アライグママルウェア(Raccoon Stealer)とは?脅威の実態と完全な駆除方法を解説
アライグママルウェア(Raccoon Malware)は、世界で最も人気のあるブラウザを含む60以上のアプリケーションを標的とする、サブスクリプション型のマルウェアです。情報窃取型(インフォスティーラー)に分類され、当初はロシアや東欧諸国のコンピュータを主な攻撃対象としていましたが、2019年には英語圏にもその活動範囲を広げました。
このマルウェアを購入して攻撃キャンペーンに利用したいハッカーは、ダークウェブで入手できます。「Malware-as-a-Service(MaaS、マルウェア・アズ・ア・サービス)」というモデルで提供されており、週75ドル、または月200ドルという低価格で契約可能です。支払いを済ませると、管理パネルへのアクセス権が付与され、マルウェアのカスタマイズ、盗んだデータの閲覧、ソフトウェアのビルドダウンロードなどが行えるようになります。
アライグママルウェアができること
前述のとおり、アライグママルウェアは情報窃取型のマルウェアです。Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edge、UC Browser、Internet Explorer、Opera、Waterfox、SeaMonkeyといった主要ブラウザから、Cookie、オートフィル情報、閲覧履歴などを盗み出します。
また、暗号資産(仮想通貨)関連アプリも格好の標的です。Electrum、Exodus、Jaxx、Moneroなどのウォレットファイルをデフォルトの保存場所で検索し、「wallet.dat」ファイルを含む重要データを奪おうとします。
メールアプリも例外ではありません。Outlook、Foxmail、Thunderbirdからデータを窃取します。こうして盗まれた情報は、被害者に対する金銭詐欺やなりすまし(アイデンティティ詐欺)に悪用されるほか、恐喝(ブラックメール)目的で使われる可能性もあります。
アライグママルウェアの駆除方法
アライグママルウェアの駆除には複数の方法があります。最も簡単かつ確実なのは、Outbyte Antivirusのような信頼できるアンチウイルスソフトを使用することです。アンチマルウェアツールがコンピュータ全体をスキャンし、アライグママルウェアをはじめとするあらゆる悪意あるソフトウェアを検出・削除してくれます。さらに重要なのは、今後の攻撃からも継続的に保護してくれる点です。
より包括的な対策としては、アンチウイルスに加えてOutbyte macAriesのような修復ツールを併用するのが効果的です。修復ツールを使えば、インストール済みアプリの一覧を整理し、問題のあるアプリやほとんど使われていないアプリを削除できます。また、ブラウザやアプリが生成したキャッシュファイル、壊れたダウンロードファイル、古いiOSバックアップ、最近使ったファイルなど、さまざまなジャンクファイルもスキャンして一掃できます。実は、アライグママルウェアはこうしたファイルの中から重要なデータを探し出しているのです。
以下に、アライグママルウェアを除去するためのその他の方法を紹介します。
システムの復元(System Restore)
「システムの復元」ユーティリティを使えば、特定の復元ポイント以降にWindows PCに加えられた望ましくない変更を元に戻せます。Windows 10/11でシステムの復元を実行する手順は以下のとおりです。
- Windowsの検索ボックスに「復元ポイントの作成」と入力します。
- 検索結果の最初の項目をクリックして続行します。
- システムのプロパティ画面でシステム保護タブを開き、システムの復元をクリックします。
- コンピュータ上に保存されている復元ポイントの一覧から、任意の復元ポイントを選択します。
- 画面の指示に従って処理を完了させます。
復元処理の途中で、復元完了後に使用できなくなるアプリや設定の一覧が表示されます。削除したいプログラムがその一覧に含まれていることを必ず確認してください。
ネットワーク付きセーフモード(Safe Mode with Networking)
セーフモードとは、Windows OSが基本的な動作を行うために必要な最小限のアプリと設定のみで起動する、簡素化されたWindowsのことです。問題のあるアプリ、マルウェア、設定などを切り分けるのに非常に有効な手段です。
「ネットワーク付きセーフモード」で起動すれば、インターネットなどのネットワークリソースにアクセスでき、ユーティリティツールのダウンロードや、マルウェア対処のコツを解説しているブログ記事の閲覧なども可能になります。
サインイン画面からネットワーク付きセーフモードで起動する手順は以下のとおりです。
- Windowsのサインイン画面で、Shiftキーを押しながら電源 > 再起動を選択します。
- 画面が再起動し、オプションの選択画面が表示されたら、トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動の順に選択します。
- コンピュータが再起動するとオプションの一覧が表示されるので、矢印キーでネットワーク付きセーフモードを有効にするを選択します。
セーフモードを終了するには、以下のいずれかの操作を行います。
- Windowsロゴキー + Rキーを押します。
- 検索ボックスにmsconfigと入力し、OKを押します。
- 「システム構成」ウィンドウで「ブート」タブを開きます。
- ブートオプションの「セーフ ブート」のチェックボックスをオフにします。
PCを初期状態に戻す(リセット)
上記の方法で解決しない場合は、コンピュータをリセットしてWindowsの初期設定とアプリを復元するという選択肢もあります。この方法では、パソコンに最初から搭載されていなかったすべてのアプリが削除されます。もちろん、アライグママルウェアも例外ではありません。また、リセット時には個人ファイルを残すかどうかを選択できるため、思ったほど劇的な手段ではないことも覚えておきましょう。
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