クリス・バージェスが語る、WordPress開発でキャリアを築く方法
MalCareはこのほど、オーストラリア・メルボルンを拠点に活躍するWebテクノロジーコンサルタントであり、現地WordPressコミュニティのリーダー的存在でもあるクリス・バージェス氏にインタビューを行う機会に恵まれました。WordPress業界での豊富な経験談について、早速お話を伺いましょう。
1. WordPressとの出会いと、現在に至るまでの歩み
まずは、WordPressとの出会いと、そこから現在のキャリアに至るまでの道のりについて教えていただけますか。
2004年、地元のWeb開発者数名とともに「Melbourne PHP User Group」を立ち上げました。定期的に集まって、互いに知識を共有し学び合う場でした。当時、コンテンツ管理システム(CMS)は人気の話題でした。私は基本的なPHPを使って個人サイトをいくつか構築していましたが、WordPress、Drupal、Mambo(後のJoomla)といったツールも使い始めました。どれも扱いやすく気に入っていましたが、次第にWordPressへと傾いていきました。WordPressが好きだと言いつつも、これらのオープンソースプロジェクトには共通点が多いことも常に指摘しています。違いよりも共通点の方がずっと多いのです。
WordPressは進化を続け、私の多くのサイトにとって最適なプラットフォームであり続けました。現在は「Clickify」というデジタルマーケティング・開発エージェンシーの運営に関わり、Webプロジェクトの大半でWordPressを採用しています。最大の理由は、クライアントにとって最も柔軟性があり、拡張性が高く、使いやすいプラットフォームだと感じているからです。さらに、世界のWebサイトの3分の1以上を支える、最も広くサポートされているオープンソースCMSであるという点も見逃せません。
2. IT業界からWordPressへの転身
約8年間IT業界で働いた後、2014年にWordPressへ本格的に舵を切りました。具体的に何がその決断を後押ししたのでしょうか。
当時の業務では、ネットワークやサーバーの管理に加え、WebアプリケーションやWebサイトの保守も担当していました。ビジネスにおけるWebテクノロジー(そしてクラウド/SaaSへの移行)の可能性を目の当たりにし、WordPressはブログにとどまらない強力なパブリッシングプラットフォームとして活躍の場があると確信していました。また、DevOpsムーブメントが本格化していた時期でもあり、異なる技術分野間のサイロや壁を取り払うことの重要性を実感していました。余暇に運営していた個人サイトもいくつかあり、WordPressが最も理にかなった選択肢でした。
転機となったのは、自分が構築したWebサイトを同僚たちが実際に使っているのを見た瞬間でした。Webにあまり慣れていない人たちでも、簡単なレッスンを数回受けるだけでコンテンツの公開や管理ができるようになったのです。Web開発者だけでなく、一般ユーザーにも力を与えられることに魅力を感じました。「パブリッシングの民主化」というWordPressのミッションには、心から共感しました。
さらに、コミュニティが成長し勢いを増していく様子を目にし、この分野で行われている活動に大きな刺激を受けたことも忘れられません。
3. キャリア転換期の障害と乗り越え方
ネットワークやサーバーのIT業務からWeb開発への転身は、ご自身にとってどのようなものでしたか。初期の頃の最大の障害と、それをどう乗り越えたか教えてください。
幸い、Web開発は元々業務の一部だったので、完全な未経験からのスタートではありませんでした。ただ、一部の環境では今なお根強い偏見があるため、上司にWordPress(およびオープンソース)の価値を証明する必要がありました。そのために、勤務時間外に個人的なプロジェクトに取り組んで実績となるサンプルを蓄えることと、数多くのミートアップやカンファレンス、イベントに参加することを心がけました。今でもさまざまなテーマのイベントに頻繁に足を運んでいます。最新情報をキャッチアップできるだけでなく、コンフォートゾーンの外へ踏み出すきっかけにもなるからです。業界の皆さんご存じの通り、技術は非常に速いスピードで変化するため、継続的なスキルアップと適応が不可欠です。自分を「ネットワーカー」とは呼びませんが、新しい人と出会えるのは素晴らしい副次的効果ですね。
4. 学び続け、人を支える原動力
Webサイトで、「学び続けながら、他の人がテクノロジーを最大限に活用できるよう支援することが目標」とおっしゃっています。この方向性を貫く原動力は何でしょうか。
少しお決まりの表現かもしれませんが、人を助けることが仕事の中で最も楽しみにしている部分です。相手はクライアントかもしれないし、同僚、あるいはミートアップに来た初心者かもしれません。多くの人は最新のスキル習得に注力し、テクノロジーを使えることを当然のように思っています。しかし、人を助けるのにそれほどの手間は必要ありません。可能な限りコミュニティに還元することは大切です。ミートアップで初めて来られた方を歓迎するだけでも、簡単な問題につまずいた初心者を手助けするだけでもいいのです。私は幸運にも、これまでの職業人生で多くの才能ある人たちから学ぶ機会に恵まれてきました。だからこそ、できる範囲で他の人を助け、その恩を繋いでいきたいと思っています。
5. SitePointでの編集者経験
数年間、SitePointでWordPress編集者として携わっていました。Webプロフェッショナル最大級のオンラインコミュニティの一員だった頃は、どのような経験でしたか。
SitePointの本社はメルボルンにあるので、地元のイベントを通じてチームの何人かとは面識がありました。WordPressチャンネルを担当してくれる人材を探していると聞き、私にとって楽しそうで興味深い挑戦になると考えました。WordPressコミュニティの内外を問わず、それ以外の出会いがなかったであろう多くの人々と知り合えたことは貴重な経験でした。WordPressに没頭したことで、WordPressエコシステムの裏側まで深く理解できるようになったのも大きな収穫です。
6. スキルを常に最新に保つ方法
MicrosoftやGoDaddyなど多くの企業向けに、WordPress、サイトパフォーマンス、セキュリティ強化、SEOなど幅広いテーマで執筆されています。また、メルボルンのWordPressミートアップグループをはじめ、多くの技術系イベントにも積極的に参加しています。教える側であり学ぶ側でもあるあなたが、スキルを常に最新かつ実用的な状態に保つために実践している方法とは?
興味を持つ技術トピックが非常に広いため、ノイズを減らすべく、フォローする情報源はかなり厳選しています。毎日の一定の時間を読書(記事、書籍、ニュースレターなど)に充てることを習慣にして、最新情報のキャッチアップに努めています。YouTubeやWordPress.tvでカンファレンスの録画を視聴することもよくありますし、もちろんミートアップやイベントへの参加も情報収集に役立っています。
7. デジタルエージェンシー「Clickify」の共同創業
2012年にマーケティング、SEO、SEM、Web開発サービスを提供するデジタルエージェンシー「Clickify」を共同創業されました。20年以上IT業界で培った経験は、会社の経営にどう活きていますか。オンラインマーケティングの知識は成長にどれほど貢献しましたか。
2012年にエージェンシーを立ち上げたのは、Webサイト開発とデジタルマーケティングを統合的に提供することで、クライアントがオンラインで見つけてもらいやすくなるという機会があると考えたからです。私たちには独自のスキルセットがあり、それを掛け合わせることでクライアントのビジネス目標達成を支援できると確信していました。優れた成果は、優秀なチームが一丸となって協力するときに生まれます。さらに重要なのは、メンバー全員が自分の仕事を本当に大切に思っていることです。互いに学び合う文化があるので、経営もぐっとやりやすくなっています。業界経験があるのは事業立ち上げにおいて確かに有利ですが、どんな業界でも評判こそがすべてです。結果を出すことに真摯に向き合い、優れたカスタマーサービスを提供してくれる素晴らしいチームと一緒に働けたことが、既存顧客の維持と新規顧客の獲得につながっています。
8. WordPressサイトのセキュリティ対策の現状
情報セキュリティは世界的な関心事となっています。WordPressサイトはハッカーの格好の標的であり、これが多くの方がMalCareにたどり着く理由の一つです。マルウェア除去の支援が必要な方も、予防策としてWordPressセキュリティプラグインを求める方もいます。WordPressに関連するサイバー脅威に、あなたが関わる企業はどう対応していると思いますか。
この分野では教育が明らかに不足しています。残念ながら、セキュリティは一部の企業にとって必ずしも優先事項ではありません。WordPressの人気ゆえに標的になりやすいため、開発者、ユーザー、クライアントに対して、適切なセキュリティ対策の重要性を啓蒙していくべき課題はまだたくさんあります。WordPressサイトを簡単に立ち上げられるのは素晴らしいことですが、リスクを認識し、先回りして対処する責任も伴います。
企業による情報セキュリティへの取り組み方は千差万別で、投資規模もまちまちです。私自身は、クライアントとセキュリティ対策について常に話し合い、リスクと選択肢を理解してもらうように努めています。セキュリティを真剣に扱うことは重要なセールスポイントになり得ますし、今後ますます多くの企業がそれを求めるようになると固く信じています。
9. 新世代のWordPress開発者への3つのアドバイス
最後に、今日WordPress開発コミュニティに参入する新進気鋭の人材に向けて、3つのアドバイスをお願いします。
① コミュニティに飛び込む: ミートアップ、WordPress.org、オープンソースプロジェクトに積極的に参加しましょう。
② 実際にWordPressで作ってみる: 量より質を重視してください。自分のサイトで練習すれば、学びと実験の両方ができます。ポートフォリオ作りにも役立ちます。
③ 変化への適応を厭わない: 物事は常に変わります。新しいテクノロジーの登場で競争条件は頻繁に平準化されます。常に一歩先を行き、適応できることが、差別化と優位性をもたらします。
本日はWordPress業界でのご経験について貴重なお話をありがとうございました。ブログ読者の皆さん、クリス氏とClickifyでの活動について詳しく知りたい方は、Twitterでぜひフォローしてみてください。
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