数独(ナンプレ)を解くアルゴリズム:バックトラッキング法をC++で実装する方法
はじめに
本記事では、数独(Sudoku/ナンプレ)として知られる有名な数字パズルを、コンピュータプログラムで解く方法を解説します。数独は 9×9 の数字グリッドで構成され、盤面全体はさらに 3×3 のブロック(ボックス)に分割されています。
数独を解く際には、以下の基本的なルールに従う必要があります。
- 使用する数字は 1〜9 のみです。
- 同じ行、同じ列、そして同じ 3×3 ブロック内に、同じ数字を重複して配置することはできません。
バックトラッキングによるアプローチ
ここではバックトラッキング(後戻り法)アルゴリズムを用いて数独を解きます。バックトラッキングの流れは以下のとおりです。
- 空きセルに数字を 1 つ置き、その配置がルールに適合しているか(妥当か)を検証します。
- 配置が妥当でなければ、別の数字を試します。
- 1〜9 のすべての数字を試しても有効な数字が見つからない場合、直前のセルに戻って(バックトラックして)別の選択肢を探索します。
この「試しては戻る」処理を繰り返すことで、最終的に解へたどり着きます。
入力と出力
入力: 9×9 の行列を数独グリッドとして受け取ります。あらかじめいくつかの値が 盤面に配置されており、空きマスは 0 で表されます。 出力: すべてのマスが埋まった完成版の数独グリッド。解が存在しない場合は false を返します。 3 1 6 | 5 7 8 | 4 9 2 5 2 9 | 1 3 4 | 7 6 8 4 8 7 | 6 2 9 | 5 3 1 ------------------------ 2 6 3 | 4 1 5 | 9 8 7 9 7 4 | 8 6 3 | 1 2 5 8 5 1 | 7 9 2 | 6 4 3 ------------------------ 1 3 8 | 9 4 7 | 2 5 6 6 9 2 | 3 5 1 | 8 7 4 7 4 5 | 2 8 6 | 3 1 9
アルゴリズムの詳細
数独ソルバーは、以下の補助関数を組み合わせて構成します。擬似コードで順番に見ていきましょう。
isPresentInCol(col, num)
入力: 列(col)と調べたい数字(num)。
出力: 指定した列にその数字が存在すれば true。
Begin
for each row r in the grid, do
if grid[r, col] = num, then
return true
done
return false otherwise
EndisPresentInRow(row, num)
入力: 行(row)と調べたい数字(num)。
出力: 指定した行にその数字が存在すれば true。
Begin
for each column c in the grid, do
if grid[row, c] = num, then
return true
done
return false otherwise
EndisPresentInBox(boxStartRow, boxStartCol, num)
入力: 3×3 ブロックの開始行・開始列と、調べたい数字。
出力: そのブロック内に数字が存在すれば true。
Begin
for each row r in boxStartRow to next 3 rows, do
for each col c in boxStartCol to next 3 columns, do
if grid[r, c] = num, then
return true
done
done
return false otherwise
EndfindEmptyPlace(row, col)
入力: グリッド上の行と列。
出力: grid[row, col] が空(0)なら true、そうでなければ false。
Begin
for each row r in the grid, do
for each column c in the grid, do
if grid[r, c] = 0, then
return true
done
done
return false
EndisValidPlace(row, col, num)
入力: 行・列と、チェックしたい数字。
出力: その位置への数字の配置が妥当であれば true。
Begin
if isPresentInRow(row, num) and isPresentInCol(col, num) and
isPresentInBox(row – row mod 3, col – col mod 3, num) all are false, then
return true
Endつまり、行・列・3×3 ブロックのどこにもその数字が存在しなければ、その配置は妥当であると判定します。
solveSudoku(数独グリッド)
入力: 未解決の数独グリッド。
出力: 解決後のグリッド。
Begin
if no place in the grid is empty, then
return true
for number 1 to 9, do
if isValidPlace(row, col, number), then
grid[row, col] := number
if solveSudoku = true, then
return true
grid[row, col] := 0
done
return false
Endすべてのマスが埋まれば解決完了(true)、そうでなければ 1〜9 の数字を順に試し、再帰的に次の空きマスへ進みます。失敗した場合はセルを 0 に戻してバックトラックします。
C++ による実装例
#include <iostream>
#define N 9
using namespace std;
int grid[N][N] = {
{3, 0, 6, 5, 0, 8, 4, 0, 0},
{5, 2, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 0},
{0, 8, 7, 0, 0, 0, 0, 3, 1},
{0, 0, 3, 0, 1, 0, 0, 8, 0},
{9, 0, 0, 8, 6, 3, 0, 0, 5},
{0, 5, 0, 0, 9, 0, 6, 0, 0},
{1, 3, 0, 0, 0, 0, 2, 5, 0},
{0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 7, 4},
{0, 0, 5, 2, 0, 6, 3, 0, 0}
};
bool isPresentInCol(int col, int num) { // num が列に存在するか判定
for (int row = 0; row < N; row++)
if (grid[row][col] == num)
return true;
return false;
}
bool isPresentInRow(int row, int num) { // num が行に存在するか判定
for (int col = 0; col < N; col++)
if (grid[row][col] == num)
return true;
return false;
}
bool isPresentInBox(int boxStartRow, int boxStartCol, int num) { // num が 3x3 ブロックに存在するか判定
for (int row = 0; row < 3; row++)
for (int col = 0; col < 3; col++)
if (grid[row+boxStartRow][col+boxStartCol] == num)
return true;
return false;
}
void sudokuGrid() { // 解決後の数独グリッドを出力
for (int row = 0; row < N; row++) {
for (int col = 0; col < N; col++) {
if(col == 3 || col == 6)
cout << " | ";
cout << grid[row][col] <<" ";
}
if(row == 2 || row == 5) {
cout << endl;
for(int i = 0; i<N; i++)
cout << "---";
}
cout << endl;
}
}
bool findEmptyPlace(int &row, int &col) { // 空きマスを探し、行と列を更新
for (row = 0; row < N; row++)
for (col = 0; col < N; col++)
if (grid[row][col] == 0) // 0 は空きマスを表す
return true;
return false;
}
bool isValidPlace(int row, int col, int num) {
// 行・列・現在の 3x3 ブロックのいずれにも num が存在しない場合に有効
return !isPresentInRow(row, num) && !isPresentInCol(col, num) && !isPresentInBox(row - row%3 , col - col%3, num);
}
bool solveSudoku() {
int row, col;
if (!findEmptyPlace(row, col))
return true; // すべてのマスが埋まった
for (int num = 1; num <= 9; num++) { // 有効な数字は 1〜9
if (isValidPlace(row, col, num)) { // 妥当性を確認し、問題なければグリッドに配置
grid[row][col] = num;
if (solveSudoku()) // 再帰的に残りのマスを解く
return true;
grid[row][col] = 0; // 条件を満たさない場合は未割り当てに戻す(バックトラック)
}
}
return false;
}
int main() {
if (solveSudoku() == true)
sudokuGrid();
else
cout << "No solution exists";
}実行結果
3 1 6 | 5 7 8 | 4 9 2 5 2 9 | 1 3 4 | 7 6 8 4 8 7 | 6 2 9 | 5 3 1 ------------------------ 2 6 3 | 4 1 5 | 9 8 7 9 7 4 | 8 6 3 | 1 2 5 8 5 1 | 7 9 2 | 6 4 3 ------------------------ 1 3 8 | 9 4 7 | 2 5 6 6 9 2 | 3 5 1 | 8 7 4 7 4 5 | 2 8 6 | 3 1 9
まとめ
バックトラッキング法を使えば、数独のような制約充足問題をシンプルなコードで解くことができます。行・列・3×3 ブロックの重複チェックを行う補助関数と、再帰的な探索を組み合わせることがポイントです。ただし、最悪の場合には計算量が増大するため、候補となる数字を絞り込むヒューリスティクス(例:配置可能な数字が最も少ないマスから埋める手法など)を組み合わせると、より高速に解けるようになります。
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ここでは、一部のマスのみが埋められた数独グリッドをC++で解く方法を解説します。数独とは9×9の数字グリッドであり、全体はさらに3×3のボックスに分割されています。数独を解くためには、以下のルールを守る必要があります。使用する数字は1から9までです。同じ行・同じ列・同じ3×3ボックス内に、同じ数字を重複して配置することはできません。バックトラッキングによる解法の考え方本記事ではバックトラッキング(バックトラック)アルゴリズムを使用して数独を解きます。空きマスに数字を仮に置いた後、その配置がルール上妥当かどうかを検証します。もし配置が不正であれば別の数字を試し、1〜9のすべての数字を試しても有効
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Pythonで数独グリッドの有効性を検証するプログラムの実装方法
数独グリッドの有効性検証とは? ここでは、9×9の数独(スドク)グリッドが有効(valid)であるかどうかを判定するプログラムを扱います。検証の対象となるのは、すでに埋められているセルだけであり、次のルールに従ってチェックを行います。 行のルール:各行には、1〜9の数字が重複することなく含まれていること。 列のルール:各列にも、1〜9の数字が重複することなく含まれていること。 ブロックのルール:グリッド内の9つの3×3サブボックス(ブロック)のそれぞれにも、1〜9の数字が重複せずに含まれていること。 例として、次のような数独グリッドを考えてみます。 このグリッドは有効です。 解法のアプ