PythonでSQLiteデータベースを操作する方法|sqlite3モジュール徹底解説
SQLiteとは
SQLiteは、サーバーを必要とせず、設定も一切不要なオープンソースのデータベースです。データベース全体が単一のディスクファイルとして保存され、OSのファイルシステム上の任意の場所に配置できます。SQLiteのコマンドは標準SQLに近い構文を持つため、学習コストも低く抑えられます。
SQLiteは、Webブラウザなど多くのアプリケーションの内部データ保存に広く採用されており、組み込みデバイス向けのデータストレージとしても非常に有用です。
Pythonの標準ライブラリには、SQLiteデータベース接続のサポートが最初から組み込まれています。その中核となるのがsqlite3モジュールで、Gerhard Häring氏によって開発されたDB-API 2.0準拠のモジュールです。追加インストールなしで、すぐに使い始められる点が大きな魅力です。
DB-APIはPEP 249に基づいて定義されており、さまざまなデータベース製品へアクセスするPythonモジュール間で共通のインターフェースを保証しています。これにより、コードの移植性が高まります。
データベース操作の基本的な流れは以下の通りです。
- データベースを表すコネクションオブジェクトを取得する
- コネクションからカーソルオブジェクトを取得する
- カーソルを使ってSQLを実行し、結果を処理する
カーソルオブジェクトはイテレータに似た概念で、クエリ結果の各行を順番に処理するために使われます。行の集合の中の1行を指す「ポインタ」と捉えると理解しやすいでしょう。
connect()関数でデータベースに接続する
sqlite3モジュールのconnect()関数は、ディスク上の既存データベースを表すコネクションオブジェクトを返します。ファイルが存在しない場合は、新しくデータベースを作成します。
import sqlite3
conn = sqlite3.connect('mydb.sqlite3')
また、SQLiteはメモリ上にデータベースを作成することもできます。特別な名前「:memory:」を指定すると、ディスクにファイルを作らず、RAM内だけで動作する一時的なデータベースが生成されます。テストや一時的な計算用途に便利です。
conn = sqlite3.connect(':memory:')
コネクションオブジェクトの主なメソッド
Connectionクラスには、以下のようなメソッドが定義されています。
cursor()
カーソルオブジェクトを返します。SQL文の実行は、このカーソルを通じて行います。
cur = conn.cursor()
commit()
トランザクションを確定し、変更内容を永続的にディスクに書き込みます。
rollback()
トランザクションをロールバックし、最後にcommit()を呼び出した時点までデータベースの状態を復元します。SQL処理中に例外が発生した場合のデータ整合性を保つために重要なメソッドです。
try:
conn.commit()
except:
conn.rollback()
execute()
内部でカーソルを暗黙的に作成し、そのexecute()メソッドを呼び出します。
executemany()
内部でカーソルを暗黙的に作成し、そのexecutemany()メソッドを呼び出します。複数行の一括処理に適しています。
create_function()
ユーザー定義関数を作成します。登録した関数は、後からSQL文の中で呼び出せるようになります。
create_aggregate()
集計関数(aggregate function)を作成します。
iterdump()
データベースの内容をSQLテキスト形式でダンプします。バックアップやマイグレーションに活用できます。
import sqlite3
con = sqlite3.connect('mydb.sqlite3')
f = open('dump.sql', 'w')
for line in con.iterdump():
f.write('%s\n' % line)
backup()
アクセス中のデータベースであっても、バックアップを作成できます。サービスを停止せずにバックアップを取れる点が強力です。
source = sqlite3.connect('mydb.sqlite3')
dest = sqlite3.connect(':memory:')
source.backup(dest)
カーソルオブジェクトでSQLを実行する
コネクションから取得したカーソルを使うと、execute()メソッドを通じて各種SQL操作を実行できます。例えば、次のステートメントは現在のデータベースにテーブルを作成します。
cur = conn.cursor()
cur.execute("""CREATE TABLE guests (
ID INTEGER PRIMARY KEY,
name TEXT(20) NOT NULL,
address TEXT(40),
city TEXT(20)
);""")
レコードを挿入する場合は以下のように記述します。
cur.execute("""INSERT INTO GUESTS VALUES(1,'RAJU','ABIDS','HYDERABAD');""")
大量のレコードをまとめて追加したい場合は、executemany()メソッドを使うと効率的です。
addresses = [(2, 'KISHAN', 'TILAK ROAD', 'PUNE'),
(3, 'LATA', 'GAANDHI NAGAR', 'AURANGABAD')]
sql = 'INSERT INTO GUESTS VALUES (:ID, :NAME, :ADD, :CITY)'
cur.executemany(sql, addresses)
検索結果の取得:fetchone()とfetchall()
SELECTクエリを実行すると、結果セット(result set)が形成されます。execute()メソッドにはSELECT文を表す文字列を渡します。DB-APIでは、カーソルが保持する結果セットから行を取り出すためのメソッドが2つ用意されています。
fetchone() ─ 結果セットから次に利用可能なレコードを1件だけ取得します。戻り値は、取得したレコードの各カラム値を格納したタプルです。
fetchall() ─ 残りのすべてのレコードをタプルのリストとして取得します。各タプルが1行に対応し、テーブルの各カラム値を含みます。
fetchone()を使ってguestsテーブルの全レコードを表示するコード例です。
sql = "SELECT * from guests;"
cur = db.cursor()
cur.execute(sql)
while True:
record = cur.fetchone()
if record == None:
break
print(record)
fetchall()の使用例は以下の通りです。
sql = "SELECT * from guests;"
cur = db.cursor()
cur.execute(sql)
rows = cur.fetchall()
for record in rows:
print(record)
SQLiteとPythonの型マッピング
SQLiteのデータ型は、デフォルトで以下の表のようにPythonの対応するデータ型へ自動的にマッピングされます。
| Python型 | SQLite型 |
|---|---|
| None | NULL |
| int | INTEGER |
| float | REAL |
| str | TEXT |
| bytes | BLOB |
この自動変換により、PythonのオブジェクトをそのままSQLに渡したり、クエリ結果をPythonオブジェクトとして受け取ったりできるため、コードがシンプルになります。
DB-APIで定義されている例外
DB-APIは、SQLiteデータベースに対するSQL操作に関連して、以下の例外を定義しています。
| DatabaseError | データベースに関するエラー全般に対して送出される例外です。 |
| IntegrityError | 外部キー制約違反など、データベースのリレーショナル整合性が損なわれる場合に送出される例外です。DatabaseErrorのサブクラスです。 |
| ProgrammingError | テーブルが見つからない・既に存在する、SQL文の構文エラー、パラメータ数の不一致など、プログラミング上の誤りに対して送出される例外です。 |
| OperationalError | データベースの動作に関連し、必ずしもプログラマの制御下にあるとは限らないエラー(接続断、タイムアウトなど)に対して送出される例外です。 |
| NotSupportedError | そのデータベースがサポートしていないAPIやメソッドが使用された場合に送出される例外です。 |
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