iPadの純正Mailアプリに代わる8つの注目代替アプリ
タブレットはメールの閲覧・送信に最適なデバイスです。持ち運びやすさと大画面を兼ね備え、スマートフォンほど入力しづらくなく、対応キーボードも豊富にあります。ただし、iPadの純正Mailアプリがすべての人に合うわけではありません。そこで今回は、乗り換え先として検討したい8つの代替アプリをご紹介します。

Gmail
まずは定番から。GmailはiPad向けアプリが長年提供されており、非常に優れた選択肢です。筆者自身も普段のメールにはこのアプリを使っています。
公式アプリなので、Gmailアカウントの設定はとても簡単。特に2ファクタ認証(二段階認証)を利用している場合、スマートフォンに届いたコードを入力する欄がシームレスに表示されるため、アプリパスワードを別途発行する必要もありません。
サインインすると、見慣れていて使いやすいインターフェースが待っています。メールは画面いっぱいに表示され、左側からは受信トレイのサイドバー(ボタン操作で受信箱の一覧とメニューを切り替え可能)がスワイプで開きます。複数のGmailアカウントにログインし、メニューから瞬時に切り替えることもできます。
難点はGmail専用である点です。他のメールサービスではサインインできません。ただし、Gmailアカウント側で他のアドレスからメールを取り込むよう設定すれば、多少手間はかかるものの実用上は十分対処できます。
Yahoo Mail

Yahoo MailクライアントはGmail版によく似ていますが、対象がYahooになっています。同社独自のサービス向けに調整されており、親サイトであるYahooポータルに共通するインターフェースの特徴を受け継いでいます。
つまり、よりカラフルだということ。ログイン後、最初に行う操作のひとつが、写真や無地のカラーから背景テーマを選ぶことです。Gmailの白・黒・グレー基調やiOS標準Mailの青・黒・白とは異なり、選んだテーマが画面に彩りを添えてくれます。
それ以外の部分はGmailから多くを学んでおり、サイドバーメニューの位置も見た目もよく似ています。動作は少し異なります(たとえばメールが自動で最大化されず、ボタンを押す必要がある)ものの、大枠の使い勝手は近いと言えます。
唯一不満なのは、メニューに他のYahoo系アプリへのリンクが常に表示されること。FlickrやYahoo天気などのリンクは非表示にできません。
Mailbox(提供終了)

Dropboxが開発していたMailboxは、ジェスチャーベースの操作が特徴でした。受信トレイに届いたメールを、左右に一定距離スワイプするだけで削除・後で読む・アーカイブに振り分けられます。大したことないように聞こえるかもしれませんが、実際は革新的で、画面上のボタンをタップするよりも直感的でした。仮想ボタンを誤タップすることは日常茶飯事ですが、うっかりスワイプしてメールをアーカイブしてしまうことはまずありません。
「後で読む」リストもユニークで、スヌーズタイマーを設定できました。タイマーが切れるとメールが再表示されます。緊急ではないけれど返信は必要なメールを、優先度の高いメッセージから一時的に退避させるのに便利な機能でした。
さらにMailboxは「受信トレイをゼロにする」ことに強くこだわっていました。受信箱に残るメッセージをできるだけ少なく保つのが最適だとアプリ自体が謳っており、これは今でも通用する良い整理術です。
弱点は2つありました。まず、GmailかiCloudのメールアドレスでしか使えなかった点(対応サービスの追加が予定されていたものの、他サービスを使いたい人には物足りません)。次に、Gmailアカウントを登録した際、明示的な許可なく新しいラベルが作成された点です。
※Mailboxは現在サービスを終了しています。
EvoMail+

EvoMail+は、Mailbox以上にジェスチャー操作を突き詰めたアプリです。スワイプでのアーカイブ・削除に加えて、左下からのみ呼び出せるスライド式メニューを備え、新規作成や返信といった一部の機能は、左下アイコンの長押しの奥に隠されています。
ジェスチャーの多用ぶりは、チュートリアルを覚えていないと戸惑うほど。筆者もインストール後に公式サイトへ戻り、メニューや返信機能の使い方を復習する必要がありました。とはいえ、ジェスチャーに頼るからこそ、シンプルで読みやすいフォントによる非常にすっきりしたインターフェースを実現しています。ミニマル志向のユーザーなら、お気に入りの一本になるかもしれません。
対応範囲も広く、Gmail、iCloud、Yahooのほか、IMAPベースのメールサーバーであれば大抵利用できます。アプリは完全無料で、広告も表示されません。
myMail

人気の高いこのメールアプリは、幅広い互換性を最大の売りにしています。Gmail、Yahoo、Hotmail、Outlook、AOLのユーザーはアカウントを直接接続でき、IMAPとPOP3の受信トレイにも対応しています。
インストールして設定を済ませると、地味ながら実用的なメールアプリであることが分かります。インターフェースはGmailに似ていますが、よりカラフル。各メールは色付きの丸で識別され、中には差出人の画像(設定されている場合)か名前の頭文字が表示されます。控えめな山の背景が落ち着いた雰囲気を演出し、未読のある受信箱には見逃しようのない鮮やかな赤のハイライトが付きます。
オーソドックスなレイアウトなので誰でも理解しやすいのですが、1つだけ問題に遭遇しました。パフォーマンスです。筆者のiPad(第4世代)で受信箱を素早くスクロールすると、カクつきが発生したのはこのアプリだけでした。原因は推測の域を出ませんが、各メール横のカラフルなアイコンの描画が足を引っ張っているのかもしれません。とはいえ発生はまれで、無料アプリであることを考えれば許容範囲でしょう。
CloudMagic

ここまでのアプリの選択肢の少なさに失望した読者へ、安心してください。まだ選択肢はあります。そのひとつがCloudMagicです。Google Apps、Office 365、Exchange、Yahoo Mail、Hotmail、Outlook、Gmail、iCloudなど、その他のIMAPサービスにも幅広く対応しています。
互換性以外の隠れた魅力は「カード」機能です。これはEvernote、Trello、Zendeskなど人気クラウド生産性サービス向けのアドオンで、カードを導入すると各サービスとの連携が可能になります。たとえば、記事をそのままEvernoteに保存する、といったことができるのです。
ただし、その他の面ではCloudMagicはGmailの兄弟分と言えます。外観、操作性、機能のほぼすべてが共通しており、左からスワイプして開くサイドバーメニューに至るまで同じ設計思想です。
Cannonball

Cannonballも対応範囲が非常に広いアプリです。Gmail、Yahoo、Outlook、Hotmail、AOL、Exchange、IMAPアカウントを接続でき、欠けているのはPOP3サポートだけです。
しかし本命は互換性ではなく、横向きで使うと受信トレイを自動的に「メール」と「購読」フォルダへ振り分ける機能です。これにより、ニュースレターやキャンペーン告知、通知といった繰り返し届く項目が、個人宛のメールから自動的に分離されます。筆者は何の設定もせずにこの機能が使えました。一部の定期メールは見逃されましたが、大多数は購読フォルダへ正しく分類されていました。
他のフォルダも同じように作成・閲覧できます。たとえば筆者のようなゲーマーなら、セール情報、ゲームニュース、支援中のクラウドファンディングの進捗に関するメールをまとめた専用フォルダを作ることも可能です。
アプリの残りの部分は非常にシンプルです。ほぼモノクロに見えるほど淡い青を基調とした配色で、各メールに自動生成されるアイコンこそありますが、myMailのように色分けやアイコン表示はされません。それでもCannonballは無料アプリであり、ニュースレターを多数購読しているなら、間違いなく一度試す価値があります。
Maildeck(提供終了)

ここまで挙げたアプリの多くは、標準Mailアプリに着想を得た似通ったデザインに収束しています。Maildeckはまったく別物でした。既成概念を打ち破り、大胆かつユニークなインターフェースでメールアプリに挑んだのです。
すべてのフォルダをサイドバーメニューに詰め込む代わりに、Maildeckはそれらを上部にタブとして並べました。考えてみれば理にかなった発想です。フォルダの切り替えが格段に楽になる一方、設定変更の際は左からスワイプするメニューが用意されていました。
メールの表示方法も独特です。デフォルトは「Decks」ビューで、メッセージがはがきのようなタイル状にプレビュー付きで並びます。「List」ビューと「Preview」ビューも選択可能です。特に後者が興味深く、短いメールなら全文を表示でき、左右のスワイプだけで次のメールへ移動できます。
さらにMaildeckには、受信トレイとは完全に独立した高機能なタスク(Tasks)パネルと連絡先(Contacts)パネルも搭載されていました。筆者自身は活用していませんが、几帳面に管理したい人にとっては大きな武器になったでしょう。接続性も広く、すべてのIMAPサービスとExchangeアカウントに対応していました。
弱点もありました。無料版は広告表示があり、カスタム署名やExchangeサポートなど一部機能がロックされています。これらの解放にはサブスクリプションが必要ですが、幸い年額4.99ドルと手頃でした。また、リストの中で唯一Googleの2ファクタ認証に非対応(代わりにアプリパスワードを使用)という点も注意が必要です。
※Maildeckも現在は提供を終了しています。
まとめ
これらの選択肢を探るのは楽しい経験でした。前述の通り、筆者は普段公式Gmailアプリを使っていますが、Maildeckには心が揺れました。メールを表示する力強いフォントは読みやすく、さまざまなフォルダやラベルへ素早くアクセスできる点も気に入っています。
一方で、このリストは「使えるメールクライアントの選択肢は思ったより少ない」という現実も突きつけています。ここで紹介していない有力候補はごくわずかで、その大半は有料アプリです。明確な優勝者となるアプリも存在しません。多くのアプリには、一部のユーザーを遠ざけてしまう何らかの欠点があるのです。
あなたのお気に入りのiPadメールアプリは何ですか? ここで挙げた選択肢は気に入りましたか、それとも別のアプリが気になりますか? ぜひコメントでお知らせください。
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