Oracle WebLogic Server 12cの新機能と主な変更点を徹底解説
本記事では、Oracle® WebLogic Server® バージョン12cにおける主な変更点と新機能について詳しく解説します。
はじめに
WebLogic Serverは、Java® EE 7に準拠したアプリケーションサーバーであり、分散型Javaアプリケーションのデプロイと実行に利用されます。この人気の高いOracle製品は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)、Oracle Business Intelligence Enterprise Edition(OBIEE)、Oracle Access Management/Oracle Identity Management(OAM/OIM)、Oracle E-Business Suite(EBS)12.2、Oracle Enterprise Manager(OEM)13cなど、最新のOracle Fusion製品群の基盤として広く採用されています。
WebLogic Serverの最新バージョンは12.2.1.3です。公式のダウンロードページから入手できます。
WebLogic Server 12cの主な変更点
以下のセクションでは、12cで導入された新機能と変更点を紹介します。具体的には、インストール方式、ディレクトリ構造、動的クラスタ、OPatchユーティリティ、マルチテナンシーなどの変更内容を取り上げます。
インストールメディアの種類
12cではインストール方式が変更されました。WebLogic Serverのインストール方法は、以下の3種類です。
- クイックインストーラ
- 汎用パッケージインストーラ(Jar形式)
- Fusion Middleware Infrastructureインストーラ(マルチテナンシー対応)
ディレクトリ構造とファイルシステム
12cでは、WebLogic Serverのディレクトリ構造が以下のように変更されました。
Home → Oracle → Product → Oracle Home → config → Config → Domain Home → Application Home
主要な各ディレクトリのパスは以下の通りです。
- メインのインストールディレクトリ(Oracle_Home):/Oracle/Middleware/Oracle_Home
- Repository Creation Utility(RCU)スクリプトディレクトリ:/Oracle/Middleware/Oracle_Home/oracle_common/bin
- WebLogicホームディレクトリ(WLS_HOME):/Oracle/Middleware/Oracle_Home/wlserver
- パッチ適用ディレクトリ:/Oracle/Middleware/Oracle_Home/OPatch
以下の画像は、WebLogicのファイル構造を示しています。
動的クラスタ(Dynamic Cluster)
動的クラスタに関する主な変更点は以下の通りです。
- クラスタには1つ以上の動的サーバーを含めることができます。
- アプリケーションの負荷に応じて、サーバーを動的にスケーリングできます。
- サーバーテンプレートを使用して、動的クラスタのサーバー構成を定義できます。
以下の画像は、WebLogic ConsoleでRound Robinタイプのクラスタを作成した例です。
以下の画像は、WebLogic Consoleにおける動的クラスタの稼働状況です。
動的サーバー(Dynamic Server)
動的サーバーに関する主な変更点は以下の通りです。
- サーバーテンプレートからWebLogic Serverインスタンスを作成できます。
- 動的クラスタによって、これらの動的サーバーが自動的に生成されます。
以下の画像は、WebLogic Consoleで動的サーバーを作成する場所を示しています。
マルチテナンシー(Multitenancy)
マルチテナンシーに関する主な変更点は以下の通りです。
- 複数のテナントがマルチテナント共有インフラストラクチャを共有できます。
- 密度とリソース効率を向上させる拡張機能が追加されました。
- ドメイン内でのリソース分離が可能になりました。
JDK 8の認定
WebLogic Server 12c R2は、JDK 8 Update 40以降のバージョンでの動作が認定されています。
JDBCデータソースの種類
バージョン12cでは、以下のJava Database Connectivity(JDBC)データソースが新たに導入されました。
- Universal Connection Poolデータソース
- プロキシデータソース
パッチ適用
バージョン12.1.2以降、WebLogicのパッチ適用には、従来のBEA Smart Update(bsu.sh)ではなく、OPatchユーティリティを使用する必要があります。
WebLogic Server 12.2.1.3.0では、WebLogic Serverインスタンスに適用済みのパッチ一覧を取得できます。weblogic.log.DisplayPatchInfoシステムプロパティ、またはServerRuntimeMBean.PatchList属性を確認することで、適用済みパッチのリストにアクセスできます。
D-PCT(Domain to Partition Conversion Tool)
WebLogic Server 12.2.1.1.0では、Domain to Partition Conversion Tool(D-PCT)が導入されました。このツールにより、既存のアプリケーションやリソースを、非マルチテナントドメインからマルチテナントドメインのパーティションへ移行できます。
Docker認定
WebLogic Server 12.2.1は、Docker®コンテナ内での実行が認定されています。DockerはLinux®ベースのコンテナ技術であり、単一のホストOSや仮想マシン上に、開発環境・本番環境向けの軽量なクラスタ構成/非クラスタ構成のWebLogic Serverドメインを迅速に構築できます。
まとめ
WebLogic Server 12c Release 2は、可用性、管理性、最新の標準規格や技術への対応、クラウド対応、そして移植性に焦点を当てた数々の拡張をもたらしました。
これらの拡張機能と新機能は、最高水準のJava EE(Enterprise Edition)アプリケーションサーバーを次のレベルへと引き上げます。新興の仕様・標準・技術への追加サポートに加え、アプリケーションとリソースをより効率的に分離・管理し、アプリケーションとデータの高い可用性を実現します。さらに嬉しいことに、これらの新機能の恩恵を受けられるのはカスタムJavaアプリケーションだけではありません。Oracle SOA Suite、Oracle Service Bus、Oracle BPM Suite、WebCenter Content and Portal、Forms & Reports、OBIEEなど、多くのOracle Fusion Middleware(FMW)コンポーネントも、この最新リリースのメリットを享受できます。WebLogic Server 12.2.1およびFMWは現在ダウンロード可能ですので、ぜひ実際に試してその利便性を体感してください。
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