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画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

画像を拡大すると粗くなるものと、いくら拡大しても滑らかなままのものがあるのはなぜでしょうか?写真によって画像ファイル形式が異なるのはなぜでしょう?そもそもなぜ複数の形式が必要なのでしょうか?

物事の「なぜ」を追求するのがお好きな方に、この記事はうってつけです。読み終える頃には、定番から最新まで人気の画像形式についてしっかりとした知識が身についているはず。どの場面でどの形式を使えばよいのか、なぜその形式が生まれたのか、それぞれの長所と短所など、重要なポイントをすべて解説します。それでは、基本の「ABC」から始めましょう。

ファイル形式によって画像の見え方が変わる仕組み

異なるファイル形式で保存された画像は、プレビューでは似て見えますが、実際はそうではありません。目では判別できない微妙な違いがあり、その画像ファイルを何に使う予定かによって、大きな差となって現れるのです。

各形式には固有の目的があり、用途によって他よりも優れた性能を発揮します。つまり、すべての画像形式は何らかの目的を果たすために設計され、磨き上げられたものなのです。ディテールを保存するために設計された形式もあれば、貴重なディスク容量を節約し、ファイルサイズを最大限に圧縮するよう最適化された形式もあります。写真の保存に適した形式もあれば、ベクターグラフィックスの保存に適した形式もあります。

画像形式の概要がわかったところで、次は詳しく見ていきましょう。

私たちが日常的に目にする画像ファイルは、大きく「ラスター」と「ベクター」の2種類に分類できます。

ラスターとベクターの違い

ラスター画像とベクター画像の大きな違いの一つは、画像のリサイズ方法に関わっています。

ラスター画像はピクセル(画素)の集合体で構成されています。ピクセルとは色情報を持つ点のことです。つまり、画像を拡大するとピクセルが引き伸ばされ、画質が劣化します。ラスター画像は解像度依存型であり、固定サイズを持ちます。主に写真、デジタルアート、グラフィックスに使用されます。作成・デザイン・編集・エフェクト追加が容易なため、ラスター画像の制作にはAdobe Photoshopが広く使われています。

ベクター画像は、数式で定義された幾何学的図形で構成されています。ラスター画像と異なり、解像度非依存型であるため、拡大しても画質が劣化しません。ロゴ、アイコン、デジタルイラストなどに使用され、作成にはAdobe Illustratorが使われます。

画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

ラスターとベクターの比較表

ラスター(ビットマップ) ベクター
ピクセルベース。 数学的計算によって図形を形成。
写真の編集や、柔らかな色のにじみを持つ連続階調画像の作成に最適。 ロゴ、図面、イラスト、建築・技術図面の作成に最適。物理製品に使用する画像にも向く。
画像は固定サイズ。 画質を損なわずにリサイズ可能。
寸法やディテールが大きいほどファイルサイズも大きくなる。 寸法が大きくてもファイルサイズは小さい。
限定された特色(スポットカラー)での印刷は難しい。 解像度非依存のため、任意のサイズ/解像度で印刷可能。
すべての工程との互換性があるわけではない。 ほぼすべての工程と互換性があり、互換性のない少数のベクターアートも簡単にラスター化できる。
複雑な画像をベクター画像へ変換するには時間がかかる。 ラスターへの変換は簡単。色数は要件や印刷予算に応じて増減可能。
主な画像形式:JPEG、GIF、PNG、TIF、BMP、PSD、EPS、PDF 主なベクターグラフィック形式:AI、CDR、SVG、EPS、PDF
主な作成・編集ツール:Adobe Photoshop、ペイント、GIMP 主なベクター描画ソフト:Adobe Illustrator、CorelDRAW、Inkscape(無料)
ベクターは、色のにじみを含む連続階調画像や写真編集には不向き。

関連記事:画面表示用(PPI)と印刷用(DPI)の違いを知ろう

印刷に適したラスター画像のサイズとは

画像のサイズと品質は、次の2つの要素で決まります。

  1. 画像のピクセル寸法
  2. ピクセル解像度:ppi(1インチあたりのピクセル数)。特定のプリンターが要求する1インチあたりのピクセル数を意味します。ピクセル数が多いほど解像度は高くなります。

プリンターごとに必要な解像度が異なるため、用途に応じて適切な解像度を維持する必要があります。

画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

平均的な解像度の目安

  • 紙への印刷:最低300ppi
  • Tシャツなどの布地への印刷:最低240ppi
  • 大型印刷(看板・ビルボード):視認距離によって異なり、20ppi程度から200ppi以上まで幅があります

ラスター画像のピクセル寸法と解像度は拡大できる?

前述のとおり、ラスター画像は1インチあたり一定量のピクセルを持ちます。たとえば200ppiの画像なら、1インチあたり200ピクセルです。高解像度の画像が必要な場合は、印刷するサイズと同じかそれ以上のサイズで作成またはスキャンする必要があります。たとえば、200ppiが必要で幅3インチの画像を印刷したい場合、最低600ピクセル(3インチ×200ppi)で作成またはスキャンしましょう。

こうすることで画質の低下を防げます。各画像は特定の寸法で作成されており、サイズを無理に拡大すると画質が劣化するためです。ただし、画像編集ソフトは編集時に自動的にピクセルを追加することで、この問題をある程度解決してくれます。とはいえ、低解像度の画像は画質が簡単に失われるため、引き伸ばすのは避けたほうが賢明です。

画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

印刷用ラスター画像のサイズ計算方法

印刷に適したサイズを決めるには、必要な解像度(ppi)に印刷面積を掛けます。

例:プリンターが200ppiを必要とし、印刷する画像の幅が8インチの場合、200ピクセル×8インチ=1600。つまり、画像は少なくとも幅1600ピクセル必要です。

高品質印刷に最適な寸法の計算方法

これを求めるには、画像のピクセル寸法をプリンターが必要とする解像度で割ります。

例:画像の幅が1200ピクセルで、プリンターが200ppiを必要とする場合、1200÷200=6。つまり、幅6インチのサイズで印刷できます。

基本的なファイル形式について理解できたところで、次になぜさらに細かく分類されるのか、そして何がそれぞれの形式を特徴づけているのかを見ていきましょう。

カラーモデル:CMYKとRGB

ラスター画像は、CMYKとRGBという2つの主要なカラーモデルで保存できます。

画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

CMYKは、画像を印刷する際に使用される4色の組み合わせです。Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key(ブラック)の頭文字を取ったものです。この形式で保存されたファイルは、物理的な印刷に使用されます。

RGBは、光の3原色を組み合わせてさまざまな色を作り出します。Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)の頭文字です。RGBで保存されたファイルは、Web、スマートフォン、映像などのデジタルメディアで一般的に使用されます。

画像圧縮とは?なぜ必要なのか

画像圧縮とは、より多くのデータを保存し、貴重なディスク容量を節約するためにファイルサイズを小さくすることです。画質を極力損なわずに、バイト単位のファイルサイズを最小限に抑えることが求められます。

ラスター画像ファイルは、画像の用途に応じて2種類の圧縮方式を使い分けます。

  • 可逆圧縮(Lossless)形式:名前のとおり、元の画像データをそのまま保存するため、圧縮後でも画像を元の状態に完全に復元できます。このカテゴリに属する主な形式:GIF、PNG、TIFF、SVG
  • 非可逆圧縮(Lossy)形式:画像をほぼ元の見た目のまま圧縮しますが、品質は多少低下します。画像で使用される色数を減らしたり、画像解析の結果不要と判断されたデータを削除したりすることがあります。このカテゴリに属する主な形式:JPEG、TIFF(圧縮指定も可能)

まとめると、非可逆圧縮ファイルはサイズが小さいため、画像サイズやダウンロード速度が重要になる場面で活躍します。また、ラスターとベクターのどちらの形式を選ぶかは、画像の用途によって決まります。画像はさまざまな目的で使われるため、単一の形式ですべてをまかなうことはできません。印刷したい場合もあれば、容量の節約やオンライン表示が重視される場合もあるでしょう。こうした多様なニーズこそが、画像形式を分類しているのです。

ここまでで、画像を拡大したときに見え方が変わる理由は理解できたはずです。しかし、「なぜ拡張子が複数存在するのか」「どこでどれを使えばよいのか」といった疑問はまだ残っていますね。これらについては次回のパートでお答えします。それまでの間、下の比較チャートをご覧ください。さまざまな拡張子について詳しく知ることができます。

画像ファイル形式の謎を解明!ラスターとベクターの違い、画質と圧縮の仕組み

次回のパートでは、さまざまな画像ファイル拡張子について、より詳しく実践的な情報をお届けします。お楽しみに!

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