C言語の入れ子関数(ネストした関数)とは?標準Cでの制限とGCC拡張による実現方法
一部のアプリケーションのソースコードでは、ある関数の中に別の関数が宣言されている例を見かけることがあります。これは「入れ子関数(ネストした関数)」と呼ばれることもありますが、厳密には入れ子関数ではありません。この構造は「レキシカルスコープ(字句スコープ)」と呼ばれます。C言語ではレキシカルスコープは有効ではありません。その理由は、コンパイラが内側の関数の正しいメモリ位置を特定できないためです。
また、入れ子になった関数定義は、外側のブロック内のローカル変数にアクセスすることができず、アクセスできるのはグローバル変数のみです。C言語には「ローカルスコープ」と「グローバルスコープ」という2つのスコープしか存在しないため、入れ子関数の用途は非常に限られます。実際、以下のようなコードを書くと、コンパイル時にエラーが発生します。
エラーになる例
#include <stdio.h>
main(void) {
printf("Main Function");
int my_fun() {
printf("my_fun function");
// 最初の関数の中でさらに別の関数を定義
int my_fun2() {
printf("my_fun2 is inner function");
}
}
my_fun2();
}出力結果
text.c:(.text+0x1a): undefined reference to `my_fun2'
このように、標準のC言語では関数内に関数を定義することはできず、「未定義の参照」というリンクエラーが発生します。
GCC拡張機能による入れ子関数の実現
しかし、GNU Cコンパイラ(GCC)の拡張機能を利用すると、入れ子関数の宣言が可能になります。その場合、入れ子関数の宣言の前に auto キーワードを付加する必要があります。以下に具体的なコード例を示します。
動作する例
#include <stdio.h>
main(void) {
auto int my_fun();
my_fun();
printf("Main Function\n");
int my_fun() {
printf("my_fun function\n");
}
printf("Done");
}出力結果
my_fun function Main Function Done
このように、autoキーワードを用いて関数を事前に宣言しておくことで、GCC環境では関数内関数を定義し、呼び出すことができます。ただしこれはGCC固有の拡張機能であるため、可搬性(ポータビリティ)を重視するプログラムでは使用しないよう注意が必要です。
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