Linux Crontab完全マスターガイド:実務で使えるCronジョブスケジューリング15の実例
経験豊富なLinuxシステム管理者なら、定期的なメンテナンス作業をバックグラウンドで自動実行させることの重要性を誰よりもよく理解しています。
LinuxのCronユーティリティは、特定の日時を指定してルーチン作業を継続的に自動実行するための強力かつ効果的なツールです。
本記事では、初心者から上級者まですぐに活用できる、crontabジョブスケジューリングの15の実践的な事例をわかりやすく解説します。
Linux Crontabの基本書式
MIN HOUR DOM MON DOW CMD
| フィールド | 説明 | 指定可能な値 |
|---|---|---|
| MIN | 分 | 0〜59 |
| HOUR | 時 | 0〜23 |
| DOM | 日(月内の日付) | 1〜31 |
| MON | 月 | 1〜12 |
| DOW | 曜日 | 0〜6(0=日曜日) |
| CMD | コマンド | 実行したい任意のコマンド |
1. 特定の時刻にジョブをスケジュールする
cronの最も基本的な使い方は、指定した時刻にジョブを実行することです。以下の例では、6月10日の午前8時30分にフルバックアップシェルスクリプト(full-backup)を実行します。
30 08 10 06 * /home/ramesh/full-backup
- 30 – 30分
- 08 – 午前8時
- 10 – 10日
- 06 – 6月
- * – 曜日はすべて(毎日)
時刻フィールドは24時間表記を使用します。午前8時なら「8」、午後8時なら「20」と指定してください。
2. 1日に複数回実行する(例:1日2回)
次の例では、毎日11時と16時に増分バックアップシェルスクリプト(incremental-backup)を実行します。カンマ区切りで複数の時刻を指定すると、そのすべての時刻でコマンドが実行されます。
00 11,16 * * * /home/ramesh/bin/incremental-backup
- 00 – 0分(ちょうどの時)
- 11,16 – 午前11時と午後4時
- * – 毎日
- * – 毎月
- * – すべての曜日
3. 特定の時間帯にだけ実行する(例:平日のみ)
特定の時間帯の中で毎時ジョブを実行したい場合は、範囲指定を使います。
勤務時間中に毎日実行するCronジョブ
この例では、土日を含む毎日の勤務時間(午前9時〜午後6時)にデータベースの状態をチェックします。
00 09-18 * * * /home/ramesh/bin/check-db-status
- 00 – 0分(ちょうどの時)
- 09-18 – 午前9時〜午後6時の毎時
- * – 毎日
- * – 毎月
- * – すべての曜日
平日の勤務時間中に実行するCronジョブ
こちらは土日を除く平日のみ、勤務時間(午前9時〜午後6時)にデータベースの状態をチェックする例です。
00 09-18 * * 1-5 /home/ramesh/bin/check-db-status
- 00 – 0分(ちょうどの時)
- 09-18 – 午前9時〜午後6時の毎時
- * – 毎日
- * – 毎月
- 1-5 – 月曜〜金曜(すべての平日)
4. Crontabエントリを確認する方法
現在ログインしているユーザーのCrontabを表示
自分のcrontabエントリを確認するには、以下のように「crontab -l」コマンドを実行します。
ramesh@dev-db$ crontab -l @yearly /home/ramesh/annual-maintenance */10 * * * * /home/ramesh/check-disk-space [注意: 現在ログイン中のユーザーのcrontabが表示されます]
RootユーザーのCrontabを表示
rootユーザーとしてログイン(su - root)し、「crontab -l」を実行します。
root@dev-db# crontab -l no crontab for root
他のLinuxユーザーのCrontabを表示
他のユーザーのcrontabを確認するには、rootとしてログインし、-u {ユーザー名} -lオプションを使用します。
root@dev-db# crontab -u sathiya -l @monthly /home/sathiya/monthly-backup 00 09-18 * * * /home/sathiya/check-db-status
5. Crontabエントリを編集する方法
現在ログインしているユーザーのCrontabを編集
crontabを編集するには「crontab -e」を使用します。デフォルトでは、現在ログイン中のユーザーのcrontabが開かれます。
ramesh@dev-db$ crontab -e @yearly /home/ramesh/centos/bin/annual-maintenance */10 * * * * /home/ramesh/debian/bin/check-disk-space ~ "/tmp/crontab.XXXXyjWkHw" 2L, 83C [注意: crontabファイルがVimエディタで開かれます。cronは一時ファイル/tmp/crontab.XX...を作成します]
一時ファイルを:wqで保存すると、crontabが保存され、正常に更新されたことを示す次のメッセージが表示されます。
~ "crontab.XXXXyjWkHw" 2L, 83C written crontab: installing new crontab
RootユーザーのCrontabを編集
rootユーザーとしてログインし、「crontab -e」を実行します。
root@dev-db# crontab -e
他のLinuxユーザーのCrontabを編集
他のユーザーのcrontabを編集するには、rootとしてログインし、-u {ユーザー名} -eオプションを使用します。
root@dev-db# crontab -u sathiya -e @monthly /home/sathiya/fedora/bin/monthly-backup 00 09-18 * * * /home/sathiya/ubuntu/bin/check-db-status ~ ~ ~ "/tmp/crontab.XXXXyjWkHw" 2L, 83C
6. 毎分ジョブをスケジュールする
実際には毎分ジョブが必要になることはまれですが、この例を理解しておくと、以降の例が格段にわかりやすくなります。
* * * * * CMD
「*」はすべての可能な値を意味します。つまり、一年中毎分実行されるということです。この「*」は、以下のようなケースで特に便利です。
- 分フィールドに「*/5」と指定すると、5分ごとに実行されます。
- 分フィールドに「0-10/2」と指定すると、最初の10分間は2分ごとに実行されます。
- この記法は他の4つのフィールドでも同様に使用できます。
7. 10分ごとにバックグラウンドジョブをスケジュールする
10分ごとにディスク容量をチェックしたい場合は、次のように指定します。
*/10 * * * * /home/ramesh/check-disk-space
これにより、一年中10分ごとにcheck-disk-spaceコマンドが実行されます。ただし、勤務時間中だけ実行したい、あるいは逆に勤務時間外だけ実行したいといった要件が出てくることもあります。そのような場合の指定方法は、前述の例を参考にしてください。
また、5つのフィールドを個別に指定する代わりに、以下のようなキーワードを1つ指定するだけで済む特殊な書き方もあります。「@」に続けてキーワード(reboot、midnight、yearly、hourlyなど)を記述します。
| キーワード | 同等の指定 |
|---|---|
| @yearly | 0 0 1 1 * |
| @daily | 0 0 * * * |
| @hourly | 0 * * * * |
| @reboot | 起動時に実行 |
8. @yearlyで毎年の最初の1分にジョブを実行する
毎年の最初の1分にジョブを実行したい場合は、@yearlyキーワードを使用します。以下の例では、毎年1月1日の00:00にannual-maintenanceシェルスクリプトによるシステム年次メンテナンスが実行されます。
@yearly /home/ramesh/red-hat/bin/annual-maintenance
9. @monthlyで毎月月初にCronジョブを実行する
@yearlyと同様の考え方で、@monthlyキーワードを使うと月に1回コマンドを実行できます。以下の例では、毎月1日の00:00にtape-backupシェルスクリプトが実行されます。
@monthly /home/ramesh/suse/bin/tape-backup
10. @dailyで毎日バックグラウンドジョブを実行する
@dailyキーワードを使用すると、毎日00:00にcleanup-logsシェルスクリプトによるログファイルのクリーンアップが実行されます。
@daily /home/ramesh/arch-linux/bin/cleanup-logs "day started"
11. @rebootで再起動のたびにコマンドを実行する方法
@rebootキーワードを使用すると、マシンが起動するたびに、指定したコマンドが一度だけ実行されます。
@reboot CMD
12. MAILキーワードでCrontabのメール出力を無効化・転送する方法
デフォルトでは、crontabのジョブ出力はジョブを登録したユーザーにメールで送信されます。出力を特定のユーザーに転送したい場合は、crontab内のMAIL変数を追加または更新します。
ramesh@dev-db$ crontab -l MAIL="ramesh" @yearly /home/ramesh/annual-maintenance */10 * * * * /home/ramesh/check-disk-space [注意: MAIL変数を含む現在のユーザーのcrontab]
逆に、どこにもメールを送信したくない場合、つまりcrontabの出力のメール送信を停止したい場合は、次のようにMAIL変数を空にします。
MAIL=""
13. LinuxのCronジョブを毎秒実行することはできる?
結論から言うと、毎秒実行のcronジョブはスケジュールできません。cronで指定できる最小単位は「分」だからです。そもそも通常の運用において、毎秒何らかのジョブを実行する必要があるケースはほとんどありません。
14. CrontabでPATH変数を指定する
ここまでの例では、実行するLinuxコマンドやシェルスクリプトを絶対パスで指定してきました。
たとえば、/home/ramesh/tape-backupと記述する代わりにtape-backupというコマンド名だけで指定したい場合は、次のようにcrontabのPATH変数に/home/rameshを追加します。
ramesh@dev-db$ crontab -l PATH=/bin:/sbin:/usr/bin:/usr/sbin:/home/ramesh @yearly annual-maintenance */10 * * * * check-disk-space [注意: PATH変数を含む現在のユーザーのcrontab]
15. CronファイルからCrontabをインストールする
crontabファイルを直接編集する代わりに、まずすべてのエントリをcronファイルにまとめておくこともできます。エントリをファイルに記述したら、それをcronへアップロード(インストール)します。
ramesh@dev-db$ crontab -l no crontab for ramesh $ cat cron-file.txt @yearly /home/ramesh/annual-maintenance */10 * * * * /home/ramesh/check-disk-space ramesh@dev-db$ crontab cron-file.txt ramesh@dev-db$ crontab -l @yearly /home/ramesh/annual-maintenance */10 * * * * /home/ramesh/check-disk-space
注意: この操作によりcron-file.txtの内容がcrontabにインストールされ、それまでの古いcronエントリは削除されます。cronファイルからエントリをアップロードする際は、十分注意してください。
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