Rubyの正規表現(Regex)を徹底解説!基礎から実践テクニックまで
Rubyの正規表現(ruby regex)は、文字列の中から特定のパターンを見つけ出し、データを抽出してさらに処理を行うための強力なツールです。
正規表現の代表的なユースケースとしては、大きく分けて「バリデーション(検証)」と「パース(解析)」の2つがあります。
たとえば、メールアドレスを考えてみましょう。Rubyの正規表現を使えば、「有効なメールアドレスとはどのような形式か」を定義できます。つまり、プログラムが有効なメールアドレスと無効なものを自動的に判別できるようになるのです。

Rubyでは、正規表現を2つのスラッシュ(/)で囲んで定義します。これにより、他の構文と区別されます。最もシンプルな正規表現は、単語や1文字だけにマッチするものです。
例:
# 'like' という単語を探す "Do you like cats?" =~ /like/
このコードは、マッチが成功した場合にその最初の出現位置(インデックス)を返し、見つからなければ nil を返します。位置情報が不要で「含まれているかどうか」だけを知りたい場合は、String#include? メソッドを使うとよいでしょう。
文字列が正規表現にマッチするかを確認するもう一つの方法が、match メソッドです。
if "Do you like cats?".match(/like/) puts "Match found!" end
ここから先では、より高度なパターンの作り方を学びます。日付、電話番号、メールアドレス、URLなどをマッチ・キャプチャ・置換できるようになりましょう。
文字クラス(Character Classes)
文字クラスを使うと、マッチ対象となる文字の範囲やリストを定義できます。たとえば [aeiou] は、任意の母音1文字にマッチします。
例: 文字列に母音が含まれているかを判定する。
def contains_vowel(str)
str =~ /[aeiou]/
end
contains_vowel("test") # => 1 を返す
contains_vowel("sky") # => nil を返す
なお、この方法では文字の個数までは判定できません。個数の扱い方については後ほど説明します。
範囲(Ranges)
範囲を使うと、複数の文字や数字をいちいち書き並べることなく指定できます。つまり、[2-5] は [2345] と同じ意味になります。
覚えておくと便利な主な範囲は次のとおりです。
- [0-9]:0〜9の任意の数字1文字
- [a-z]:a〜zの任意の小文字アルファベット1文字
- [^a-z]:否定の範囲(a〜z以外の文字)
例: この文字列に数字が含まれているか?
def contains_number(str)
str =~ /[0-9]/
end
contains_number("The year is 2015") # => 12 を返す
contains_number("The cat is black") # => nil を返す
ポイント:
=~の戻り値は「マッチ位置のインデックス」または「nil」のどちらかです。
また、よく使う文字範囲には省略記法が用意されています。
- \w:[0-9a-zA-Z_] と同等(英数字とアンダースコア)
- \d:[0-9] と同等(数字)
- \s:空白文字にマッチ(タブ、半角スペース、改行など)
それぞれ否定形も存在します。
- \W:[0-9a-zA-Z_] 以外の文字
- \D:数字以外の文字
- \S:空白以外の文字
ドット(.)は改行以外のあらゆる1文字にマッチします。ドットそのものにマッチさせたい場合は、エスケープが必要です。
例: 特殊文字のエスケープ
# エスケープしない場合、'a' にもマッチしてしまう "5a5".match(/\d.\d/) # エスケープすれば、リテラルのドットのみにマッチ "5a5".match(/\d\.\d/) # => nil "5.5".match(/\d\.\d/) # => マッチ
量指定子(Modifiers)
ここまでは1文字ずつのマッチしかできませんでした。複数の文字にマッチさせるには、量指定子を使います。
| 量指定子 | 意味 |
|---|---|
| + | 1回以上の繰り返し |
| * | 0回以上の繰り返し |
| ? | 0回または1回 |
| {3,5} | 3回以上5回以下 |
これまで学んだ要素をすべて組み合わせれば、より複雑な正規表現を作れるようになります。
例: IPアドレスっぽい形式かどうかを判定する。
# 注意:999.999.999.999 のような不正なIPもマッチします。
# ここでは形式(フォーマット)だけをチェックしています。
def ip_address?(str)
# !! で戻り値を真偽値に変換
!!(str =~ /^\d{1,3}\.\d{1,3}\.\d{1,3}\.\d{1,3}$/)
end
ip_address?("192.168.1.1") # => true
ip_address?("0000.0000") # => false
文字列の完全一致
厳密な一致を求める場合は、別の種類の指定子が必要になります。次の例を見てください。
# 「ちょうど4文字」かどうかを調べたいのに、
# 4文字以上あるためマッチしてしまう。
"Regex are cool".match /\w{4}/
# 代わりに「行頭」「行末」の指定子を使う
"Regex are cool".match /^\w{4}$/
# 今度はマッチしない。実際には .size で長さを調べれば済む話ですが、
# 挙動の違いをつかむには良い例です。
また、文字列全体の先頭・末尾に厳密にマッチさせたい場合(\n による各行ではなく)、^ と $ の代わりに \A と \Z を使いましょう。
キャプチャグループ
キャプチャグループを使うと、マッチした一部を取り出して後から再利用できます。キャプチャしたい部分を丸括弧 () で囲みます。
例: ログファイルの解析
Line = Struct.new(:time, :type, :msg)
LOG_FORMAT = /(\d{2}:\d{2}) (\w+) (.*)/
def parse_line(line)
line.match(LOG_FORMAT) { |m| Line.new(*m.captures) }
end
parse_line("12:41 INFO User has logged in.")
# 次のようなオブジェクトが生成される
この例では =~ の代わりに .match を使っています。
match メソッドは、マッチがあれば MatchData オブジェクトを、なければ nil を返します。MatchData クラスには便利なメソッドが多数用意されているので、公式ドキュメントを一度目を通しておくとよいでしょう。
単純に真偽値(true / false)だけが欲しい場合は、Ruby 2.4以降で利用可能な match? メソッドを使うのがおすすめです。MatchData オブジェクトを生成しないため、match よりも高速という利点もあります。
キャプチャしたデータには、.captures メソッドでアクセスできます。また、MatchData オブジェクトを配列のように扱うことも可能で、インデックス0にはマッチ全体が入り、それ以降のインデックスには各キャプチャグループが格納されます。
最初のキャプチャグループを取り出したい場合は、次のように書きます。
m = "John 31".match /\w+ (\d+)/ m[1] # => "31"
さらに、キャプチャしないグループ(非キャプチャグループ)も使えます。これは式をまとめるだけで、パフォーマンス上の無駄がありません。また、名前付きグループを使うと、複雑な正規表現を読みやすくできます。
| 構文 | 説明 |
|---|---|
(?:...) |
非キャプチャグループ |
(?<foo>...) |
名前付きグループ |
例: 名前付きグループ
m = "David 30".match /(?<name>\w+) (?<age>\d+)/ m[:age] # => "30" m[:name] # => "David"
名前付きグループを含むマッチでも MatchData オブジェクトが返され、名前をキーとして結果を読み取れます。
先読み・後読み(Look Ahead & Look Behind)
これはやや高度なテクニックで、正規表現エンジンによってはサポートされていないこともあります。幸い、Rubyの正規表現エンジンはこれに対応しているので、活用方法を見ていきましょう。
先読み・後読みを使うと、特定のパターンが直前または直後に存在するかを「覗き見」できます。
| 構文 | 説明 |
|---|---|
| (?=pat) | 肯定の先読み(patが直後にある) |
| (?<=pat) | 肯定の後読み(patが直前にある) |
| (?!pat) | 否定の先読み(patが直後にない) |
| (?<!pat) | 否定の後読み(patが直前にない) |
例: 少なくとも1文字の英字の直後に数字があるか?
def number_after_word?(str)
!!(str =~ /(?<=\w) (\d+)/)
end
number_after_word?("Grade 99")
RubyのRegexpクラス
Rubyの正規表現は、すべて Regexp クラスのインスタンスです。通常このクラスを直接操作することはあまりありませんが、知っておいて損はありません。
puts /a/.class # => Regexp
一つの活用法として、文字列から正規表現を生成できます。
regexp = Regexp.new("a")
別の生成方法として、%r 記法もあります。
regexp = %r{\w+}
正規表現のオプション
正規表現にオプションを設定すると、その振る舞いを変えられます。
| オプション | 説明 |
|---|---|
| i | 大文字・小文字を区別しない |
| m | ドット(.)が改行にもマッチする |
| x | 空白を無視する(可読性向上のための整形が可能) |
オプションを使うには、正規表現の閉じスラッシュ / の後ろに文字を付け加えます。
例:
"abc".match?(/[A-Z]/i)
長い正規表現を見やすく整形する
複雑なRubyの正規表現は、読むのがかなり大変になりがちです。そこで役立つのが「x」修飾子です。これを使うと、正規表現を複数行に分割して書けます。さらに、正規表現内にコメントを書くことも可能です。
例:
LOG_FORMAT = %r{
(\d{2}:\d{2}) # 時刻
\s(\w+) # イベント種別
\s(.*) # メッセージ
}x
実践編:正規表現を組み合わせて使う
正規表現は、Rubyの多くのメソッドと組み合わせて使えます。
- .split
- .scan
- .gsub
- その他多数…
例: .scan で文字列からすべての単語を取り出す
"this is some string".scan(/\w+/) # => ["this", "is", "some", "string"]
例: 文字列からすべての数字を抽出する
"The year was 1492.".scan(/\d+/) # => ["1492"]
例: 文字列内のすべての単語をキャピタライズ(先頭を大文字化)する
str = "lord of the rings"
str.gsub(/\w+/) { |w| w.capitalize }
# => "Lord Of The Rings"
例: メールアドレスの形式を検証する
email = "test@example.com" !!email.match(/\A[\w.+-]+@\w+\.\w+\z/) # => true
最後の例では !! を使って結果を真偽値(true / false)に変換しています。Ruby 2.4以降なら、同じことを自動的に行ってくれる match? メソッドを使うのもよいでしょう。こちらの方が高速です。
まとめ
正規表現は非常に強力ですが、ときに扱いが難しい場面もあります。そんなときは、rubular.com のようなツールを使うと、対話的にRubyの正規表現を組み立てられて便利です。Rubularには正規表現のチートシートも付属しており、とても役立ちます。
さあ、エディタを開いて、実際にコードを書いてみましょう。この記事が役に立ったら、ぜひ友人にもシェアしてください。より多くの人が学べるはずです。
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