Bashエイリアス入門:aliasコマンドの基本から実践的な活用例まで徹底解説

写真提供: pchow98
ドラマ『エイリアス』のジェニファー・ガーナーのように華麗に活躍することはできなくても、Linuxのaliasコマンドを効果的に使いこなすことは誰にでも可能です。
aliasコマンドとは、簡単に言えば「文字列の置き換え」機能です。ある名前を入力すると、それが事前に登録しておいた別のコマンド(オプション付き)へと自動的に置き換えられて実行されます。
この記事では、bashエイリアスの一時的な設定・解除方法と、永続的な設定方法を解説します。さらに、bashの起動ファイルにそのまま組み込める便利なエイリアスの実例も多数紹介します。
本記事は、継続的に公開しているbashチュートリアルシリーズの一部です。これまでの「bash入門」や「bash終了ステータス」に関する記事も、あわせてご参照ください。
エイリアスの設定方法
エイリアスは、コマンドライン上でも、.bash_profileや.bashrcの中でも、以下の構文で定義できます。
$ alias name='unix command with options'
- alias – シェルの組み込みコマンドです
- name – ユーザーが自由に決められるエイリアス名です
- command – 実行したいUNIXコマンド。オプションを含めて指定できます
つまり、「name」が「command」の別名(エイリアス)になります。「name」をコマンドとして入力するたびに、bashが自動的に対応するコマンドとオプションに置き換えて実行してくれます。
注意点: 等号(=)の前後にスペースを入れてはいけません。また、置き換える文字列が複数の単語で構成される場合は、コマンド全体を引用符('または")で囲む必要があります。
コマンドライン上で直接実行した場合、そのエイリアスは一時的なものになります。つまり、シェルを終了するまでしか有効になりません。一方、bashの起動ファイルにエイリアスを記述しておけば、永続的に使えるようになります。
以下に紹介するエイリアスは実用性が高いものばかりです。~/.bashrcファイルに設定してみてください。
よく使われる定番エイリアス例
以下のエイリアスは、そのままコピー&ペーストしてすぐに使えます。あなたのお気に入りのエイリアスは何ですか?
vimで最終更新ファイルを開く
alias Vim="vim `ls -t | head -1`"
サイズの大きい上位5つのファイルを検索する
alias findbig="find . -type f -exec ls -s {} \; | sort -n -r | head -5"
bashプロセスをgrepで検索する
alias psg="ps -aux ¦ grep bash"
隠しファイルも含めて、識別子・カラー表示付きで一覧表示する
alias ls='ls -aF --color=always'
詳細形式(ロングフォーマット)で一覧表示する
alias ll='ls -l'
履歴と画面をすべてクリアする
alias hcl='history -c; clear'
基本的なコマンドを対話式かつ詳細表示にする
alias cp="cp -iv" # 対話式・詳細表示 alias rm="rm -i" # 対話式 alias mv="mv -iv" # 対話式・詳細表示 alias grep="grep -i" # 大文字小文字を区別しない
頻繁に使うコマンドを短縮する
alias x="exit"
画面をクリアしてファイル一覧を表示する
alias cls='clear;ls'
ディスク使用量を確認する
alias dus='df -h'
ディレクトリ間を素早く移動する
alias ..='cd ..' alias ...='cd ../..'
cdコマンド関連のエイリアスをもっと知りたい方は、関連記事をご参照ください。
環境に合わせて修正が必要なエイリアス例
このセクションで紹介するエイリアスは、実際に使う前にご自身の環境に合わせて修正が必要です。
Firefoxのロックファイルを削除する
alias rm_fire_lock='/bin/rm .mozilla/firefox/NAME.default/.parentlock' # NAMEを編集してください
SSHでリモートマシンにログインする
alias server_name='ssh 192.168.1.1 -l tom' # IPアドレスとユーザー名を変更してください alias ser2='ssh www.dbserver.com -l kgf' # 必要な数だけエイリアスを作成できます
リモートCVSサーバーにログインする
export CVS_RSH=/usr/local/bin/ssh alias cvl='cvs -d :ext:username@cvs.server.com:/usr/local/cvsroot' # 適宜変更してください
CD-ROMをアンマウントする
alias umnt='umount /mnt/cdrom' # CD-ROM / USBメモリなど
設定済みのエイリアスを確認する方法
引数なしでaliasを実行すると、現在のシェルに設定されているエイリアスの一覧を表示できます。
$ alias alias ..='cd ..' alias ...='cd ../..' alias mnt='mount /mnt/cdrom' alias umnt='umount /mnt/cdrom' alias dus='df -h'
特定のエイリアスだけを確認したい場合は、以下のように「alias エイリアス名」の形式で入力します。
$ alias dus alias dus='df -h'
エイリアスを一時的に無効化する方法
エイリアスではなく元のコマンド本体を呼び出したい場合は、バックスラッシュ(\)でエイリアスをエスケープして呼び出します。
$ \aliasname
たとえば、alias cp="cp -iv"と設定している場合、ファイルを上書きしようとすると毎回確認を求められます。大量のファイルをコピーする際、すでに上書きされることが分かっているなら、この確認はむしろ煩わしく感じるでしょう。そんなときは、一時的に通常のcpコマンドを使いたくなりますよね。
そこで、エイリアスcpが存在していても、以下のようにエスケープすれば本来のcpコマンドを使用できます。
\cp * /backup/files/
特定のエイリアスを削除する方法
unaliasは、エイリアスを削除するためのシェル組み込みコマンドです。特定のエイリアスを削除するには次のようにします。
$ unalias hcl $ hcl -bash: hcl: command not found
すべてのエイリアスを一括削除する方法
unaliasに-aオプションを付けると、設定されているすべてのエイリアスを削除できます。
$ unalias -a $ alias
注意:シェル関数の方が高速
重要なポイント: シェル関数の方が処理速度が速いという特徴があります。シェルは関数を先に検索し、その後でエイリアスを参照するため、エイリアスの解決は相対的に遅くなります。エイリアスの方が理解しやすい反面、ほぼすべての用途において、シェル関数の方がエイリアスよりも推奨されています。標準コマンドをエイリアスや関数で置き換える場合は、十分に注意してください。
この記事で紹介したエイリアスは、サンプルのbashエイリアスファイルとしてまとめています。コピー&ペーストして、あなたのbash起動ファイルにそのまま活用できます。
エイリアスは非常に便利な機能ですが、次回のbash記事で紹介する「bash関数」は、少なくとも同じくらい興味深く、さらに実用的なものです。ぜひお楽しみに。
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