LinuxでNokia N95のインターネット接続をUSBテザリングでノートPCに接続する方法
出先でノートパソコンを使いたいのに、使えるWi-Fiがどこにもない——こんな経験はありませんか?そんなとき、Nokia N95とUSBデータケーブルがあれば心強い味方になります。この記事では、N95をUSB経由でノートパソコンにテザリングする方法を、手早く済ませられる「コマンドライン方式」と、操作しやすい「GUI方式」の2通りで解説します。検証環境はFedora 9 + GNOMEです。
※本ガイドは2008年に公開されたものです。言及しているソフトウェアには、公開後に変更が加えられている場合がありますのでご注意ください。
警告: この設定を行うのは、十分なデータ通信量のあるプランに加入している場合のみにしてください。3G回線でのデータ通信は、月末に高額な請求書をもらう原因になりかねません!
事前準備:必要なパッケージとデバイス認識の確認
- pppパッケージとwvdialパッケージがインストールされている必要があります。未インストールの場合は、端末(ターミナル)を開き、root権限で次のコマンドを実行してください(お使いのディストリビューションのパッケージマネージャーを使っても構いません)。
yum install ppp wvdial - USBデータケーブルで携帯電話をパソコンに接続します。接続モードの選択を求められたら、PC Suiteを選びます。

- 端末を開いてdmesgの出力を確認します。以下のような表示が出るはずです。
[user@radon ~]$ dmesg
usb 4-2: new full speed USB device using uhci_hcd and address 16
usb 4-2: configuration #1 chosen from 1 choice
cdc_acm 4-2:1.10: ttyACM0: USB ACM device
usb 4-2: New USB device found, idVendor=0421, idProduct=0070
usb 4-2: Product: Nokia N95 8GB
usb 4-2: Manufacturer: Nokia
注目すべきは「cdc_acm 4-2:1.10: ttyACM0: USB ACM device」という行です。これは、携帯電話のモデムが /dev/ttyACM0 として認識されていることを示しています。このデバイス名は後の設定で必要になるので控えておきましょう。
方法その1:コマンドラインで素早く設定する
コマンドライン操作に自信がない方は、下のGUI方式まで読み飛ばしても問題ありません。
wvdial.confの編集
- /etc/wvdial.conf を編集し、以下の内容にします。
Modem = /dev/ttyACM0
Baud = 460800
SetVolume = 0
Dial Command = ATDT
Init1 = ATZ
Init3 = ATM0
FlowControl = CRTSCTS[Dialer USB]
Username = user
Password = pass
Phone = *99***1#
Stupid Mode = 1
Init1 = ATZ
Inherits = Modem0
筆者はカナダのRogers Wirelessを利用しており、上記は筆者の環境で動作した最小限の設定です。驚くことに、UsernameもPasswordも文字どおり「user」「pass」という値で動作しました。ただし、Username・Password・Phoneの各行は、契約しているキャリアによって変更が必要な場合があります。正しい値については、ご利用の携帯キャリアに確認してください。
DNS自動設定用スクリプトの作成
- DNSの自動設定を機能させるために、/etc/ppp/ip-up.local というスクリプトを作成する必要がありました。内容は以下のとおりです。
#!/bin/bash
#PATH=/sbin:/usr/sbin:/bin:/usr/bin
export PATH
echo "# created by pppd" > /etc/resolv.conf
echo "nameserver ${DNS1}" >> /etc/resolv.conf
echo "nameserver ${DNS2}" >> /etc/resolv.conf
chmod go+r /etc/resolv.conf
作成後、忘れずに chmod 755 /etc/ppp/ip-up.local を実行して実行権限を付与しておきましょう。
接続する
- 残念ながらこの設定では一般ユーザーでの接続ができなかったため、rootとして接続します。
[root@radon ~]# wvdial USB
–> WvDial: Internet dialer version 1.60
–> Cannot get information for serial port.
–> Initializing modem.
–> Sending: ATZ
ATZ
OK
–> Sending: ATM0
ATM0
OK
–> Modem initialized.
–> Sending: ATDT*99***1#
–> Waiting for carrier.
ATDT*99***1#
CONNECT
~[7f]}#@!}!} } }2}#}$@#}!}$}%\}&"}&} }*} } g}%~
–> Carrier detected. Starting PPP immediately.
–> Starting pppd at Sun Oct 19 16:48:56 2008
–> Pid of pppd: 8028
–> Using interface ppp0
–> local IP address 172.28.53.106
–> remote IP address 10.6.6.6
–> primary DNS address 207.181.101.4
–> secondary DNS address 207.181.101.5
※表示できない文字を含む行は省略していますが、おおよそ上記のような出力になるはずです。wvdialはフォアグラウンドで動作し続けるため、切断したいときはCtrl-Cを押すだけでOKです。
接続の確認
- 新しい端末ウィンドウを開いて ifconfig を実行すれば、オンラインになっているかどうかを確認できます。ppp0 インターフェースにIPアドレスが割り当てられていれば成功です。さらに ping を打ってみれば、実際に通信できていることが分かります。
- 使い終わったら、wvdialを実行していた端末に戻り、Ctrl-Cを押して切断することを忘れないでください。
^CCaught signal 2: Attempting to exit gracefully…
–> Terminating on signal 15
–> Connect time 4.7 minutes.
–> Disconnecting at Sun Oct 19 18:24:32 2008
方法その2:GNOMEのGUIで設定する
コマンドライン操作が苦手な方のために、GNOMEのGUIだけで完結させる手順をご紹介します。
- システム → 管理 → ネットワーク の順にクリックします。

- rootのパスワード入力を求められるので、パスワードを入力してOKをクリックします。

- インストール済みのネットワークデバイス一覧が表示されるので、ハードウェアタブをクリックします。

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- 新規ボタンをクリックし、モデムを選択してOKをクリックします。

- モデムデバイスを /dev/ttyACM0 に変更します。リストに /dev/ttyACM0 がない場合は、直接入力してください。入力できたらOKをクリックします。

- 次にデバイスタブをクリックします。

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- 新規ボタンをクリックし、モデム接続を選択して進むをクリックします。

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- Rogers Wirelessで接続するために必要だったのは、電話番号に *99***1# 、ログイン名に user 、パスワードに pass を入力することだけでした。ついでに接続名を「USB」としました。進むをクリックします。

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- この画面のオプションはデフォルトのままにしました。進むをクリックします。

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- これで接続の作成は完了です。適用をクリックします。

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- 画面右上のXをクリックしてウィンドウを閉じます。

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- 変更を保存するか尋ねられるので、はいをクリックします。

- OKをクリックします。再起動は必要ありません。

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接続を使ってみよう
- では、作成したばかりの接続を使ってみましょう。システム → 管理 → ネットワークデバイスの制御の順にクリックします。

- 先ほど作成したUSB接続を選択し、起動をクリックします。

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- USB接続の状態が非アクティブからアクティブに変わったことに注目してください。

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- Firefoxを開いてWebサイトにアクセスしてみましょう。無事にページが表示されれば接続成功です。

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- オンライン作業が終わったら、ネットワークデバイスの制御ウィンドウに戻り、アクティブになっているUSB接続を選択して非アクティブ化をクリックします。

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- USB接続が確かに非アクティブになっていることを確認したら、ネットワークデバイスの制御ウィンドウを閉じて完了です。

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「なぜNetworkManagerを使わなかったのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。理由はシンプルで、当時のNetworkManagerのモバイルブロードバンド対応はまだ発展途上で、筆者が試した限りほぼ使い物にならなかったからです。NetworkManagerのモバイルブロードバンド対応が成熟してきたら、このチュートリアルをそれベースで書き直す予定です。
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