C言語の事前定義識別子__func__とは?使い方とサンプルコードを解説
識別子とは
識別子(identifier)とは、プログラム内の変数や関数などの実体を識別するために付ける名前のことです。
通常、識別子はプログラマが作業効率を高めるために自分で定義しますが、言語にあらかじめ組み込まれている「事前定義識別子」も存在します。C++のcoutやcinなどがその代表例です。
本記事では、C言語に用意されている事前定義識別子の一つである__func__について詳しく解説します。
__func__の正式な定義
C規格における__func__の正式な定義は次の通りです。
「翻訳処理系は、各関数定義の開き波括弧の直後に、あたかも次の宣言が存在するかのように、識別子__func__を暗黙的に宣言しなければならない。」
static const char __func__[] = "function-name";
ここでfunction-nameには、その宣言を字句的に囲んでいる関数の名前が入ります。
つまり__func__はコンパイラが自動的に生成する識別子であり、関数名を文字列として取得することで、現在実行中の関数を簡単に識別できます。
基本的な使い方
それでは、実際のコード例を見ながら概念をより深く理解していきましょう。
例1:複数の関数での使用
#include <stdio.h>
void function1(void){
printf("%s\n", __func__);
}
void function2(void){
printf("%s\n", __func__);
function1();
}
int main(){
function2();
return 0;
}出力
function2 function1
解説:この例では、__func__を使って呼び出された関数の名前を出力しています。__func__は、それが記述されている関数自身の名前を返すため、function2とfunction1のprintf文はそれぞれ自分の関数名を参照して表示します。
例2:main関数でも動作する
__func__はmain関数の中でも同様に機能します。
#include <stdio.h>
int main(){
printf("%s\n", __func__);
return 0;
}出力
main
__func__は上書きできない
__func__は関数名専用として予約されている識別子のため、他の用途で上書きすることはできません。別の値を格納しようとするとコンパイルエラーになります。
例3:上書きを試みた場合
#include <stdio.h>
int __func__ = 123;
int main(){
printf("%s\n", __func__);
return 0;
}出力
error
類似の事前定義識別子
C言語には、__func__と同様にデバッグなどで役立つ他の事前定義識別子も用意されています。
- __FILE__:現在のソースファイル名を返します。
- __LINE__:現在の行番号を返します。
例4:__func__・__FILE__・__LINE__の併用
#include <stdio.h>
void function1(){
printf("The function: %s is in line: %d of the file :%s\n", __func__, __LINE__, __FILE__);
}
int main(){
function1();
return 0;
}出力
The function: function1 is in line: 3 of the file :main.c
解説:これらの識別子を組み合わせることで、現在実行中の関数名、コードの行番号、ファイル名といった情報を一度に取得できます。ログ出力やデバッグ作業において非常に便利な機能なので、ぜひ活用してみてください。
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