Rubyのキーワード引数、ハッシュ、スプラットを使いこなす
このようなパターンを見たことがある方は多いのではないでしょうか。メソッドの最後の引数として options ハッシュを受け取り、追加のパラメータをそこに格納するスタイルです。
def hello_message(name_parts = {})
first_name = name_parts.fetch(:first_name)
last_name = name_parts.fetch(:last_name)
"Hello, #{first_name} #{last_name}"
end
残念ながら、この方法ではハッシュからパラメータを取り出す必要があります。つまり、本来やりたい処理にたどり着くまでに、準備のためのコードが大量に挟まってしまうのです。
しかし、Ruby 2.0以降で導入されたキーワード引数を使うようにこのメソッドを書き換えれば、:first_name や :last_name をハッシュから取り出す作業は不要になります。Rubyが自動的に処理してくれるからです。
def hello_message(first_name:, last_name:)
"Hello, #{first_name} #{last_name}"
end
さらに嬉しいことに、アプリケーションがRuby 1.9以降のハッシュ記法を使っているなら、呼び出し側のコードを一切変更せずに、メソッドをキーワード引数へ移行できます。
def hello_message_with_an_options_hash(name_parts = {})
first_name = name_parts.fetch(:first_name)
last_name = name_parts.fetch(:last_name)
"Hello, #{first_name} #{last_name}"
end
def hello_message_with_keyword_arguments(first_name:, last_name:)
"Hello, #{first_name} #{last_name}"
end
hello_message_with_an_options_hash(first_name: "Justin", last_name: "Weiss")
hello_message_with_keyword_arguments(first_name: "Justin", last_name: "Weiss")
どうですか?これら2つの呼び出しの引数は、完全に同一です!
キーワード引数構文、その先へもう一歩
では、まだ新しいハッシュ記法に移行していない場合はどうでしょうか?すべてのコードを書き換えることも可能です。ただ、少なくともRuby 2.2.1の時点では、古いハッシュ記法でもキーワード引数は問題なく動作します。
irb(main):007:0> hello_message_with_keyword_arguments(:first_name => "Justin", :last_name => "Weiss")
=> "Hello, Justin Weiss"
いいですね!では、引数を個別に渡すのではなく、ハッシュオブジェクトをそのまま渡した場合はどうなるでしょう?
irb(main):008:0> options = {:first_name => "Justin", :last_name => "Weiss"}
irb(main):009:0> hello_message_with_keyword_arguments(options)
=> "Hello, Justin Weiss"
おっと。では、ハッシュとキーワード引数を混ぜて渡したい場合は?
irb(main):010:0> options = {last_name: "Weiss"}
irb(main):011:0> hello_message_with_keyword_arguments(first_name: "Justin", options)
SyntaxError: (irb):11: syntax error, unexpected ')', expecting =>
from /usr/local/bin/irb:11:in `<main>'
OK、さすがにここまでやると構文エラーになってしまうようです。これを回避するには、Hash#merge を使って単体で渡せるハッシュを組み立てるという手があります。しかし、もっと良い方法が存在します。
キーワード引数ではなく通常の引数であれば、配列を *(スプラット)で展開して渡すことができます。
def generate_thumbnail(name, width, height)
# ...
end
dimensions = [240, 320]
generate_thumbnail("headshot.jpg", *dimensions)
では、キーワード引数を引数リストに展開(スプラット)することはできるのでしょうか?
実はそれが可能です。鍵となるのが **(ダブルスプラット)です。先ほど失敗した例を ** で修正すると、次のようになります。
irb(main):010:0> options = {last_name: "Weiss"}
irb(main):011:0> hello_message_with_keyword_arguments(first_name: "Justin", **options)
=> "Hello, Justin Weiss"
さらに物好きな人なら、通常の引数・キーワード引数・スプラットをすべて組み合わせることだってできます。
def hello_message(greeting, time_of_day, first_name:, last_name:)
"#{greeting} #{time_of_day}, #{first_name} #{last_name}!"
end
args = ["Morning"]
keyword_args = {last_name: "Weiss"}
hello_message("Good", *args, first_name: "Justin", **keyword_args) # => "Good Morning, Justin Weiss!"
もちろん、こんな書き方が必要になる状況に陥ったら、もっと早い段階で設計を見直すべきサインかもしれません!
キーワード引数を簡単に受け取る方法
* を使えば、メソッドに渡されたすべての引数をひとつの配列としてまとめて受け取れることはご存じでしょう。
def argument_capturing_method(*args)
args
end
argument_capturing_method(1, 2, 3) # => [1, 2, 3]
実はこれはキーワード引数に対しても機能します。キーワード引数はハッシュに変換され、args 配列の最後の要素として現れます。
argument_capturing_method(1, 2, 3, key: "value") # => [1, 2, 3, {:key=>"value"}]
とはいえ、この方法で受け取ったキーワード引数を args.last[:key] のように読み取るのはあまりスマートとは言えません。代わりに、新しい ** 構文を使えば、キーワード引数だけを独立して受け取ることができます。
def dual_argument_capturing_method(*args, **keyword_args)
{args: args, keyword_args: keyword_args}
end
dual_argument_capturing_method(1, 2, 3, key: "value") # => {:args=>[1, 2, 3], :keyword_args=>{:key=>"value"}}
この構文なら、最初の通常引数には args[0] で、:key キーワード引数には keyword_args[:key] で、それぞれ明確にアクセスできます。
…もちろん、これで再びオプションハッシュに戻ってきてしまったわけですが。
キーワード引数は、コードから大量のパラメータ取り出しボイラープレートを取り除いてくれる優れた機能です。しかも、既存のコードをほとんど変更しなくても、その恩恵を受けられる可能性があります。
ただし、より汎用的なメソッドを書くようになると、キーワード引数を適切に扱うために覚えておくべき新しいテクニックがいくつか登場します。日常的に使う機会は多くないかもしれませんが、いざ必要になったときに、このパワーと柔軟性が必ず役立ってくれるはずです。
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