Firefoxをより安全に使うための完全ガイド|基本設定とおすすめアドオンを徹底解説
初期状態のMozilla Firefoxは、他の主要ブラウザと比べてもプライバシー保護機能が充実したオープンソースのブラウザです。デフォルト設定の一部だけでも悪意あるサイバー攻撃への強力な防壁となりますが、その安全性の多くは各種設定によるものです。そして、どんなソフトウェアでも同じように、設定を見直して調整することで機能をさらに高められます。
Firefoxの使い勝手を左右するアドオンは数多く存在します。アドオンについては記事の後半で詳しく紹介しますが、まずは基本として、誰でも今すぐ実践できるFirefoxのセキュリティ強化策から見ていきましょう。
1. マスターパスワード(プライマリーパスワード)を設定する
最近のブラウザでサイトにログインすると、「ユーザー名とパスワードを保存しますか?」という表示が出ます。多くの人が当たり前のように使っている便利な機能ですが、実は大きなセキュリティ上の弱点にもなります。あなたのパソコンを使える人なら、そのサイトにアクセスするだけで、あなたのアカウントにログインできてしまうからです。
Firefoxには、この問題を解決する「マスターパスワード」機能があります(最新版では「プライマリーパスワード」と呼ばれます)。有効にすると、保存された情報を使用する前に必ずマスターパスワードの入力が求められます。さらに、設定メニューから保存済みパスワードを確認する際にも、再度入力が必要になります。
マスターパスワード自体も強固なものにしましょう。パソコン内に保存せず、紙に書いて家の中の安全な場所に保管するか、記憶術などを活用して覚えておくのがおすすめです。作成時には、安全なパスワードのベストプラクティスに従ってください。
2. プライバシー設定を有効にする
Firefoxをインストールしたら、プライバシーとセキュリティに関する各種設定が有効になっているかを確認しましょう。Firefoxメニューから「設定」を開き、「一般」を選択します。「Firefoxの更新」の項目までスクロールし、「自動的にアップデートをインストールする」を選びます。
次に「プライバシーとセキュリティ」タブを開きます。最初に表示されるのは「コンテンツブロッキング」です。デフォルトでは「標準」に設定されており、プライベートウィンドウでのみ既知のトラッカーをブロックします。これを「厳格」に変更しましょう。ただし、一部のウェブサイトが正常に動作しなくなる場合がある点には注意してください。
その下にある「トラッキング拒否の信号を送信」(Do Not Track)は「常に」を選択します。
さらに下へスクロールすると「許可設定」の項目があります。以下の項目にチェックが入っているか確認してください。
- 「ウェブサイトが自動的に音声を再生することをブロックする」
- 「ポップアップウィンドウをブロックする」
- 「ウェブサイトがアドオンのインストールを試みたときに警告する」
- 「アクセシビリティサービスによるブラウザーへのアクセスを阻止する」
アクセシビリティサービスについての注意:これらのサービスを利用しないとインターネットやパソコンを快適に使えない方は、信頼できるサービスかどうかを必ず事前に調べてください。悪意のあるソフトウェアが、これらのサービスを経由してブラウザ、ひいてはパソコン本体へのアクセスを試みるケースがあるためです。
次に「セキュリティ」の項目までスクロールします。いくつかのチェックボックスが並んでいるので、すべてにチェックが入っていることを確認しましょう。
- 「危険で欺瞞的なコンテンツをブロックする」
- 「危険なダウンロードをブロックする」
- 「望ましくない、まれなソフトウェアについて警告する」
安全性とプライバシーを高めるアドオン
アドオンとは、Chromeでいう「拡張機能」に相当するFirefoxの機能追加アプリです。ユーザーは自由なカスタマイズでブラウザを自分好みに仕上げられるだけでなく、他のブラウザでは実現が難しいレベルのセキュリティ機能を導入できます。
もちろん、すべてのアドオンが優れているわけではありません。ここでは、Firefox全体のプライバシーとセキュリティに良い影響を与える、特におすすめのアドオンを厳選して紹介します。
HTTPS Everywhere
手軽さで人気の高いアドオンでした。簡単に言えば、対応しているウェブサイトならどこでも安全な通信(暗号化された閲覧)を可能にするもので、技術的にはサーバー認証・データの機密性・データの完全性という3層のセキュリティを提供します。仮に通信データを第三者に盗み見られても、復号鍵がなければ内容を読み取ることはできません。
なお、現在では大多数のサイトがHTTPSに対応したため、開発元の電子フロンティア財団(EFF)は本アドオンの提供を終了しています。代わりに、Firefox本体の「HTTPSのみのモード」を有効にすれば、同様の保護を得られます。
uBlock Origin
うっとうしいポップアップ広告を好む人はいません。特に中には、ブラウザから個人情報を引き出す力を持つものもあります。Firefoxにはポップアップを阻止する内蔵ツール群がありますが、すべてを捕捉できるわけではありません。
uBlock Originは無料のオープンソース広告ブロッカーで、Firefoxが取りこぼした広告にも対応できます。カスタマイズ性も高く、クリエイターを応援したい特定のページでのみ広告を許可する(ホワイトリストに登録する)ことも可能です。
Privacy Badger
Privacy Badgerは、HTTPS Everywhereと同じく電子フロンティア財団(EFF)が開発したアドオンです。多くのアンチトラッキングツールは問題のあるウェブサイトのリストを保持していますが、Privacy Badgerは実際のブラウジングをリアルタイムで監視し、どのドメインがあなたを追跡しているのかを検出します。プライバシーやセキュリティの設定に反するドメインを発見すると、自動的にブロックします。
Privacy Possum
セキュリティは多層化するほど安心です。ほとんどのトラッカーはFirefox内蔵のアンチトラッキング機能とPrivacy Badgerで捕捉されますが、Privacy Possumは万が一すり抜けたトラッカーに対して、偽装・スクランブル化された無意味なデータしか渡さないようにします。
両方のアドオンを導入していれば、企業があなたの閲覧習慣から得られる情報は、あなたが許可した範囲にとどまります。
Cookie AutoDelete
非常にシンプルなアドオンです。Firefoxを閉じると、使用中でないCookieは自動的に削除されます。残したいCookieはホワイトリストに登録でき、それ以外はすべて消去されます。許可なくデータを取得しようとするウェブサイトに対する、強力な防御策になります。
Disconnect for Facebook
Facebookの影響力は絶大です。あなたのFacebookアカウントを追跡しているウェブサイトがどれだけあるか、想像できますか?Facebookにログイン済みだからこそコメント欄が表示された、という経験はないでしょうか?これが気になるなら(気になるべきですが)、「Disconnect for Facebook」アドオンが役立ちます。
このアドオンは、サードパーティのウェブサイトからのFacebook情報への要求をブロックします。サードパーティサイトからFacebookへの通信も遮断しますが、Facebookアカウントそのものの通常の利用には干渉しません。
Firefoxへのアドオンのインストール方法
すべてのアドオンを使う必要はありませんが、少なくともPrivacy BadgerとuBlock Originの導入をおすすめします(HTTPS Everywhereは提供が終了しているため、代わりにFirefoxの「HTTPSのみのモード」を有効にしましょう)。ここで挙げた以外にも、数百種類のアドオンが公開されているので、興味があればいろいろ探してみてください。
アドオンのインストールは簡単です。手順は以下の通りです。
- Firefoxを開き、画面右上の三本線アイコン(≡)をクリックしてメニューを開きます。
- 「アドオンとテーマ」をクリックします。
- 「おすすめの拡張機能」タブが自動的に開くので、「その他のアドオンを探す」をクリックします。
- 新しいタブが開きます。右上の検索バーに、欲しいアドオンの名前を入力します。
- 検索結果から該当するアドオンをクリックします。
- 表示されたページで「Firefoxへ追加」ボタンをクリックします。
- インストールの許可を求めるダイアログが表示されるので、「追加」をクリックします。
- これで完了!目的のアドオンが使えるようになりました。他のアドオンも同じ手順で追加できます。
サイバーセキュリティに関する最後にひとこと
「こんな対策、本当に必要?ハッカーなんて自分に興味ないし」と思うかもしれません。しかし、脅威の中心はハッカーではなく、マルウェア、フィッシング詐欺、そして広告です。最近検索した商品の広告ばかり目についたことはありませんか?それは、ウェブサイトやサービスがあなたの検索履歴を追跡しているからです。悪意がない場合でも、それは紛れもないプライバシー侵害です。
統計によれば、サイバー攻撃は39秒に1回発生しており、全攻撃の43%は中小企業が標的です。クレジットカード番号ひとつ漏れただけでも、その対処は大きな頭痛の種になります。なりすまし被害(ID盗難)を経験したことがないなら、幸運だと思ってください。解決まで決して楽な道のりではありません。
ぜひこの記事を参考に、自分のサイバーセキュリティをどう改善できるか考えてみてください。Firefoxをおすすめしてはいますが、どのブラウザを使っていても、オンラインの安全度を高める手段はあります。社会がますますオンライン化する中、自分自身を守れるのは、結局のところ一人ひとりのユーザーなのです。
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