Pythonで配列の偏差を最小化するプログラムの実装方法
問題の概要
配列 nums が与えられます。配列内の任意の要素に対して、次の2種類の操作を何度でも実行できます。
- 偶数の要素は 2 で割る
- 奇数の要素は 2 倍する
ここで、配列の「偏差」とは、配列内の任意の2つの要素間の差のうち最大のものを指します。求めたいのは、操作を何度か実行した後に配列が取りうる偏差の最小値です。
具体例
入力が nums = [6,3,7,22,5] の場合、答えは 5 になります。実際の操作の流れは次のとおりです。
- 1回目の操作:3 を 2 倍して
[6,6,7,22,5] - 2回目の操作:5 を 2 倍して
[6,6,7,22,10] - 3回目の操作:22 を 2 で割って
[6,6,7,11,10]
この状態での偏差は 11 − 6 = 5 となり、これ以上小さくすることはできません。
解法のアプローチ
この問題は、優先度付きキュー(ヒープ)を活用することで効率的に解けます。解決の手順は以下のとおりです。
- リスト
numsをソートする max_vをnumsの最大値、min_vを最小値として初期化するnumsを最小ヒープ化する- 初期解として
res = max_v - min_vを設定する - ヒープの先頭(最小値)が奇数である間、次を繰り返す
- 最小値を取り出して 2 倍し、ヒープに戻す
min_vを現在のヒープの先頭で更新するmax_vをvとmax_vの大きい方で更新するresをresと(max_v - min_v)の小さい方で更新する
- すべての要素の符号を反転して再度ヒープ化し、最大ヒープとして扱う
- ヒープの先頭(最大値)が偶数である間、次を繰り返す
- 最大値を取り出して 2 で割り、符号を反転してヒープに戻す
max_vを現在のヒープの先頭(符号反転後の値)で更新するmin_vをmin_vとvの小さい方で更新するresをresと(max_v - min_v)の小さい方で更新する
resを返す
アルゴリズムのポイント
このアプローチが機能するのは、各要素が到達できる値が限定されているためです。奇数を 2 倍すると必ず偶数になり、偶数を 2 で割り続けると最終的に奇数になります。つまり、偏差を縮めるには「最小値が奇数なら 2 倍して押し上げる」か「最大値が偶数なら 2 で割って押し下げる」しかありません。Python の heapq モジュールは最小ヒープのみを提供しているため、2番目のフェーズでは要素の符号を反転することで最大ヒープを実現しています。
Pythonによる実装例
理解を深めるために、以下の実装例を見てみましょう。
import heapq
def solve(nums):
nums.sort()
max_v,min_v = nums[-1],nums[0]
heapq.heapify(nums)
res = max_v-min_v
while nums[0]%2==1:
v = heapq.heappop(nums)
v = 2 * v
heapq.heappush(nums, v)
min_v = nums[0]
max_v = max(v, max_v)
res = min(res, max_v - min_v)
nums = [-n for n in nums]
heapq.heapify(nums)
while nums[0]%2==0:
v = -heapq.heappop(nums)
v = v // 2
heapq.heappush(nums, -v)
max_v = -nums[0]
min_v = min(min_v,v)
res = min(res, max_v - min_v)
return res
nums = [6,3,7,22,5]
print(solve(nums))
入力と出力
入力
[6,3,7,22,5]
出力
5
計算量について
ヒープへの挿入・削除にはそれぞれ O(log n) のコストがかかります。また、各要素が取りうる値の候補数は高々 O(log M) 個(M は要素の最大値)に抑えられるため、全体の計算量は O(n log n log M) となり、大きな入力に対しても十分高速に動作します。
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