セキュリティ専門家が警告――マルウェアが仕込まれた「偽ゲーム」にご注意を
世界中のPCゲーマー数はここ数年で爆発的に増加し、PCゲーム市場は現在のテクノロジー業界における最大級の市場へと成長しました。業界分析大手NPD Group傘下のElectronic Entertainment Design and Research(EEDAR)による最新の調査によると、米国人口の67%(約2億1,120万人)が何らかのゲームをプレイしており、アクティブなゲーマーのうち52%がPCでプレイしていることが明らかになっています。
PCゲーマーコミュニティの急成長と多様なゲームプラットフォームの出現は、詐欺師やサイバー犯罪者の目にも留まりました。PCゲーマーは一般的にITリテラシーが高く、安易な詐欺には簡単に引っかかりません。そのため、オンライン攻撃者たちはここ数年、ビデオゲーム市場向けに攻撃手法を工夫することを余儀なくされてきました。そして近年、彼らがついに見つけ出したのが、ゲーマーにとって最大の関心であり唯一の弱点でもある「ゲーム」そのものを利用する手口です。
著名なセキュリティ企業であるカスペルスキー・ラボは、ゲームコミュニティに対する新たな脅威として拡大しつつある「マルウェアが仕込まれた偽ビデオゲーム」に関する調査結果を発表しました。調査で明らかになったのは、マルウェアが仕込まれた偽ゲームが、デジタル配信プラットフォーム上でスキャンプロセスが行われていないために、正規品との区別が非常に困難だという事実です。
どの偽ゲームにマルウェアが含まれているのか?
カスペルスキーのレポートによると、2018年6月から2019年6月までの1年間で、約100万人のゲーマーがマルウェア攻撃の被害に遭いました。最も悪用されたのは、ブロックを使って自由に世界を作り上げるサンドボックス型ゲーム「Minecraft(マインクラフト)」です。Minecraftのインストーラーを装ったマルウェアは31万人以上のユーザーに被害を与え、オンラインゲーム関連攻撃全体の30%を占めました。2位は「GTA 5」で11万2,000人以上、4位には「Sims 4」が入り、10万5,000人以上のユーザーが被害を受けています。
また、このレポートでは、偽ゲームにマルウェアを仕込んで配布するだけでなく、サイバー犯罪者が未発売のゲームを装った悪意のあるソフトウェアでPCゲーマーを誘惑していることも判明しました。複数の未発売ゲームの偽物からマルウェアが検出されており、その多くが「Borderlands 3」「FIFA 20」「Elder Scrolls 6」を装ったものでした。新作ゲームをいち早く試したいというゲーマーの期待感を逆手に取った、非常に効果的な餌となっているのです。
さらに、Steam、Origin、Battle.netといった主要プラットフォームがフィッシング攻撃にさらされている実態も報告されています。最大級のゲーム配信プラットフォームであるSteamは、不正アクセス試行の大部分を占めており、2018年下半期には平均して1日あたり約1,000件のオンライン攻撃を受けました。この数字は2019年上半期には倍増しています。Steamユーザーが1日に攻撃を受けた最多人数は、2018年の4,175人に対し、2019年には6,383人に達しました。
マルウェアが隠された偽ゲームを見分ける方法
サイバー犯罪者は、マルウェアをゲームに見せかける技術が極めて高度になっています。実際、正規のデジタルゲーム配信プラットフォームを利用していても、どのゲームにマルウェアが含まれているのかを見分けるのは容易ではありません。新しいゲームをダウンロードする際は、偽ゲームに潜むマルウェアを示す以下の兆候に注意しましょう。
- ダウンロードボタンを押すと悪意のあるサイトにリダイレクトされる。ダウンロードボタンをクリックしたとき、通常ならファイルが自動的にPCに保存されるはずです。アンケートへの回答や別ファイルのダウンロードなど、ゲームとは無関係な操作を求める不審なサイトに飛ばされた場合は、すぐにその場を離れましょう。
- ファイル名に一貫性がない。ダウンロードされるファイルの名前は、通常、ゲームのタイトルと一致しています。Minecraftをダウンロードしているのに、ファイル名にMinecraftという文字列が含まれていなければ、それは悪意のあるファイルである可能性があります。
- 見慣れない拡張子が使われている。ゲームのインストーラーは通常、.EXE、.ZIP、.RAR形式で提供されます。未知の拡張子を持つゲームファイルをダウンロードしようとしている場合は、続行する前に必ず情報を確認してください。
- マルウェアの警告が表示される。これは、PCに害を及ぼすものをダウンロードしようとしていることを示す、最も明白なサインです。ウイルス対策ソフトがダウンロード中のゲームは危険だと警告した場合は、決して無視しないでください。現在のセキュリティソフトは、さまざまな形態のマルウェアを検出できる高度なスキャン機能を備えています。
ゲームのダウンロード中にこれらの兆候のいずれかに遭遇した場合は、直ちにダウンロードを中止してください。
マルウェア入りの偽ゲームからPCを守る方法
偽ゲームに隠されたマルウェアからコンピュータを守るには、基本的なインターネットセキュリティのルールを実践することが有効です。この種の攻撃から身を守るためのポイントを紹介します。
1. 正規のゲーム配信プラットフォームだけを利用する
マルウェアに感染したゲームの多くは、海賊版サイトから入手されたものです。そのため、ゲームは開発元の公式サイトまたは正規のゲーム配信プラットフォームからのみダウンロードするようにしましょう。
2. サイトのURLを確認する
ウェブサイトからダウンロードする場合は、まずサイトの真正性を確認してください。開発元の名前やゲームの説明文に不審な点がないかチェックし、少しでも違和感があれば警戒すべきサインです。URLがHTTPSで始まっていることも忘れずに確認しましょう。
3. 不審なリンクに注意する
ゲーム開発会社は、正式リリースに向けて期待を高めるため、未発売バージョンを公開することはほとんどありません。「未発売ゲームを今すぐプレイできる」と謳うオファーを目にしたら、それはおそらく偽物です。
4. 幅広い脅威からPCを守れる信頼できるセキュリティソフトを使う
Windows 10/11には標準でWindows Defenderが搭載されており、一般的なマルウェア攻撃からシステムを保護できます。しかし、より強固な保護を求めるなら、Outbyte Anti-Malwareのように、より包括的な保護を提供するセキュリティソリューションの導入を検討するとよいでしょう。
まとめ
マルウェアが仕込まれた偽ビデオゲームは、決して目新しい手口ではありません。サイバー犯罪者は以前からこの手法を使ってきました。懸念すべきは、この傾向が大きな潮流となり、わずか1年間で約100万人ものユーザーに感染が広がっているという点です。偽ゲームをダウンロードしている兆候を把握していれば、潜在的な攻撃の防止につながります。堅牢なアンチマルウェアソフトの導入や正規ソースからのゲームダウンロードといったセキュリティ対策を実践すれば、オンラインゲームを安心して楽しむことができるでしょう。
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