り出し、urllibでそのURLにアクセスして得たレスポンスを、そのままクライアントへ書き戻します。最後に、このハンドラクラスをサーバークラスに渡してインスタンス化し、serve_forever()メソッドを呼び出せば、サーバーが起動してリクエストの待ち受けが始まります。
実装例
import SimpleHTTPServer
import SocketServer
import urllib
PORT = 9012
class JustAProxy(SimpleHTTPServer.SimpleHTTPRequestHandler):
def do_GET(self):
# パス先頭の「/」を除いた部分をURLとして扱う
url = self.path[1:]
self.send_response(200)
self.end_headers()
# 取得したコンテンツをそのままクライアントへ転送する
self.copyfile(urllib.urlopen(url), self.wfile)
httpd = SocketServer.TCPServer(('localhost', PORT), JustAProxy)
print('Proxy Server at', str(PORT))
httpd.serve_forever()コードのポイント
- do_GETメソッド:GETリクエストが来たときに自動的に呼び出されるハンドラです。
- self.path[1:]:リクエストパスの先頭のスラッシュを取り除き、転送先のURLとして利用します。例えば「https://localhost:9012/example.com」へのアクセスは、example.comの内容を取得するリクエストとして処理されます。
- copyfile():urllibで取得したレスポンスの中身を、クライアントへの出力ストリーム(self.wfile)へそのまま流し込みます。
- serve_forever():サーバーを明示的に停止させるまで、リクエストを繰り返し受け付け続けます。
実行結果
上記のコードを実行すると、次のような出力が表示され、ポート9012でプロキシサーバーが起動します。
Proxy Server at 9012
この状態でブラウザから「https://localhost:9012/取得したいURL」にアクセスすると、プロキシ経由で対象サイトのコンテンツを取得できます。
補足:Python 3での実装について
上記のコードはPython 2系の標準ライブラリに基づいています。Python 3ではモジュール名が変更されているため、以下のように読み替えてください。
- SimpleHTTPServer →
http.server - SocketServer →
socketserver - urllib.urlopen →
urllib.request.urlopen
また、実運用を想定する場合は、HTTPSへの対応、HTTPヘッダーの適切な転送、エラーハンドリング、同時接続への対応(ThreadingMixInの利用など)も併せて検討することをおすすめします。
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