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価格高騰でRaspberry PiはもうHome Assistantサーバーの定番ではなくなった理由

スマートホームの自動化を始めたい初心者にとって、長年「最初の1台」としてRaspberry Piが推奨されてきました。完璧ではなかったものの、多くの構成には十分すぎるほどの存在でした。しかし残念ながら、Raspberry Piはもはやかつてのようなお買い得な選択肢ではなくなりつつあります。

Raspberry Piはかつて定番のHome Assistantサーバーだった

初心者にとって最良の選択肢だった

価格高騰でRaspberry PiはもうHome Assistantサーバーの定番ではなくなった理由

少し前まで、Home Assistantのフォーラムで「初めてのHome Assistantサーバーにおすすめのハードウェアは?」と質問すれば、Raspberry Piを挙げる回答が返ってくる可能性が非常に高かったでしょう。公式のHome Assistantインストールガイドでも、今なおDIYオプションのひとつとしてRaspberry Piが紹介されています。

かつてRaspberry PiがHome Assistantサーバーとして理にかなっていた理由はいくつもあります。本体は約40ドル(約6,000円)程度で購入できたため、スマートホーム運用という単一の用途に専念させることへの心理的な抵抗も少なく、消費電力も低いので24時間365日の連続稼働を気にする必要がありませんでした。さらに、困ったときに頼れるコミュニティサポートの充実ぶりも大きな魅力でした。

筆者自身の最初のHome AssistantサーバーもRaspberry Pi 3B+で、数年間ほとんど問題なくスマートホームを動かし続けてくれました。データの書き込みが常時発生することでmicroSDカードが故障するトラブルを抱えるユーザーもいましたが、筆者の環境ではその問題には遭遇せず、後にmicroSDカードから外付けSSDへ移行しました。

Raspberry Pi 5

ブランド: Raspberry Pi
ストレージ: 8GB

上級者向けのモデルではあるものの、Raspberry Pi 5は自作好きにとって夢のような一台です。手頃な価格でカスタマイズ性が高く、搭載スペックも優れているため、次のミニPCの土台として最適です。

Raspberry Piの価格は暴騰した

主因はメモリ価格の高騰

価格高騰でRaspberry PiはもうHome Assistantサーバーの定番ではなくなった理由

残念ながら、Raspberry Piはもはや「簡単におすすめできる」製品ではなくなりました。省電力である点や充実したコミュニティサポートは今も変わりませんが、決定的に変わったのは価格です。Raspberry Piはもはやローコストな選択肢とは呼べなくなっています。

現在の小売価格は、当初の発売価格を大きく上回っています。一般的なHome Assistant環境のベースラインとして妥当な4GBモデルのRaspberry Pi 5は約110ドル(約16,000円)、InfluxDBのような重めのアドオンを快適に動かせる8GBモデルは約175ドル(約26,000円)です。16GBモデルともなると300ドル(約45,000円)を超えることもあり、「低価格シングルボードコンピュータ」としては信じられない水準です。

より少ないRAMのモデルを選ぶことも可能です。2GBモデルは約65ドル(約10,000円)、1GBモデルは約45ドル(約7,000円)ですが、Home Assistant公式のRaspberry Piガイドでは2GBが最低要件とされており、それでもESPHomeなどのアドオンの利用に苦労する可能性があります。

これらの価格がずっと続いたわけではありません。Raspberry Pi 5が2023年に登場した当時、4GBモデルは約60ドル、8GBモデルは約80ドルでした。つまり、価格は実質的に倍になったのです。

背景にはいくつかの要因があります。AIサーバー需要によってメモリ供給の大部分が吸収され、RAMのコストが急騰したため、8GBのRaspberry Pi 1台を製造するコストは以前より格段に上がりました。加えて、Raspberry Pi Holdingsは2024年6月に株式公開を果たし、投資リターンを求める株主に対して説明責任を負う立場となっています。

Raspberry PiでのHome Assistant環境にかかる総コスト

必要なのはPi本体だけではない

価格高騰でRaspberry PiはもうHome Assistantサーバーの定番ではなくなった理由

Home Assistantサーバーを構築する場合、必要なのはRaspberry Pi本体だけではありません。実際には、ケースや電源アダプターに加え、microSDカードに頼らず済むようSSDも導入したいところです。Zigbeeドングルやアクティブ冷却ファンの追加が必要になることもあるでしょう。4GBモデルのRaspberry Piを使っても、総額は簡単に200ドル(約30,000円)を超えてしまいます。

稼働させるだけで200ドル以上の出費が必要なのに、「ローコスト」な選択肢と呼ぶのは正確とは言えません。現実には、同じ価格帯でより高性能な選択肢があり、はるかに安価で同じ役目を果たせる代替手段も存在します。

同じ予算でより良い選択肢がある

コストパフォーマンスで圧倒的に有利

Raspberry PiがHome Assistantサーバーとして優れた選択肢だったのは、安価だったため単一用途に使い切ることに何のためらいもなかったからです。しかし200ドル以上を投じるのであれば、それ以上のことができるデバイスを選びたくなるのが自然です。

より賢明なのはミニPCです。現在、Beelink Mini S12なら一部の販売店で300ドル(約45,000円)未満で入手でき、複数のサービスを同時に運用できます。筆者はミニPC上で仮想化ソフト「Proxmox」を動かし、Home AssistantのほかPi-hole、Jellyfin、Uptime Kuma、n8n、家計管理ソフトなど、多数のサービスを一括で走らせています。

他のサービスを動かす予定がないなら、200ドル(約30,000円)未満で「Home Assistant Green」を購入できます。これはHome Assistant専用に設計されたサーバーで、市販品の中でも最もプラグアンドプレイに近い体験を提供してくれる選択肢です。

さらにお得な選択肢として、Facebook Marketplaceなどのサイトでは、Dell OptiPlexといった中古のスモールフォームファクター(SFF)PCが100ドル(約15,000円)以下で見つかることも珍しくありません。この手の小型ながら高性能なマシンは、Home Assistantと並行して別のサービスを動かす用途にも最適です。

Beelink Mini S12 Pro

Beelink Mini S12 Proは200ドル(約30,000円)未満で多くの機能を詰め込んだ一台です。日常的なタスクに十分なCPU性能に加え、16GBメモリ、4K動画再生に対応したiGPU、512GB SSD、Wi-Fi 6を備え、どこにでも設置できるコンパクトな筐体に収まっています。

もはや手頃な選択肢ではない

Home Assistantサーバー向けハードウェアの王者として君臨してきたRaspberry Piの時代は、残念ながら終わりを迎えつつあります。現在の価格では経済的な合理性が失われており、次の一手としては、別の選択肢を検討するのが賢明です。


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