情報セキュリティにおける公開鍵暗号方式の主な応用と仕組みを解説
公開鍵暗号方式とは
公開鍵暗号方式は「非対称鍵暗号」とも呼ばれ、オンラインソフトウェアにおいて不可欠な暗号化・復号の仕組みです。この方式では、「公開鍵」と「秘密鍵」という2つの異なる鍵を使用します。
対称鍵暗号アルゴリズムでは、暗号化と復号に同じ1つの鍵を使います。一方、公開鍵暗号方式では2つの鍵を使い分け、どちらか一方の鍵で暗号化したデータは、もう一方の鍵でのみ復号できるという特徴を持ちます。
公開鍵暗号方式で生成される鍵は、512ビット、1024ビット、2048ビットなど非常に大きなサイズになります。そのため、これらの鍵を人が記憶することは現実的ではなく、USBトークンやハードウェアセキュリティモジュール(HSM)などのデバイスで安全に管理するのが一般的です。
公開鍵暗号が実現するセキュリティサービス
非対称鍵暗号システムは、「機密性」「認証」「完全性」「否認防止」という4つの重要なセキュリティサービスを実現しなければなりません。
このうち、認証と否認防止は公開鍵によって支えられるサービスです。一方、機密性と完全性については、ユーザーの秘密鍵を用いた暗号化処理の一部として実現されます。
公開鍵システムの基本構造
公開鍵システムの最大の特徴は、2つの鍵を必要とする暗号アルゴリズムにあるといえます。1つは所有者のみが保持する秘密鍵、もう1つは誰でも利用できる公開鍵です。用途に応じて、送信者は自分の秘密鍵、受信者の公開鍵、あるいはその両方を使って暗号処理を行います。
公開鍵暗号方式の3つの主要な用途
公開鍵暗号システムの利用形態は、次の3つに大別できます。
- 暗号化・復号 ― 送信者が受信者の公開鍵を使ってメッセージを暗号化します。
- デジタル署名 ― 送信者が自身の秘密鍵でメッセージに署名します。署名は、メッセージ本体、またはメッセージから導出された小さなデータブロックに対して暗号アルゴリズムを適用することで行われます。
- 鍵交換 ― 通信の両当事者がセッション鍵の交換について合意する仕組みです。片方または双方の秘密鍵を利用するなど、複数の手法が存在します。
公開鍵暗号システムの基本的な手順
公開鍵暗号システムは、以下のような流れで運用されます。
- 各ユーザーが、メッセージの暗号化と復号に使用する一組の鍵を生成します。
- 各ユーザーは、生成した2つの鍵のうち1つを公開鍵レジストリなどの閲覧可能な場所に登録し、もう一方の鍵は秘密鍵として厳重に保管します。また、各ユーザーは他のユーザーから取得した公開鍵のセットを保持します。
主な応用分野:デジタル署名とデータ暗号化
公開鍵暗号システムの代表的な応用例としては、デジタル署名とデータ暗号化が挙げられます。
デジタル署名は、メッセージ認証における公開鍵の基礎となる技術です。これは、手書き文書やタイプされた文書に手書き署名を行うことと同じ発想を、電子的な世界で実現したものといえます。
データ暗号化の応用では、情報に対して機密性と完全性というセキュリティサービスを提供します。さらに、公開鍵の仕組みによって、認証および否認防止のサービスも併せて実現できます。
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